
#4 トピックス ― 養老院YALENTAY慰問コンサート大正琴のメンバー11名のうち、家元の岡田琴海さんと行動を共にされた8名は、 コンサートの翌日に、メキシコ市にオフィスを持つUNIEXPRESS 社のカマタ氏の 案内で、タスコ、アカプルコと、メキシコ旅行を楽しんで帰国されました。 今回、#5訪問者紹介のページに登場の藤原秀子さんと山下典子さんのお二人は、 家元グループとは別行動で、日本から直接クエルナバカに来て、3泊(正味2日だ け)滞在して、ロス・アンジェルスへ旅立って行きました。大正琴だけでなく、お 二人ともピアニストでもあり、典子さんはソプラノ歌手で、しかも、お二人そろっ て大胆な発想と行動力の持ち主でもあります。 クエルナバカでのコンサートのアレンジは、主に、家元とのファックスのやりとり と、秀子さんとのE-MAILでしていたのですが、そうして、連絡を取り合っていた 2月22日の秀子さんからのメールで、私はあわてふためいてしまいました。秀子 さんは、メールに、こう書いてきたのです。 −−27日は皆さんと合流して、コンサートとなりますが、28日は私達2名は、 1日フリーにしてあります。それで、お願いなのですが、日系の老人ホームとか、 あれば是非パフォーマンスをして歌のプレゼントをしたいと思っています。懐かし い日本の唄や、童謡などみんなで歌って、大正琴も聴いて頂けるし、どこかそうい うリタイヤメントホームがありますか?もしも、必要がなければ、ただ観光を1日 して帰るようになりますが、何か勿体ないような気がして・・・。−− クエルナバカには100年も前から日本人が住んでいるのですが、まだ日系人のた めの老人ホームはありません。日系会の人に聞いていただくことも考えましたが、 商売をしている人が多く、平日なので難しいし・・・。でも、提案自体はとても素 敵で、捨て難いし・・・。 そこで、どうせ、メキシコまで来たのならば、メキシコ人の老人ホームで、メキシ コ人に聞いてもらうのが正解ではないかと、ひらめいたのです。あわてて、クエル ナバカでも一番大規模な養老院である YALENTAY に打診したら、これが大喜び。ト ントン拍子に話がまとまりました。 聞いてみると、大正琴のメンバーは、養老院の慰問コンサートを数多く経験してい て、特に、秀子さんと典子さんは、お年寄りたちに、大正琴だけでなく、得意のピ アノと美しい歌声を、聞いてもらっているのだそうです。しかも、今回のクエルナ バカ公演が終った後に立ち寄るロス・アンジェルスでも、日系人の養老院への慰問 コンサートを予定しているというのです。 つまり演奏する方も、聴く方も乗り気のコンサート。アレンジする私だけが素人で、 心配はその点だけ。ピアノを借りたり、プログラムを作ったりは、何とかできたの ですが、問題は、司会です。この場合、私しかいないのです。もちろん初体験です。 当日、YALENTAYの広々としたサロンには椅子が並べられ、老人たちの他に、そこ で働いているお医者さん、看護婦さん、事務の人など、そして、宣伝はしませんで したが、一般にも開放されて、100人くらいの人々が集まりました。老人たちは、 主にアルツハイマーを患っている人が多いそうですが、みな、おしゃれな格好で、 お化粧もきちんとして、リサイタルの始まりを待ってくれました。 プログラムは、お二人の大正琴の演奏で、「花」、「悲しい酒」、「さくら、さくら」、 「荒城の月」、「マイ・ウェイ」から始まり、次に、秀子さんのピアノ伴奏による 典子さんの歌で「初恋」、「中国地方の子守り歌」、「浜辺の歌」、「宵待ち草」、「夏 の思い出」などなど、と続きました。曲に聞き入る老人たちの表情の優しさ、穏や かさが、とても印象的です。曲に合わせて、ゆったりと体を動かしたり、看護婦さ んの手を握ったり、そうして、典子さんの美しい歌声に、涙ぐむ人もいます。音楽 の力、歌の力というのを実感します。 どこの国にも、独特の美しいメロディーがありますが、やはり、小さい頃から耳に 聴きなれた日本のメロディーは、気持ちよいものです。しかし、それだけでなく、 この日、典子さんが歌ってくれたメロディーは、初めて聞く人の心も動かす響きを 持っていました。どれも私の好きな曲ですが、私だけでなく、世界中誰もが好きに なる不滅の名曲ばかりです。 プログラムが終っても、「もっと、もっと」の声があがり、当日の朝、大急ぎで練 習したメキシコの曲「CIELITO LINDO」を歌うと、みんなも声を合わせて歌いまし た。また、最後のアンコール曲として、典子さんが「浜辺の歌」をもう一度、客席 を回りながら歌うと、心なしか、典子さんの声も震えがちになって、感動のフィナ ール。ふと、となりを見ると、夫のかずさんの目もうるんで・・・。 一週間後の新聞 UNION DE MORELOSには、この様子が写真付きで報道されました。
新聞を見るとあの感動がよみがえります。また来てください。
話は変わりますが、秀子さんと典子さんには、クエルナバカ滞在中、我が家に泊ま ってもらいました。夫のかずさんは、図々しくも、お二人にピアノの手ほどきをし て欲しいといいますし、私は、内心、歌を教えて貰えたら・・・と、たくらんでい ました。もちろん、お二人は、我が家のピアノで歌の練習もできるから、都合がい いし・・・。 コンサートでピアノを弾いたり、歌を歌っている時以外は、そのしっとりとした様 子とはズレて、掛け合い漫才のコンビのよう。岡山弁で丁々発止とやりあう姿を、 私達は呆然と眺め、楽しませてもらいましたが、お二人も、リラックスして楽しん でくれたと思います。人々に喜んでもらって、自分たちも感動、その上、ピアノや 発声を教えてもらったりと、いいことずくめの今回のコンサートでした。これは、 来年もやらねばなりますまい。
バックナンバー
#2 メキシコの住宅事情
#3 警官への賄賂
#4 音楽友の会 10周年コンサート裏話
#5 ノーチェ ブエナ物語
#5 クリスマス行事
#6 年末年始の休みとグアダラハラ家族旅行
#6 トレス レイエス
#7 ビザの種類と更新
#8 モナルカ蝶の聖域ツアー
#9 ガールスカウト奈良支部
#10 チャイコフスキーのバレー「白鳥の湖」
#11 メキシコ縦断アメリカ転々旅行
#12 メキシコの飲み物
#13 テキーラ
#14 花が咲いて実がなった(街で見る果物)
#15 アステカ・カレンダリオの謎
#16 2000年・年越し祭り
#17 9月16日 独立記念日
#18 特別ゲスト、中村さつきさん
#19 DIA DE MUERTOS 死者の日
#20 葛飾諏訪太鼓メキシコ滞在記 (リーダー水澤啓一 記)
#21クエルナバカの年末年始
#22 メキシコ病院事情
#23 今も懐かし、街頭の物売りたち