太い梁や壁は要塞のようで、今も、当時の作業所、宿泊所、馬小屋、野菜畑など
が残っており、1971年から1973年に行なわれた修復作業中には、ピラミ
デの基礎部分も発見され、宮殿入り口前に露出したままにされています。しかし、
全部が発掘されたわけではなく、まだ道路やその他の建物の下に覆われた部分も
あります。当時は、2階のみっつのアーチ状のテラスから遠くテポツトランの奇
岩の先に、ポポカテペツルとイスタシウァトルのふたつの火山が見晴らせたそう
で、現在はすぐ近くのカテドラル(大聖堂)が見えます。
コルテスの子供達も生まれ育ったこの建物は、その後、市庁舎、刑務所、倉庫、
兵営などに使われ、1969年までは州庁舎でした。修復作業の後、1974年
2月10日にクアウナワック博物館として開館し、以来、モレーロス州の誇りと
して、上下階それぞれ10の部屋、合計20の部屋が公開されています。今年は、
丁度25周年に当たり、様々な行事が予定されています。
下の階では、動物の化石や、植民地時代以前のモレーロスの原住民の生活、クエ
ルナバカおよびモレーロス州のピラミデなどの遺蹟から発見された出土品などが
展示され、上の階では、ヨーロッパ文化とアメリカ大陸文化の最初の出会いから、
宗教的な征服、17、18世紀の産業、1810年の独立運動、1910年の革
命戦争などのエピソードにまつわる展示がされています。
特に重要なのは、カルロス5世が、コルテスに贈ったという、セゴビアの大聖堂
の時計で、クエルナバカの大聖堂に取り付けられてたものの機械仕掛けを展示し
てありますが、これは、メキシコ最初の時計です。
また、2階の回廊の壁画が観光客の目を惹きますが、これは、メキシコの壁画の
巨匠ディエゴ・リベラが、1929年から1930年にかけて、メキシコおよび
モレーロス州の歴史と、この土地の英雄であるホセ・マリア・モレーロスとエミ
リアノ・サパタを描いた作品です。これは、駐墨アメリカ大使であったドワイト・
モロー氏が、当時の金額で3万ペソを投じてクエルナバカ市に寄贈したものです。
また、夫の死後、1954年にクエルナカを訪れたエリザベス夫人は、この壁画
の保存状態が非常に悪いのを見て、この時は15万ペソを寄付して修復に当たら
せ、今に至っています。(#3のタウン・ガイド参照)
コルテス宮殿は、火曜日から日曜日の朝10時から夕方5時まで開館、入場料は
16ペソ、日曜日は無料です。ガイド付きの見学も申し込めます。