#4.トピックス

以下は、1月号の「CUERNAVACA AHORA」(私達が出している日
本語の月刊情報)の中の記事です。

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今回はとっておき情報をお伝えします。「ミ・ティエンポ・エン・モレーロス」
によるミチョアカンへマリポッサ・モナルカの聖域を訪ねるツアーのご案内です。

メキシコで冬を越す蝶々、マリポッサ・モナルカ(学名ダナウス・プレシプス)
をご存じでしょうか。

マリポッサ・モナルカと呼ばれるこの蝶々は、北米やカナダに生息していますが、
冬の間、避寒の地を求めて、毎年冬のはじめに、約4000キロのアメリカ大陸
縦断の旅をしてメキシコに渡って来ます。そして、ミチョアカン州の温暖な地に
聖域を見いだし、その豊かな森で越冬する習慣があります。その数約3億羽と言
われ、約4万ヘクタールの保護地であるこの聖域を訪れると、どこに立っても、
羽を休める蝶々の群れの、オレンジ色と黒の美しい姿を見ることができます。

「ミ・ティエンポ・エン・モレーロス」は、毎年このツアーを企画しており、特
別のガイドが同行し、説明してくれます。個人でも行くことはできますが、途中
悪路もあるということですので、ツアーご参加をお勧めします。

ツアーは、1月30日、土曜日に予定されています。行動予定は以下の通りです。

   早朝6時     セントロ、カテドラル前にて集合、出発
   午前11時頃   ミチョアカン州、蝶々の聖域に到着して見学
   午後2時45分  すぐ近くの村まで移動
   午後3時     この村で2時間ほど自由時間となります。
            レストランや民芸品店がありますので、食事をしたり、
            買物をしたりする予定です。
   午後5時     当地出発
   深夜11時    セントロ、カテドラル前に帰着、解散
   参加費用     一人250ペソ   
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この情報を回したせいかどうか、参加者30人中18人が日本人という楽しいツ
アーになりました。私達も初めて参加しました。そして、聞きしにまさる迫力に
圧倒されて帰ってきました。クエルナバカではなく、バスで5時間もかかるミチ
ョアカン州への旅ですが、皆様にお知らせする価値有りです。この時期メキシコ
にいらして、時間に余裕がある方には、お薦めのツアーです。

木々に群がる蝶々を見ながら、か弱く見える蝶々の生命力の強さや、本能の不思
議に感心すると同時に、たくさんの疑問がわいてきました。そこで、ちょっと詳
しく調べて見ました。

このモナルカ蝶は、夏の間は北米およびカナダの中部から南部にかけて生息して
いますが、冬になると越冬と産卵に適した温暖な気候を求めて長い旅に出ます。
この事実は知られていたのですが、それがどこであるかは、長い間の謎でした。

1938年カナダ人の動物学者フレッド・ウルクハートが調査に乗り出し、モナ
ルカ蝶の避寒の聖域を見つけたのが1975年でした。驚くべきことに、聖域は
メキシコ市の西約100キロにある山岳地帯の中、アルタミラノ丘陵、チクア連
山、カンパナリオ連山、ペロン丘など、高さ約3000メートルの比較的低温の
常緑林にありました。

ウルクハートの調査によると、モナルカ蝶は昼の間だけ飛翔し、夜間に栄養を補
給します。平地では50メートルの高度を、山岳部では10メートルくらいの上
空を、平均時速約20キロで飛翔し、聖域には、10月の終わり頃から4月の半
ばまで滞在します。

遠く離れたこの地域を毎年どうやって見つけることができるのか、未だに謎です
が、最大の謎は、寿命が数か月しかないので、一匹たりとも往復旅行をした蝶が
いないという事です。すなわち、今年ここに来た蝶は前の年の蝶ではなく、その
子孫なのです。

モナルカ蝶の食物は、アルカロイドを含む雑草植物で、他の動物にとっては毒で
あり、もしこの草を食べた蝶を鳥が食べると、動悸が早くなって死に至るのだそ
うで、自守防衛手段となっています。

学名をダナウス・プレシプスというモナルカ蝶は、温暖な気候でのみ成熟します。
まだ寒く不活発な時期に聖域に到着し、越冬して春を待ち、春が来ると慌ただし
く繁殖に入ります。長旅の末に残った最後のエネルギーを使い果たしたオスは、
役目を終えると間もなく死にます。メスは、自分たちの食物であるアルカロイド
を含む雑草に卵を産み付け、約10日で毛虫が現われ、絹の繭を紡ぎ、さなぎが
成長して、やがて美しい蝶になるのです。こうして、世代を交替しながら、新た
な旅立ちに備えます。

寒い時間は不活発なので、丁度ツアーが到着する11時過ぎ頃、空気が陽の光で
暖められると、ようやく活動を始めます。最初は枝の塊かなにかと思ったものが、
次々にワサワサと動き始め、何万羽とも思える蝶があちこちで一斉に飛び立つと、
急に軽くなった枝が跳ね上がり、緑の葉が現われます。白の斑点が、深いオレン
ジ色と絹のような黒に際立ち、陽の光によって刻々と羽の色合を変えながら、ミ
チョアカンのモミや松の常緑を背景に、紺碧の空に舞うのです。そして、空も、
自分たちのまわりも蝶で充ちあふれ、それはふしぎな気持ちです。
蝶の重みで枝がしなる      天に舞う蝶       周りは蝶だらけ

(クリックで拡大)
カナダの東部の湖の中に島を持っている友達によると、彼女は、数年前の5月の
末に、南から戻ってきた何万羽という蝶々が、砂浜や船着場で羽を休めているの
を見たそうです。4月の半ばにメキシコを出発し、カナダの島に辿り着くまでの
1カ月半、どんな旅をしてきたのでしょうか。

虫が嫌いな人には、耐えられない拷問かも知れませんが、まさに生命の不思議を
目撃する希有な体験でした。

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