#1 クエルナバカ紹介 − マキシミリアーノの家「薬草植物園」
「インディア・ボニータの家」とも愛称されて親しまれているこの植物園には長 い歴史があり、観光的だけでなく、科学的にも非常に重要な役割を担っています。 ナポレオン3世によって、1864年にメキシコの皇帝に任命されたハプスブルグ家 のマキシミリアーノは、妻のカルロータを伴ってメキシコに来て間もなく、クエ ルナバカの美しさに魅せられ、1866年にはすでに当時のアカパンシンゴ村に別荘 が建てられたのでした。実は、これは、気が強くて派手好きな妻のカルロータに 隠れて、美しいインディヘナの娘、コンセプション・セダノ愛称インディア・ボ ニータを囲った妾宅でもありました。
入り口のタイルの埋め込み看板

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このマキシミリアーノ、翌1867年6月に銃殺刑に処せられているのですから、彼
がクエルナバカでやすらぎの時をすごしたのは、ごくわずかでした。

その後、農業学校時代を経て、1979年に30種の薬草を集めた「薬草園」が開か
れました。アカパンシンゴ村は現在ではクエルナバカでも有数の高級住宅地コロ
ニア・アカパンシンゴとなり、薬草園も、INAH「国立人類学・史学院」が管轄す
る、アメリカ大陸で最も充実した「薬草および民族植物学博物館」となりました。
薬草園の入り口付近、日本の蓮も咲いている

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「民族植物学」というのは、「時間の経過に伴う人間と植物および環境との関係」、
即ち豊富に自生する植物を利用した伝統文化に関する科学的学問です。スペイン
侵略以前の古文書に書かれ、メキシコ原住民に親しまれていた植物もあり、古代
からどのように使われてきたかも調査されます。また、伝統的な手法で病気を治
す治療師や産婆、整骨師、農夫、家庭の主婦などの実際的な知識と、都会的な先
進の医学との知識の交換もあり、その結果、病気の治療だけでなく、虫除け、染
料、化粧品など広い分野で活用するための、研究が続けられています。

その内容は、1ヘクタールの土地に、約100科360属500種類の植物が集められ、そ
のうち、約250種が薬用植物で、その他、食用、観賞用、儀式用の植物が集められ
ています。サボテンやランなど、絶滅の危機に瀕していた植物も、植物学者の地
道な野外調査によって見いだされ、絶滅を逃れたものも少なくありません。

話は変わりますが、1997年11月に、東京都千代田区からメキシコ訪問調査団が
クエルナバカを訪れたときには、植物園内の屋外講堂で、黒沼ユリ子さんのアカ
デミアでバイオリンを習う子供たちの演奏会で一行を歓迎しました。この屋外講
堂は、日産メキシコのクエルナバカ工場の初代工場長が、部品の梱包用の板を寄
付してくれて出来上がったもので、音響にも定評があります。コンサート後には、
講堂横の芝生で昼食会が開かれ、皆さんをメキシコ料理でおもてなし致しました。

その時、植物園側から、植物園内の小川の水が匂うので、その浄化について良い
案がないかと質問がありました。この問題については、日本の浄化技術は非常に
進んでいるので、帰国後、技術資料を千代田区から植物園に送って下さるという、
ありがたいお話がありました。皆さんの帰国後、お手紙を差し上げ、この資料に
ついて問い合わせいたしましたが、未だにお返事がなく、約束が守られていない
のは、メキシコ側にいるものにとって大変残念なことです。

また、毎年10月下旬にはランの展示会があり、ランの生け花展(ホームページ
第3号#2文化情報をご参照ください)、食用植物の試食会、ラン以外の珍しい
植物の即売もあり、多くの花好きが集まります。不定期ですが、植物園整備の資
金集めとして、食用植物だけを使った料理の有料の昼食会が催されすこともあり
ます。

園内に、植物専門の図書館もあって利用することができるし、前以て頼むとガイ
ドの説明付きで見学することもできます。盆栽や生け花の教室が開かれることも
ありますので、興味のある方は、直接お問い合わせください。

植物園の場所は、コロニア・アカパンシンゴ、マタモロス通り#14、サン・ミ
ゲル教会向かいにあります。毎日9時から5時まで開園、入園料は無料で、入口
で署名して入ります。電話番号: 12-59-55

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バックナンバー
#1 クエルナバカの位置、高度
#2 クエルナバカの歴史
#3 峡谷の町、クエルナバカ
#4 常春の街、クエルナバカ
#5 モレロス州紹介
#6 カテドラル(大聖堂)
#7 コルテス宮殿
#8 ボルダ庭園
#9 ブレイディ博物館
#10 セントロのソカロ
#11 角屋(Sumiya)の歌舞伎座
#12 テオパンソルコのピラミデ
#13 モレーロス庭園

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