
![]() -呑気家族のメキシコ移住計画- |
出版:近代文芸社 石田 かり・著 |
「クエルナバカの碧い空」第30号
#6 本の続編 − 2周年記念・シドニーオリンピック・おまけ「スキャンダル」<ホームページ2周年記念感謝・感謝> 私達のホームページ「クエルナバカの碧い空」は、丁度2年前の本日、創刊号を出 して以来、本号で第30号、2周年を迎えました。ひとえに、毎月スミからスミま でご愛読くださる皆様のお陰と、心から感謝いたします。 初期には、誰にも見向きされずに不安で寂しい日々もありましたが、1周年目の 10月14日までに6830人の読者数を数えました。その一日平均読者数は20人 弱。そして、2000年10月14日現在の総読者数は21200人で、一年間の読者数 は14370人、一日平均約40人に達するまでに成長しました。 トピックスなど、そのうちネタ切れになるのではと、心配もしましたが、切れるど ころか、次々と珍し・おかしいメキシコの一面が現れて、尽きる事がありません。 その上、今月号のトピックスのように、遊びに来てくれた人々が面白いネタを提供 してくれたりもするので、ますます盛りだくさんです。 という訳で、今後とも皆さんのご協力、暖かい感想・冷たい叱咤・多大な要望をエ ネルギーにして、力を込めて書きます。引き続きご愛読を宜しくお願いします。 <シドニー・オリンピック・剥奪された金メダルを巡る騒動> さて、シドニー・オリンピックが終りました。日本では、ほとんど時差のないシド ニーからの生放送を存分に楽しまれたようで、この間のメールも、話題はシドニー 一色でした。しかし、メキシコではちょっと事情が異なります。 メキシコは、シドニーとの時差が16時間。録画か、夜中の放映しか見られず、女 子マラソンの金メダルもメキシコ人に、「おめでとう」と言われて、初めて知った 次第です。しかしメキシコにとっては、銅メダル1個という悲惨な結果の前回のア トランタ・オリンピックとは打って変わって、6個のメダルを獲得し、様々な話題 をくれたオリンピックでした。 金メダル 1 女子重量挙げ58kg級 ソラヤ・ヒメネス SORAYA JIMENEZ 銀メダル 2 男子20km競歩 ノエ・エルナンデス NOE HERNANDEZ 男子板飛び込み ルナンド・プラタス FERNANDO PLATAS 銅メダル 3 男子50km 競歩 ホエール・サンチェス JOEL SANCHEZ ボクシング・ライト級 クリスチャン・ベハラノCRISTIAN BEJARANO テコンドー80kg級 ビクトル・エストラダVICTOR ESTRADA 最大の話題は、重量挙げのヒメネス選手です。何とメキシコのオリンピック史上、 初の女子の金メダリストだったのです。また、飛び込みのプラタスPLATAS選手は、 その名も「銀さん」で、順当な銀メダルでありました。 しかしながら、メキシコの国技とも言うべきサッカー(FUTBOL)も早々と敗退、 よその国の人が高地訓練に来るという花形競技のマラソンにも入賞者なし。あちこ ちにテニス・コートがあって、私達から見ると天才的!と感動するほどのテニス少 年もいるのに、そして、水浴施設が充実していて、泳げない人など一人もいない国 民なのに、ああ、それなのに、それなのに、テニスも競泳の入賞者にもメキシコ人 の名前は見当たりません。しかも、得意のはずの自転車競技まで惨敗でした。 要するに、メキシコ人は、国が金持ちとは言えない割には、ハングリー精神に欠け ているのです。どのスポーツもしようと思えば、場所の確保に抽選もいらず、しご きもなく、いつでもどこでも和気あいあいと楽しめ、お腹が空いたら、そこら辺の 木から果物を取って食べられる。反対に、お金に余裕のない選手は、靴もない始末 ですから、元々、オリンピック参加選手が非常に少ないのです。 オリンピック終了後の10月11日に、大統領のエルネスト・セディージョがメダリ スト達を大統領官邸EL PINOに招待して食事をし、金メダリストとそのトレイナー にそれぞれに5万ドル、銀メダルには3万ドル、銅メダルには2万ドルの小切手が 渡されました。チームの強化費用になるそうです。それだけでなく、選手によって は企業から車を贈られたり、家をプレゼントされたりしたのですから、これにつら れて頑張る選手が何人か出るのを期待したいものです。 しかし、オリンピックの本当の話題は獲得したメダルではなく、剥奪された金メダ ルにありました。男子20km競歩で一番でゴール・インしたベルナルド・セグラ BERNARDO SEGURA選手は、少なくとも、喜んだメキシコ報道陣にインタビューされ、 喜びの声を家族に届け、その上セディージョ大統領に電話で直接お祝いをされるま では、金メダリストだったのです。それが、表彰式の直前に、金メダルは取り消さ れ、3位でゴールを切った同じメキシコ人のノエ・エルナンデスが2位に繰り上が ったのでした。金メダルはセグラ(確実)だった筈なのに・・・。 誰が見てもこの判定は遅すぎました。そして、ここからゴタゴタが始まりました。 まず、何故、もっと強く抗議しないのかと責められたのが、既にメキシコのオリン ピック委員長を30年くらいも務めているマリオ・バスケス・ラニャです。しかし、 責められた彼は、反対に、セグラが、途中何度も警告を発せられていて、ゴール前 に失格になったのを知っていながら、知らないふりしてゴールし、挙げ句、全国民 に対して嘘をついているのだと告発したのです。 そうしたら、今度は何と、セグラ選手が「嘘発見器」にかかってもいいと言い出し たから仰天です。急に、ここで、「嘘発見器」などというおどろおどろしい名前が 出てくるところがいかにもメキシコ。そうして、「嘘発見器」にかかった結果、セ グラ選手の言う事は95%本当だという結論がでました。それでも、往生際の悪い オリンピック委員長は、「ちょっと訓練すれば、嘘発見器をだますことは簡単だ!」 とか何とか言い出し、みんなは、面白半分、今度は、この委員長を「嘘発見器」に かけたら、どうかな??なんて言い出す始末です。 シドニー・オリンピックは、もうとうに終り、判定は絶対覆らないのですが、メキ シコでは、まだまだ結論が出ないまま、この水掛け論が続きそうです。 <前大統領サリナス家のスキャンダル> 最後に今月のおまけの話題: 今、メキシコでは、前大統領カルロス・サリナス・ デ・ゴルタリ CARLOS SALINAS DE GORTARIとその一族のスキャンダルで揺れて います。 前大統領のカルロス・サリナスは、人気の大統領であったのに、任期が終る頃にな って、次期大統領候補が暗殺されたり、公金横領など、様々な疑惑がおこり、メキ シコにいられなくなり、現在は、キューバやアイルランドなどを転々としていると 言われています。兄のラウルは、公金横領や公文書偽造の疑いで、現在服役中です。 事の発端は、カルロス・サリナスが、表向きは、自分が書いた本「MEXICO-Un Paso Dificil a la Modernidad (メキシコ−近代化への困難な一歩)」を出版、その宣 伝活動のため、メキシコに帰ってきたことです。1400ページというこの一見大 作は、主に1995年の経済失政などに関して、現大統領のエルネスト・セディー ジョを責め立てるもので、今回長年の政権政党PRIが選挙に敗れたのも、セディ ージョのせいだとしています。しかし、本の評判は散々で、批評家の中には、「読 む価値無し」と断定する人もいて、既に、カルロス・サリナスが、国民にとって過 去の人間であることは明らかです。 スキャンダルは、カルロス・サリナスが、本の出版の記者会見で、ジャーナリスト の質問に答えて、今刑務所に入っている兄のラウルの事件に触れ、「兄の犯罪を自 分は全く知らなかった」こと、「書類を偽造したのは間違ったやりかただった」等 と、要するに公衆の面前でラウルの悪口を言ったのです。 刑務所内にいたラウルは、息子からカルロスの本を差し入れられて読み、またテレ ビニュースを見て、頭に来てしまたのです。早速、彼は、姉のアドリアナに電話し、 姉と口喧嘩になったのでした。そうして、カルロスが横領など、すべて、大統領任 期中から知っていた事などを怒鳴りちらしたのです。しかも、この電話の会話が盗 聴・録音されてテレビ局に渡され、テレビ局は、ニュース番組で、繰り返し、ラウ ルの怒鳴り散らす声を流したのすから、驚いたのは既に本の宣伝のためスペインに 渡っていたカルロス・サリナスです。 次期大統領のビセンテ・フォックス氏が大統領に就任する12月1日を直前にして、 タイミングを計って、セディージョ大統領に復讐しようと、本の出版を理由に帰っ て来たカルロス・サリナスは、それがきっかけで、本格的な調査が始まり、裁判に かけられる恐れもでてきたのですから、とんだやぶヘビでした。 しかし、サリナス家の犯罪は、すでに国民全員が知っている事。驚くのは、盗聴テ ープの存在です。誰が、どのように、何の目的で盗み撮りし、テレビ局に渡したか。 セディージョがサリナスを黙らせるためにやったという人もおり、様々な憶測が囁 かれています。 それにしても、今度こそすんなりと政権交代と思ったのに、やっぱり、6年毎の大 統領交代時期、何か起こらずにはいられないようです。ただし、お堅い政治の話も、 実はドタバタ喜劇のようなメキシコの兄弟喧嘩スキャンダル、部外者としては、今 後の進展を興味本位で見守りたいものです。
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バックナンバー#1 「運転しよう」から:何でもありのメキシコ式運転 #2 「猫」から:猫の獲物はどうする? #3 「免許証」から:ここでは買うんです #4 「仕事をしよう」から:押し掛け助手は大活躍 #5 「仕事をしよう」から:コンサート後のご馳走 #6 「仕事をしよう」から:黒沼邸でのミニコンサート #7 「スペイン語」から:無口な日本人 #8 「免許証から」から:車の所有税 #9 「クエルナバカ」から:蜂鳥 #10 「猫 パートII」から:捨て猫アナスタシア #11 「猫穴」から:アメリカ・ドライブ・転々旅行 #12 「女性」から:老化現象と更年期障害 #13 猪俣猛作曲「クエルナバカの碧い空」 #14 日本へ一時帰国しました/その他 #15 運転したら事故はつきもの #16 私たちの夏休み日記 #17 最近の感動:みんな生きている! #18 ホームページ1周年記念 #19 仕事人「かり」 #20「葛飾諏訪太鼓」の日々 #21 クエルナバカから謹賀新年 #22 薬の話 #23 社交サロンの話 #24 夏時間、ク日比較アンケート #25 母は強し #26 我が家のガーデニング #27 選挙裏話と日ク比較 #28 国際ピアノ・コンクール #29黒沼ユリ子さん邸CASA DE VIOLIN増築祝い−ペット・ロス症候群