
#1 クエルナバカ紹介
第3個所目のクエルナバカ名所は、私達もよくコンサートを開くコンサート・ ホール「マヌエル・ポンセの間」のある「ボルダ庭園」を紹介いたします。
「ボルダ庭園」入り口の中庭

ホセ・デ・ラ・ボルダは1699年1月2日にスペインに生まれ、1716年7 月13日、17才の時にメキシコに到着し、既に1708年からメキシコに来て いた兄を頼ってタスコに来て、銀山で働き始めました。兄が病気になったのを機 会に、兄の銀山を引継ぎ、やがて巨額の富を得ました。彼は、その成功を謙虚な 気持ちで感謝し、タスコにサンタ・プリスカ教会(タスコの大聖堂カテドラル) を建て、二人の子供のうち息子を司祭に、娘を尼僧にしました。メキシコを訪れ たら、銀の街タスコは必見の観光地ですから、このカテドラルを訪れた方も多い と思いますが、18世紀のバロック建築の宝石とも呼ばれるこの教会の豪華さ、 華麗さに、目をみはらせたことと思います。
タスコのサンタ・プリスカ教会

このカテドラルの見学には、是非、入り口で待ち構えているガイドの説明に耳を 傾けることをお薦めします(スペイン語、又は英語)。ホセ・デ・ラ・ボルダと いう人物についての話や、世界唯一と思われる妊娠中でお腹の大きいマリアさま の絵、インディヘナの人たちの為の礼拝堂、はるばるスペインから取り寄せた立 派なパイプ・オルガン、木で彫った内部の飾りや、それを覆う金箔などについて、 漠然と歩いても知ることのできない、面白い話を聞くことができます。ガイドは、 教会を見学した後に、銀細工の店などを紹介してくれますが、それにはついて行 っても、断ってもいいでしょう。彼らは、公認ですが、手数料を取りませんので、 20から30ペソ程度のチップを弾むと喜んでくれます。 さて、クエルナバカにあるボルダ庭園は、有名な教会建築家の息子であったホセ・ マヌエル・アリエタによって1763年頃建設され、ホセ・デ・ラ・ボルダが入 手し、息子で司祭のマヌエル・デ・ラ・ボルダに譲りました。息子のドン・マヌ エルは、この庭が老父ホセ・デ・ラ・ボルダの隠居所として最適と考えたので、 1778年5月30日に亡くなるまで、父親のホセが住んでいました。
ボルダ(左)と息子のマヌエル

ドン・マヌエル・デ・ラ・ボルダは、植物と園芸の非常な愛好家であり、研究家 でもあったので、父の死後には、この庭を拡張して植物園に造り直すことにしま した。そして、100種類以上の果樹や観葉植物を擁する庭園が1783年に完 成しました。庭園は、丘陵地に造られているので、スロープや石段によって接続 する段地が並び、様々な様式の池や噴水が、やすらぎの場所を飾っています。ま た、野外劇場ともなる大貯水池があって、あひるが羽を休めています。1784 年には、隣接してグアダルーペ教会も建てられました。
大貯水池 野外宴会場からグアダルーペ教会を見る

その後、ホテルなどとして活用されてきましたが、フランス侵略の時代に、皇帝 マキシミリアーノと妻のカルロータが、1865年に、ユカタン地方を旅したの ちに、クエルナバカに立ち寄ってこの地を気に入り、ボルダ庭園を自分たちの夏 の別荘としました。そして、しばしば宮廷の優雅な宴が催され、大貯水池の舞台 ではコンサートなどが開かれました。 現在は、モレーロス州の文化協会の一部となっており、植物園、カフェテラス、 本や絵はがき、CDなどを扱うお店、小劇場「サラ・マヌエル・ポンセ」、13 の部屋から成る展示室「セクション・フアレス」など、様々な見所があります。 私たちのアミーゴス・デ・ラ・ムジカも、年に数回、「サラ・マヌエル・ポンセ」 でコンサートを開きますが、このホールの壁には、上記の大貯水池の周りで開か れた宴の様子などを描いた絵が飾られていて、当時の様子がしのばれます。 私達から見ると、庭の手入れがイマイチなのですが、それでも、恋人たちが昼間 から木陰で抱き合ったり、ゆったりとした時間が過ごせます。18世紀の家具や 衣装などの展示室(ゆっくり歩いても、15分くらいで通り抜けてしまいます) を見学してから庭に出て、珍しい果物や植物を見、大きなあひるが泳いだり日光 浴をしている大貯水池の周りを散歩し、貸しボートを漕いでから、カフェテリア で中庭を見ながら、庭園内の店で買った絵はがきでも書くという時間の過ごし方 はいかがでしょうか。 私達がまだメキシコに来て間もない頃、ここで開かれた州知事主催の晩餐会に招 待されたことがあります。そこが有名なボルダ庭園であることも知らなかったし、 当時の州知事も、今では汚職が原因で追放されて行方不明になっているから、ず いぶん月日がたった気がします。でも、噴水のそばにつくられた野外宴会場の豪 華な雰囲気だけは覚えています。 セントロのモレーロス通り、市役所の2、3軒先にあるとは思えない静かさと広 さ。入場料は10ペソで、日曜は無料。月曜は閉園です。お店や、小劇場、トイ レまでは無料で入れます。