ですから、タコス屋にゆくと、肉や、魚介類などの料理が皿に盛られて出てきて、
注文しなくても出てくるアツアツのトルティージャに、包んで、食べます。
トルティージャにも色々あって、小麦粉で作ったあっさりタイプのもの、それよ
りちょっと小型で、とうもろこしの粉で作った、ちょっと匂いのあるもの、ソペ
と呼ばれるおつまみを作るのに使う小さくて厚型のもの、ケサディージャと呼ば
れる軽食を包む楕円形のもの、ケソ・フンディード(溶かしたチーズ)に使う滑
らかなもの、また、黒や緑色のとうもろこしで作る濃い色のものなど、何種類も
あります。
このトルティージャは、例えば、からっと揚げて、ソパ・アステカ(アステカ・
スープ/別名、ソパ・デ・トルティージャとも言う)の中にも入っているし、そ
の他、メキシコ料理では、様々な形で、いたる所に出てきます。小麦粉のものは
とも角、とうもろこしで出来ているものは、ちょっと癖のある匂いがしますから、
毎日食べると、最初はウンザリするかも知れません。
私が、15年ほど前に、1ヵ月ほどメキシコ横断、汽車とバスの旅をした時には、
旅の半ばで、どうしてもトルティージャが食べられなくなり、困ったものです。
道を歩いていると、あちこちでトルティージャを焼く匂いがしてくるし、当時は、
スペイン語もわからず、レストランで注文すると、常に何らかの形でトルティー
ジャがついてくるしで、逃げまどったものです。まっ、いまは、大好物で、それ
も、匂いのするとうもろこしのトルティージャの方が好きなのですから、慣れと
いうのは恐ろしいものです。
と、言う訳で、通称タコス街道(プラン・デ・アヤラ通りの一部)にある、我が
家のお気にいりのタコス屋、タコス・オリエンターレスをご紹介します。この道
だけでなく、同じ名前のタコス屋が何軒もあって、まぎらわしいのですが、この
タコス屋が一押しです。
トルティージャで包む具はいろいろあって、牛肉や魚介類とピーマン、玉ねぎな
どの野菜を炒めたものに、とろけるチーズがのっているのが、主流です。これに、
サルサ(ソース)を加えて食べます。サルサには、ロッハ(赤)、ベルデ(緑)、
そしてサルサ・メヒカーナなどがありますが、どれもチレ(唐辛子)が入ってい
るので、辛いです。また、必ずレモンが出てきますが、しぼって料理にかけても、
ビールにいれても良く、お好みでお食べください。
特に、お薦めのタコス料理は、タコス・アル・パストールという料理で、すでに
トルティージャに具を包んだ形で出てきます。
タコス屋でも、屋台のお店でも、必ずあるのが、このパストールの具となる肉の
カタマリです。この肉は薄切りの豚肉を、各店秘伝のタレに数時間浸けて、味を
しみ込ませたものを、軸の周りにくっつけていって、巨大なコマの形のカタマリ
を作ります。その上にパイナップルの皮をむいたものを乗せ、ぐるぐる回しなが
ら、パリージャという縦型のグリルで横から焼いて、焼けた外側の肉から、包丁
で薄くこそぎます。これに、同じく、こそいだパイナップルと、サルサ・メヒカ
ーナを併せて、トルティージャで巻いて、出来上がり。一個、3ペソです。
我が家では、これを一人が5個づつと、その他に2品、大皿料理(25−30ペ
ソくらい)をとって、トルティージャで食べます。飲み物も入れて、家族4人で
200ペソ程度です。正直言って、ウチは明らかに食べ過ぎです。
パストールの肉のカタマリは、常に店の表、道路脇でぐるぐる回っているし、特
に、雨の季節は、野菜を洗う水が汚染されている可能性が高いので、きちんとし
た店でも、雨季には敬遠したほうがいいようです。路上の屋台で食べると、もち
ろん、もっと安いのですが、衛生上、お腹が慣れないうちは、やめた方がいいで
しょう。特に、豚肉は危ないと言われていますので、きちんと焼いているお店を
選ばなければなりません。
最後に、サルサ・メヒカーナの作り方をご教授いたします。パンに付けても、ス
テーキに乗せても美味しくいただけます。また、卵と混ぜてオムレツにすると、
ウエボス・メヒカーナという朝食のおかずになります。ぜひ、お試し下さい。
1)トマト、タマネギ、シラントロ(日本で言う香草のコリアンダ)を、大きめ
の、みじん切りにする。辛いのがお好きな人は、チレ・セラーノ(しし唐辛
子)のみじん切りも加えます。
2)これを器に入れ、塩を一摘みと、レモン汁を入れて、よく混ぜ合わせる。
以上で、赤(トマト)、白(タマネギ)、緑(シラントロ、または唐辛子)の、
メキシコ国旗の色の、サルサ・メヒカーナの出来上がりです。