「クエルナバカの碧い空」
-呑気家族のメキシコ移住計画-
出版:近代文芸社
石田 かり・著
第16章 「免許証」から
 −−警察の交通課で窓口に行ってその証明書を出すと、じきに呼ばれて、視力 の検査と写真撮影をし、請求書をもらったら支払い窓口へ行って1年分46ペソ (これは年々値上がりしている)を払い、領収書を持って最初の窓口に出すだけ。 複雑なことも、不愉快な事もない。−−                             以上抜粋でした。 日本での車の重量税に代わるTenencia(所有税)を払う時期が、今年も やって来ました。代行制度はなく、所有者か使いの者が、車検証、車の売買契約 書および前年度の納税の領収書を持って、交通局に行きます。毎年2月末が支払 い期限ですから、支払い窓口は込みあいます。タクシーやトラックの運ちゃんふ うも多く、ちょっと荒っぽい人たちかとも思いましたが、見知らぬ同志冗談をか わしながら、混乱もなく待ち、そのうち係の人が整理番号券を配っても、列はく ずれず、メキシコ人の忍耐強さに感心して、私達も一緒に待ちました。 私達は、2月11日に交通局に張り出された所有税の金額を確かめて(車が古く なると安くなるので、毎年金額が異なる)、翌12日の金曜日、朝10時半に交 通局の支払い窓口に着きました。この日は、特に多くの人で込みあっていて、廊 下に長い長い列ができていたにもかかわらず、窓口はまだ開いていませんでした。 しかし、11時に8つの窓口が開くと、銀行のように、係の人が、つぎつぎと開 いた窓口に誘導し、あっと言う間に支払いを終了しました。 係の人が次の人を窓口に誘導するときに、日本なら、「次の人」とか、「ちょっ と、そこの人、あなたの番ですよ」とか、あるいは「何番さん」とか呼ぶけれど、 こちらでは、どんなオッサンも、「セニョール」と呼び掛けられて神妙な顔で窓 口に急ぎます。年配の女性なら、「セニョーラ」、若い女性なら「セニョリータ」 ですが、微妙な(?)年令の私だと、夫と一緒にいても、「セニョリータ」と呼 ばれる確率が高くて、そんな時は待たされても文句は言いません。 因みに、輸入車に対する所有税は高く、日産でもフォルクス・ワーゲンでも、国 内の工場で製造される車は非常に安く設定されています。夫の91年型の大型キ ャディラックは輸入車で、その所有税は、去年の半額ほどなのに8219ペソ、 私の90年型のフォルクス・ワーゲンのゴルフは240ペソでした。日本の重量 税はいかほどでしょうか。

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