![]() -呑気家族のメキシコ移住計画- |
出版:近代文芸社 石田 かり・著 |
#6 「クエルナバカの碧い空」続編 − 仕事人「かり」生涯こんなに仕事をした記憶はありません。会社勤めをしていた時だって、下っ端 だった時は、適当に上司の目を盗んで仕事をさぼっていたし、古株になってからは、 若い人に仕事を押しつけて、やっぱりさぼっていたのに、人生をのほほ〜んと楽し む為にやって来たこのクエルナバカで、こんなに仕事をしている私って何? ホームページの記事やエッセイを書く著述業、日本語の先生、翻訳家、アミーゴス・ デ・ラ・ムジカの切符販売担当などの役員兼経理担当者などなど、ごく単純にでき ている本人のキャパシティを遥かに越えています。しかも、como si fuera poco (まだ足りないかのごとく − 最近、覚えた言い回し)こんな時に限って、息子 が通う中学の先生からは呼び出しがかかるわ、猫は病気で病院まで付き添わねばな らないわ、かずさんの魚料理のせいで家族全員お腹をこわすわで、もうタイヘン!! 大事な甥の結婚式を一日過ぎてから思い出すという大失敗までしてしまいました。 何はともあれ、もうすぐ「葛飾諏訪太鼓」の一行が到着します。#2の文化情報で お伝えしたように、たくさんある行事の中でも、これが今一番の重大事。葛飾のみ なさんが、メキシコ滞在を楽しんでくれて、しかも公演が大成功し、次回のメキシ コ公演につながるよう、ガンバ、ガンバ!! もう一年以上前に、アミーゴス・デ・ラ・ムジカのワトソン会長の息子であるニコ ラスが、ホルナーダという行事のために、クエルナバカの大通りで、太鼓をたたい たら面白いから、「かり、太鼓のグループと連絡を取れないか?」と聞いてきたの が始まりでした。インターネットやメール仲間に聞いていたのですが、有名になっ てしまったグループは、そう簡単には来てくれそうもなく、また出演料などという もが必要だったりで、とても無理と諦めていたのです。(因みに、このホルナーダ、 今年は何故か中止となりました。) それが、コルテス宮殿内のクワウナワック博物館25周年記念行事の為に、真剣に 何か考えなければという段階になったとき、「葛飾諏訪太鼓」の古谷邦子さんから、 「メキシコか中南米で太鼓の公演をできる場所を知りませんか?」というメールを 貰ったのですから、「飛んで火にいる・・・」じゃなくて、「渡りに船」でした。 古谷さんは子供時代をメキシコで過ごした経験を持ち、現在は、「気軽な国際交流 の会」で、在日外国人に日本語を教えるなどのボランティアをし、同時に新人では あるけれど「葛飾諏訪太鼓」の一員でもあるという女性です。読売新聞メキシコ支 局に勤める植田女史を通じて知り合ったのですが、当時は、直接の面識はありませ んでした。 公演をしたい人がいて、公演をして欲しい人もいる。私はその間を取り持てばお役 目御免のはずだったのです。ところが、メキシコと日本の連絡役を他の人に頼めな いのだということに気が付いた時は、すでに抜き差しならぬ立場にいたのでした。 アミーゴス・デ・ラ・ムジカ(AMC)の定期演奏会のプログラムでもあるこの公 演についての責任者はワトソン会長です。ところが、太鼓公演の実現が決まった頃、 彼女は、12月のビッグ・イベント「カルミナ・ブラナ」に夢中になってしまった のです。何を話しても、主語は「カルミナ・ブラナ」。私が、「ポスターはいつで きるかしら?」と聞くと、「来週にはできるでしょう」と返事が来ます。「太鼓の ポスター」のことを聞いているのに、彼女が言っているのは、「カルミナ・ブラナ」 のポスターのことなのです。 しかし、日本大使館の協力や、日墨友好協会 FONDO DE LA AMISTAD MEXICO-JAPON の資金援助を得ることができたのも、また日本航空の協力や、日本の国際交流基金 の援助によって、来墨メンバーの負担も軽くなったのも、全て彼女の尽力によるも のです。楽観的に、そして精力的に、動き回る彼女の行動力には、今回も脱帽です。 それなのに、25周年を迎えるクワウナワック博物館自身が、のらりくらりとして いて、様々なスッタモンダがありました。政治的な思惑も含んで、私達には理解し がたいことも多々あります。興味深いのは、モレーロス州の大新聞「ディアリオ・ デ・モレーロス」が、「25周年の太鼓公演は、アミーゴス・デ・ラ・ムジカの文 化的な活動力を乱用して実行されるものである。もっとアミーゴス・デ・ムジカを 尊重しなければならない」という記事を出したことです。 しかし、先日、記者発表もあり、続々と切符の問い合わせも受け、徐々にその日が 近付いてくると、結果的に「なんとかなる」んだから、やっぱりメキシコです。不 思議でもあり、いいところでもあります。 こうして、私が忘れていても、甥はみんなに祝福されて結婚式を済ませ(ご両人、 おめでとう!)、猫の病気は治り、数日禁酒しただけで、私達のお腹も元にもどり、 ホームページの記事も無事、期日に間に合って書き終えることができるできました。 あとは、「葛飾諏訪太鼓」ご一行の到着を待つばかり。公演の模様は、次回、お伝 えいたします。
バックナンバー
#1 「運転しよう」から:何でもありのメキシコ式運転
#2 「猫」から:猫の獲物はどうする?
#3 「免許証」から:ここでは買うんです
#4 「仕事をしよう」から:押し掛け助手は大活躍
#5 「仕事をしよう」から:コンサート後のご馳走
#6 「仕事をしよう」から:黒沼邸でのミニコンサート
#7 「スペイン語」から:無口な日本人
#8 「免許証から」から:車の所有税
#9 「クエルナバカ」から:蜂鳥
#10 「猫 パートII」から:捨て猫アナスタシア
#11 「猫穴」から:アメリカ・ドライブ・転々旅行
#12 「女性」から:老化現象と更年期障害
#13 猪俣猛作曲「クエルナバカの碧い空」
#14 日本へ一時帰国しました/その他
#15 運転したら事故はつきもの
#16 私たちの夏休み日記
#17 最近の感動:みんな生きている!
#18ホームページ1周年記念