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「クエルナバカの碧い空」 -呑気家族のメキシコ移住計画- |
出版:近代文芸社 石田 かり・著 |
#6 著書「クエルナバカの碧い空」紹介 − 老化現象と更年期障害
第21章 女性 −−メキシコ女性の社会進出も進んでいるし、政治でも企業のパーティでも、男 ばかりが集まって、灰色の背広一色ということもない。−− 以上抜粋でした。 常々、メキシコの女性の元気さに感嘆していたところだ。日本人は、よく実際の 年令よりも若く見られるというけれども、メキシコ人も若く見える。年令を聞い てびっくりするのは、外見もそうだけれど、中身も若い。いつまでも華やかで、 派手な化粧や服装で、キャピキャピしている。 私自身は、2年ほど前に、40肩の症状が出でひどく年令を意識した。左腕が上 がらないだけでなく、腕全体が痛く、だるく、夜も眠れなので、痛み専門のお医 者さんにかかった。日本では、特に治療せず、痛みが自然に消えるのを待つと聞 いたことがあるが、今はどうしているだろうか。クエルナバカのお医者さんは、 迷わず2種類の薬のブレンドを肩の痛いところに注射してくれた。そして、ちょ っと様子を見ましょうと言う。 これが良く効く。その晩には痛みが和らいで久しぶりに熟睡し、一週間後には完 全に痛みが消えて、それ以来すこぶる好調だ。不思議なのは、この話をメキシコ 人にしても、わかってくれないことだ。日本人なら、ひどい肩凝りとか、中年に なって40肩を経験するのは珍しくはないけれど、職業病や、テニス肘はあって も、普通の主婦は肩凝りや40肩を経験することはない。スペイン語訳もないし、 説明の仕様もない。 そんな時、お隣のレティに誘われて、もう一人の隣人ヒルダと3人で、4月26 日の月曜日に、ラ・サージェ大学の成人教室の講義を聞きに行ってきた。定期的 に開かれるのだが、今回のテーマは特別興味深い。そのタイトルは、ずばり「更 年期障害」。出席したわたし達は、レティ54才、ヒルダ45才、そして私はそ の中間の年令というトリオ。 私は、老化現象と更年期障害を混乱して考えていたけれど、全く別のものである らしい。老化現象は着々と進行するけれど、更年期障害は正しい知識をもって心 の準備をしておけば予防できる可能性があるし、治療法も薬もある。人によって 症状も異なり、全く経験しない人もいるそうだ。 「更年期障害」の講義には、同じくらいの年令の中年女性がつめかけて、熱気ム ンムン。更年期障害とは関係なさそうな活発な人ばかりだ。数組、夫婦もいた。 想像するに、メキシコの男は浮気者が多いから離婚も多いし、年の離れたカップ ルが多いので、若くして夫を亡くす人も多い。未婚のまま中年に達する女性も珍 しくなく、いくら若く見えても精神的な動揺があるだろう。 講師のシルビア・レオン・デ・オヨス先生は若くて美人と思ったら、自身、更年 期障害を乗り越えた経験があって、私達と同年令と判明した。 先生が列挙した更年期障害の症状は、不眠、疲れや倦怠感、無気力、涙もろくな ったり、のぼせたり、ヒステリックになったりと、感情的なものが多く、幸いな ことに、私に当てはまるのが殆ど無かった。例えば物忘れというのがあったけれ ど、これは私の場合、年令とは関係ない。まあ、知っておいて損ではないけれど、 もう少し先の話のようだ。メキシコ人は、油っこいものを沢山食べるし、野菜嫌 いがおおいから、もしかすると、更年期障害よりも、成人病の講義をした方がい いかも知れない。 驚いたのは、講義の最後に、前に座っていた女性が立ち上がり、「私もひどい更 年期障害の症状がでて、ふさぎこんだ毎日を送っていたけれど、シルビア先生に 診てもらってすっかり治りました。今は夜の夫婦生活もうまく行って、とても満 足しています」なんて、聞かれもしないことまで言う。56才と自己紹介したけ れど、40代前半にしか見えず驚いた。やっぱり、メキシコ人は逞しい。
バックナンバー
#1 「運転しよう」から:何でもありのメキシコ式運転
#2 「猫」から:猫の獲物はどうする?
#3 「免許証」から:ここでは買うんです
#4 「仕事をしよう」から:押し掛け助手は大活躍
#5 「仕事をしよう」から:コンサート後のご馳走
#6 「仕事をしよう」から:黒沼邸でのミニコンサート
#7 「スペイン語」から:無口な日本人
#8 「免許証から」から:車の所有税
#9 「クエルナバカ」から:蜂鳥
#10 「猫 パートII」から:捨て猫アナスタシア
#11 「猫穴」から:アメリカ・ドライブ・転々旅行