#4 トピックス − DIA DE MUERTOS 死者の日

UNIC(クアウナワック大学)のアルフォンソ学長の奥さんで、やはり大学の理
事をしているディアナから電話をもらったのは、10月27日のことでした。大学
で「死者の日 DIA DE MUERTOS」のお供え OFRENDA のコンクールがあるので、審査
員を務めてほしいというのです。喜んで引き受けました。10月29日の金曜日に
モレーロス通りにある大学へ行くと、学内のあちらこちらに、学生6グループが作
ったお供えが飾られていて、どれも力作で色とりどり、優劣を付けるのは難しい所
を他の審査員(モレーロス・ラジオ局の人や、ウニオン・デ・モレーロス新聞の記
者など)と一緒に審査をし、優勝を決めました。
優勝は逃したが1番人気のグループ

(クリックで拡大)
もっとも、私達は、EMILIANO ZAPATA に捧げられたお供えが良いと思ったのですが、
他の審査員は、それではあまり独創性がないという判断で、タバスコ州で大雨の被
害に遭って亡くなった子供たちに捧げられたお供えが優勝しました。

毎年、漠然と見ていたこの習慣ですが、今回学生たちの説明を聞くうち、俄然、興
味が湧いてきました。詳しく調べて見たら、非常にメキシコ的な習慣であることが
分かりました。日本のお彼岸やお盆に似ていて、多くの人がお墓参りをするのも面
白いことです。

まず、「死者の日」という習慣は、コロンブスがアメリカ大陸を発見する、ずうっ
と以前からメキシコの原住民によって引き継がれてきた伝統的な行事だということ
です。そしてそれぞれの土地に、この習慣の由来となる伝説や物語が語り継がれて
います。スペイン人の侵略によりキリスト教が入ってきてからは、お供え物の中に、
アメリカ大陸には元々なかった果物が供えられたり、十字架が飾られたりという変
化はあったものの、各地それぞれの特徴ある伝統が引き継がれています。

11月1日は「小さな天使の日」と呼ばれ、幼くして亡くなった子供たちの魂が家
に帰る日、2日は大人の死者の魂が帰る日、そして3日は、遺された家族がお供え
した食べ物を食べ、歌い踊って祝い、祭壇を片付ける日と言われています。1日と
2日が祝際日で休日です。

この祭壇にお供えするものに欠かせないのが以下のものです。

・ すかし模様に切った黒色の紙(キリスト教の弔意)
・ すかし模様に切ったオレンジ色の紙(アステカ人の弔意)
・ CEMPASUCHITLE (または、ナウアトル語で、CEMPOALXOCHITLE)という名前の、
  花びらが20枚以上ある濃い黄色の花(日本のキンセンカで、太陽を表す)
  *花そのものも沢山飾るし、死者を導くために花びらで通路をつくる。
・ 4つの方位を示す4本のろうそく
・ 悪霊を除け、周囲を清めるお香と、清めの塩
・ 炭をいれたBRASERO(火鉢)
・ 死者の長旅の疲れをいやす水の入った瓶
・ 手を洗う水とタオル
・ 死者の写真
・ 死者の好きだった食べ物や、テキーラなどの飲み物
・ 「死者のパン」と果物
・ どくろ

私達が見たどの祭壇にも共通する特徴は、まず第一に死者の写真です。祭壇が誰に
捧げられているかわかります。次にどくろ:どくろは、何かというと登場するメキ
シコ人が大好きなシンボルで、審査のお土産に、私達もどくろのホワイト・チョコ
レートをもらいました。それから「死者のパン」と呼ばれる甘パンが、この時期に
なるとスーパーなどでも大売出しをし、メキシコ人は大量に買いますが、私達には、
さして美味しいとも思えないパンです。また、TLAXCALと呼ばれる色砂糖をまぶし
たパンや、この時期、ハローウィンとも重なって店に並ぶのがかぼちゃですが、こ
こでは、土鍋で甘く煮ておかしのようにしたのを飾ります。
パンがいっぱいのお供え、上がすかし模様の紙

(クリックで拡大)
そして、オレンジ色と黒のすかし模様の紙も非常にメキシコらしく、また大事なの
がCEMPASUCHITLE と言う黄色い花で、この花びらで通路をつくり、死者が迷わず家
に帰ってくることができるように導きます。

各地方にそれぞれの言い伝えがあって、特徴のある行事をしますが、たとえばクエ
ルナバカのように外国人が多い新興都市では、伝統的というよりは、遊び心が盛り
込まれた飾り付けが主だし、メキシコ・シティのような大都市では、貧しい子供た
ちにパンを配るなど福祉的な意味も強くなります。私達も、「死者の日」の前後に
はお供えで飾った祭壇を沢山見ました。特にカテドラル横の僧院の飾り付けは見事
でした。また、ボルダ庭園の展示はユーモアたっぷりで、ちょうど日本の「変わり
雛」のように、大統領選挙運動中の候補者をからかった骸骨などが飾られて、観光
客だけでなく、市民も大喜びでした。
骸骨がテキーラ飲んで…こりゃ面白い

(クリックで拡大)
「死者の日」の「ANIMECHA KEJTZITACUA」と呼ばれる伝統的な行事で有名なのがミ
チァカン州のパスクァロ湖地方の JANITZIO を始め、 TZINTZUNTZAN、 JARACUARO、 
IHUATZIO、 TSURUMUTARO などの街です。

これらの街では、死者の日の前日はそれこそお祭り気分ですが、11月1日の夜中
になると、黒装束の人々が厳粛な面持ちであちらこちらから集まって、家族や愛す
る人の墓地に向かい、花や食べ物などのお供えをし、ろうそくに灯をともし、お祈
りを捧げます。真夜中になり鐘が鳴らされると、死者も到着して、生者に混ざって
のお祭り騒ぎが始まります。厳に宗教的なお祭りなのに、メキシコらしく、唄や踊
りも入って賑やかだそうです。私達は、まだ行ったことがありませんが、観光客に
は、夜中過ぎにお祭りに参加するように呼び掛けられています。なにせ、メキシコ
のお祭りは、「死者の日」に限らず、夜中過ぎからが本番ですから・・・。

表紙に戻る
次に進む
バックナンバー
#2 メキシコの住宅事情
#3 警官への賄賂
#4 音楽友の会 10周年コンサート裏話
#5 ノーチェ ブエナ物語
#5 クリスマス行事
#6 年末年始の休みとグアダラハラ家族旅行
#6 トレス レイエス
#7 ビザの種類と更新
#8 モナルカ蝶の聖域ツアー
#9 ガールスカウト奈良支部
#10 チャイコフスキーのバレー「白鳥の湖」
#11 メキシコ縦断アメリカ転々旅行
#12 メキシコの飲み物
#13 テキーラ
#14 花が咲いて実がなった(街で見る果物)
#15 アステカ・カレンダリオの謎
#16 2000年・年越し祭り
#17 9月16日 独立記念日
#18 特別ゲスト、中村さつきさん


[PR]
≪占い奇跡の恋愛術≫初回無料:幸せな結婚へ導きます。本格結婚鑑定