今回は、我が著書紹介の#6欄で書きました車の免許証に関連して、しかし クエルナバカではなく、メキシコ・シティで私達を襲った災難についてお話し ます。
順序が逆になりましたが、#6で、クエルナバカでは免許証を持っていない 人も運転をしているという話をしましたが、これはクエルナバカが、幸いにも、 まだ、車に関しては寛大でいられる状況だからで、免許証だけでなく、シート・ ベルトの着用も、排気ガス規制も、クエルナバカでは義務ではありません。
では、なぜ、免許証を買い、排気ガス規制の検査を受け、ときどき整備にも 出すかというと、メキシコ・シティに行く時の為と言って過言ではありません。 いくらクエルナバカが居心地がよくても、年に数回は、シティへ行く用事がで きます。それは、メキシコへ到着した4年前から同じなのですが、特に今年の 後半からメキシコ・シティの様子がおかしいのです。
メキシコ・シティの治安の悪さがニュースになって久しく、先日報じられた ランキングでは、メキシコの治安の悪さは世界的に見てもかなりひどく、戦地 と同じくらい危険だということです。前回の選挙で、治安を良くすると公約し て、PRD(という野党の政党)から立候補し、昨年の終わりからメキシコ・ シティの知事になったのが、クアウテモック・カルディナスですが、彼の就任 から更に悪化しているように見えます。
今年6月に、行ったときに、メキシコ市内に入ってすぐに交通警官に呼び止 められたのが、事の始まりでした。シート・ベルトを着用していなかったのを 見咎められたのです。警官は、罰金の金額は言いますが、一向に違反切符を切 ろうとしません。要するに賄賂が欲しいだけなのですから、私達は金額を値切 って支払いしました。シート・ベルトをしていなかったのは悪かったのだし、 クエルナバカでは着用の習慣がないなんて言ったら、洒落にも弁解にもなりま せん。また、役所まで支払いに行くには道を知らないし、時間もありません。 全面的にこちらが悪いのは承知ながら、やっぱり釈然としません。
次は、8月に行った時のことです。やっぱり、交差点でたむろして見張って いる交通警官に呼び止められました。私達が乗っていた車が盗難車ではないか と言うのです。無論、盗難車ではありませんが、心穏やかではいられません。 なぜかというと、持っている免許証や、車の登録証など、少しでも不備を探し て賄賂を取ろうというのが彼らの仕事なのですから。
そして、3回目の今回は11月の初めでした。同じように呼び止めた警官は 私達の車が黒い煙を吐いていて、市の汚染条令に違反しているというのです。 確かにクエルナバカを出て暫らくしてから、排気ガスがいつもより汚いのには 気付いていたのですが、高速道路に乗って来たのですから、高速から降りてか らすぐに言われても整備工場へ行く間もありません。私達は、これから整備工 場へ行くところだからと抗弁したのですが、やはり、賄賂が目当ての警官にと っては、私達がこれからどこへ行くかは興味ないのです。払わないなら、車を 置いて行けとまで言われました。3度目はこたえました。
私達は、その後、人と会う約束があるにもかかわらず、整備工場を探し、大 急ぎで整備してもらって、用事を済ませてから、約束の場所まで行ったのです が、その間、気が気ではありませんでした。何といっても、応急処置しただけ ですから、煙が全く出なくなったわけではなく、しかも、ひどい渋滞で、巨大 駐車場と化した道路を、這うように進んでいる間、アクセルを踏むたびに煙が ・・・。しかも、警官の姿がアチコチに見えて・・・。
クエルナバカが天国なら、シティは文字どおりの地獄に見える一日でした。 普段、ストレスとは無縁に暮らしていて、ストレスに弱くなったのか、胃の痛 みを久しぶりに感じました。色々な意味で汚れたメキシコ・シティから逃れて くる人が増えて、ばい菌も一緒に入り込みます。免疫のないクエルナバカがい つまで感染せずに美しくいられるか、全く心配な今日この頃です。