「クエルナバカの碧い空」
-呑気家族のメキシコ移住計画-
出版:近代文芸社
石田 かり・著
#6 「クエルナバカの碧い空」続編 − 私たちの夏休み日記
メキシコの学校は9月に始まり7月に終わります。我が家の場合、小学校を卒業
した息子と高校2年生に進学する娘が、7月の初めに夏休みに入りましたが、恒
例となった夏休みの日本滞在のために、7月23日にメキシコ国際空港を旅立つ
と、残された私達夫婦の本当の夏休みが始まりました。

二人だけののんびり旅行も考えましたが、やっぱり、私が世話しないと生きて行
けない(と、私が思い込んでいる)猫のニエベと蜂どりたちの為に、どこへも出
かけず、毎日、読書(かり)やピアノ練習(かず)に励んでいるのです。そこで、
夏休みの退屈日記を数ページ。

1)訪問者たち: 夏休みは、知人、友人、見知らぬ人たちをお迎えする良いチ
ャンスです。残念ながら、箕面市と東大阪市からいらした方々を、我が家にお迎
えすることはできなかったけれど(#2文化情報参照)、スペイン語学校の3人
娘(#5訪問者紹介参照−もう一度訪ねてくれました)、ガール・スカウトのメ
ンバーの高校生たちとリーダーの梶浦貴巳さん、メキシコ市在住の牧野祥子さん
とお友達の坂本さん姉妹と赤ちゃん、アメリカからは、元メキシコで勤務、現在
はサン・ディエゴの大学に留学中の中村さつきさんを迎えました。
いちばん若い訪問者  りこちゃん(笑顔がとってもかわいいでちゅ)

(クリックで拡大)
もうお一人、アメリカでご主人のピート・ハミル氏と共に大活躍のエッセイスト、
あの青木冨貴子さんにお会いする予定です。皆さんもいろんな所で彼女の文を読
んでいると思いますが、クエルナバカの家を一軒借りて夏休みを過ごしていると
ころを、お邪魔しようと思っています。全く、どこへも出かけず、ひたすら皆さん
をお待ちしていてよかったと思うような素晴らしい人々に会うことができるのです。
このうち、何人の方が、私達の訪問者紹介のページに登場してくれるでしょうか?

2)理事会: アミーゴス・デ・ラ・ムジカの月例理事会が7月31日に開かれ
ました。次期理事候補の私も、かずさんと一緒に招待されて行ってきました。
12時から理事会、午後1時から食事会の予定でした。ところが、理事たちが集
まったのが1時も大分過ぎてから、この時期、夕方になると雨が降るおそれがあり、
仕方なく理事会を省略して、食事会だけになったのです。正直な話、みな食事と
おしゃべりを目当てに来たのです。

場所は、クエルナバカの北の端、メキシコ州との境の森の中にある、カティおば
さんの家の屋上の広いテラスです。見晴らしがよく、日本を知っている人も知ら
ない人も、「まるで箱根の山の中のようねぇ」などど、涼しい風を受けて、ため
息を洩らしました。テラスのバーベキューで鶏や鶉が焼きあがるのを、真っ昼間
からワインやテキーラ片手に待ちます。この日の料理人は、ワトソン会長の息子
のニコラスで、きちんとシェフの格好をして、手製焼肉のタレに浸けて用意万端
の、鶏や鶉の肉をどんどん焼いてゆきます。全く、メキシコ人は呑気です。

3)猫騒動: うちのニエベは gato tonto(おばかさん猫)です。先日、朝ごは
んを食べに来ないので、まさかと思いながら台所の裏戸を開けて見上げると、案
の定、屋根の上から顔だけ出して情けない声で助けを求めています。猫は屋根の
上で昼寝するのが当たり前ですが、自分で登った屋根から降りてこられない猫が、
どこの世界にいるでしょうか?実は、世にも珍しい tonto 猫がここにいます。

しかも、これが3回目なんですよ! 一度目は、二階のベランダから、段ボール
箱を差し出して、辛うじて猫を受けとめて、無事救出しました。以前も書きまし
たが、ニエベは身長1メートルもある大猫です。この時、受けとめた私も、その
重さに引っ繰り返ってしまいました。猫も恐かったのでしょう。2度目の時には、
箱を差し出してもダメで、庭師のホエールが、子供たちと一緒に屋根に登って引
きずり降ろしたのでした。

そして、3度目の正直です。夜中に屋根に登って、炎天下を昼すぎまで食事もも
らえず、干涸びていたあの日をもう早、忘れてしまったニエベは、またしても、
屋根の上から「降ろしてヨォ」と情けない声を出しているのです。バカな子ほど
可愛いと言いますが、本当でしょうか? 

本当です。またも、庭師のホエールの頼んで、はしごを出したのですが、ニエベ
は、前回も恐かったのか、なんと恩知らずにもホエールの手に深く爪をたて、や
っとこさ救出されたのです。そして、なぜか叱られたのは私でした。万が一、ホ
エールがハシゴから落ちたら、どうするんだ!!というのが、かずさんの意見で
す。かずさんが言います。「猫の命と、ホエールの命と、どっちが大切か、よく
考えろ!!」。よく考えたけれど、いまだに答えられない私です。

4)二人だけの食事: 最近、料理に目覚めたかずさんですが、さすが、二人だ
けの食事では、やる気が起きないらしく、外食が多い夏休みです。まあ、旅行へ
出たと思えば、数度の外食は安いものです。しかも、意外な援助もあって、休み
中、買物へ出かけることも、あまりありません。

ある日、朝食の支度をしていると、朝の果物がありません。それでは、というの
で、庭に出て、マンダリン(みかん)の木から、かろうじてオレンジ色に色つい
てきた実を取って、食卓へ直行。甘くて美味。夕方には、casa 8 (家8号)のお
じさん RAMON が、袋いっぱいのレモンを持ってきてくれました。ラモンおじさん
が自分で種をまいた、そのレモンが収穫されたのです。ジューシーで、夜のテキ
ーラにぴったりです。ついでに、ラモンの裏庭のマンゴの実はどうなったかと尋
ねたら、今年はみんな鳥に食われて全滅だそうです。惜しい事をしました。

翌日は、アミーゴス・デ・ラ・ムジカのワトソン夫人の家の庭の、グレープ・フ
ルーツができ過ぎて困っていたので、もらってあげました。お店に出ているのと
同じ、大きなグレープ・フルーツが20個以上。半分をmuchacha(お手伝いさん)
にあげ、残りは毎朝のジュースに変身しています。

その上、外に出れば、市役所の競買や、シケーロスでの展覧会(#2文化情報参
照)では、ワインとおつまみが出るし、箕面市の人たちのレセプションでも軽食
あり。なんだかお得、生活が安上がり! アレ、話がちょっとセコくなりました。

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バックナンバー
#1 「運転しよう」から:何でもありのメキシコ式運転
#2 「猫」から:猫の獲物はどうする?
#3 「免許証」から:ここでは買うんです
#4 「仕事をしよう」から:押し掛け助手は大活躍
#5 「仕事をしよう」から:コンサート後のご馳走
#6 「仕事をしよう」から:黒沼邸でのミニコンサート
#7 「スペイン語」から:無口な日本人
#8 「免許証から」から:車の所有税
#9 「クエルナバカ」から:蜂鳥
#10 「猫 パートII」から:捨て猫アナスタシア
#11 「猫穴」から:アメリカ・ドライブ・転々旅行
#12 「女性」から:老化現象と更年期障害
#13 猪俣猛作曲「クエルナバカの碧い空」
#14 日本へ一時帰国しました/その他
#15 運転したら事故はつきもの

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