
「クエルナバカの碧い空」第29号
#4 トピックス ― メキシコ、愛国心のしるし昨年の9月号(第17号)でも紹介したように、9月16日はメキシコの独立記念 日です。前夜の15日の深夜に、VIVA MEXICOの雄叫びGRITOをするために、大統 領や州知事が州庁舎の窓から旗を振り、市民はそれを祝うためにソカロに集まりま す。15日の夜という事は、メキシコ時間の14日の深夜にホームページを更新す ることから、タイミングも悪くいまだに報告できないのが残念です。また、実際、 深夜に出歩く習慣も無く、これからも実況中継する事は難しそうです。 しかし、何か祝い事があると深夜まで踊り歌うメキシコ人は、翌日の16日が休み ということもあって、派手に騒ぎます。これは、愛国心の強さの証でもあります。 独立直後の1824年10月4日に公布された憲法によって、メキシコはメキシコ合 衆国 ESTADOS UNIDOS MEXICANOSという正式名称を有する、連邦共和国REPUBLICA FEDERALであると定められました。現在では、アメリカ合衆国とまぎらわしいた め、メキシコ共和国 REPUBLICA MEXICANA と呼ぶことが多く、テレビ、ラジオの ニュースなどでも、REPUBLICA MEXICANAと言います。 1823年の独立直後には、メキシコは今よりもずっと広い領土を持っていました。 しかし、1846年から1847年にかけて勃発したアメリカとの戦争によって、ニュー メキシコ州、カリフォルニア州、テキサス州、タマウリパス州の一部が、北アメリ カの領土となってしまったことに伴い、領土の半分以上を失いました。現在の領土 は約2百万平方キロで、日本の約5倍に当たります。 北アメリカとの戦争は、メキシコ国民の団結心を更に強くし、愛国心の強さも、日 本人には信じられない程です。物や人を形容するときにも、ORGULLO DE MEXICO(メ キシコの誇り)とか、ORUGULLOSAMENTE MEXICANO(A)(誇り高くもメキシコの・・・) という表現を日常的に良く使います。また、国技とも考えられるサッカーの国際試 合があると、学校や会社までが休みになったりするのも、私達にとっては驚きです。
街中いたるところ国旗が飾られる・・・・ビバ・メヒコ

独立記念日は勿論、革命記念日、卒業式、ちょっとしたスポーツや文化の大会など では、頻繁に祖国PATRIAという言葉を使い、国旗掲揚と国歌斉唱がありますから、 国民全員が国歌を歌えるのも当たり前です。 国歌HIMNO NACIONALは、1854年にFRANCISCO GONZALES BOCANEGRA作詞、JAIME MUNO作曲によって作られました。以下は国歌の一部です。 Mexicanos, al grito de guerra el acero aprestad y el bridon y retiemble en sus centros la tierra al sonoro rugir del canon. メキシコの民は、戦争の雄叫びをあげ、兵器を作り兵馬を育てる そして、その国土の真っ只中で、大砲の響きとともに揺れ動く Cina, oh patria! tus sienes de oliva de la paz el arcangel divino que en el cielo tu eterno destino por el dedo de Dios se escribio. 祖国よ、その頭上に平和の印オリーブと勝利の印月桂樹を抱け その運命は、空に、神の手で描かれる Mas si osare un extrano enemigo profanar con su planta tu suelo, piensa, oh patria querida! que el cielo un soldado en cada hijo te dio もしも敵が我々に挑み、踏み込めば、神聖な我らの土地が汚される オー、我が愛する祖国よ、汝に捧げる息子たちは戦うぞ! と、このように勇ましい言葉が次々と繰り出され、4番まで続く歌詞を皆が歌える のです。中には、古語あり、通常は使われない言い回しありで、現代にはそぐわな い歌のようにも思えます。しかし、これが戦争の歌だから良くないとか、過去の反 省をなどという考えは全くありません。ただ、愛国心あるのみ・・・。 ですから、この時期、街は国旗の三色に染まります。国旗の説明は、ホームページ 第17号の#4トピックスで説明してあります。 ついでながら、メキシコにも国花が定められています。これは、アドルフォ・ロペ ス・マテオスが大統領の時代(1958年から1964年)に定められたもので、この時、 「国の花 FLOR DEL PAIS」がないことに気づいたマテオス大統領は、ダリアDALIA を国花と定めました。ダリアは、メキシコやグアテマラなどの中南米が原産地では ありますが、そもそもスウェーデンの植物学者アンドレアス・ダールに因んで名づ けられた花であり、ヨーロッパで愛された花です。 モレーロス州でも自生すると言われていますが、街では、ほとんど見かけず、メキ シコ人に聞いても、ダリアがどんな花かを知っている人は、滅多にいません。それ だけでなく、メキシコに正式な国の花があるということを知っている人もほとんど いないのですから、花に関してはあまり愛国的とはいえないかも・・・。 いずれ にしても、メキシコらしい花といえば、CEMPOALXOCHITLやPERICONなど大昔から 日常生活に深く関わる花がたくさんあるのに、不思議な事です。鳥や花が沢山あり 過ぎて、特別視されないメキシコらしい話です。
バックナンバー
#2 メキシコの住宅事情
#3 警官への賄賂
#4 音楽友の会 10周年コンサート裏話
#5 ノーチェ ブエナ物語
#5 クリスマス行事
#6 年末年始の休みとグアダラハラ家族旅行
#6 トレス レイエス
#7 ビザの種類と更新
#8 モナルカ蝶の聖域ツアー
#9 ガールスカウト奈良支部
#10 チャイコフスキーのバレー「白鳥の湖」
#11 メキシコ縦断アメリカ転々旅行
#12 メキシコの飲み物
#13 テキーラ
#14 花が咲いて実がなった(街で見る果物)
#15 アステカ・カレンダリオの謎
#16 2000年・年越し祭り
#17 9月16日 独立記念日
#18 特別ゲスト、中村さつきさん
#19 DIA DE MUERTOS 死者の日
#20 葛飾諏訪太鼓メキシコ滞在記 (リーダー水澤啓一 記)
#21クエルナバカの年末年始
#22 メキシコ病院事情
#23 今も懐かし、街頭の物売りたち
#24 養老院YALENTAY慰問コンサート
#25 メキシコの温泉も気持ちいい(*^o^*)
#26 ノパール NOPALで健康に!
#27 メキシコの選挙
#28 ロマンチック・アシエンダ(荘園)街道巡りの散策