「クエルナバカの碧い空」第30号
#4 トピックス ― メキシコの結婚式 − 二つの体験談
メキシコでの結婚式ってどんな?服装は? お祝いは? 雰囲気は? ホームペー
ジを見た方からこんな質問がきます。

まず、メキシコ式の結婚の特徴は、結婚の登録です。たいてい、教会で牧師さんの
前で誓い、教会に登録します。また、披露宴会場には市役所から登録課の人が出張
して来て、そこでも結婚の登録をします。基本的には、市役所に登録だけでいいの
ですが、「市役所に登録しても、政権が変った時などに、書類が行方不明になる恐
れがあるので、教会でも登録しておいたほうがいい(!?)」そうです。

お祝いの品をプレゼントするけれど、日本のように御祝儀の金一封や引き出物はあ
りません。反対に絶対あるのがダンス!私達の経験では、その他は何でもありの気
軽さで、特にクエルナバカでは能天気な天気のせいもあって、自宅の庭などで披露
宴を行ったりすると、服装もラフで形式ばっていません。

しかし結婚式もいろいろです。先月号の訪問者の伊東さん夫妻と、今月号の訪問者
の小泉さん夫妻に、実際にメキシコで結婚式に出席した体験談を聞いてみましょう。
皆さんも、若い二組の新婚カップルを祝いながら、楽しんでください。

1) 伊東良生さん、晴美さんご夫妻の結婚式体験 (8月・メキシコ市)
懐かしの花嫁さんとの対面  踊れや踊れ〜♪  マリアッチもお疲れさま

(クリックで拡大)
結婚式は18時から教会で行われ、その後パーティーと言うスケジュールであった。
従って当日も10時過ぎに起きてもたっぷり時間はある。午後になると、女性陣は
美容院へ行ったり、美容師が家に来て化粧をしたり、爪の手入れをしたり、どんな
服装をしようかと忙しそうに動きまわっている様はどこの国でもあまり変わりはな
いようである。

5時半頃、テレサさんが純白のウエディングドレスに身を包み、2階から降りてき
た。しばらく談笑の後、一人でリムジンに乗って教会へ出かけるのを見送り、我々
も教会へ向かった(新郎はスペイン人で、既にスペインで結婚式を挙げ、一緒に生
活しているのだが別々に出掛ける様だ)。

教会へは、10分程で到着したが、既に参列者(らしい人達)が大勢集まってきて
いた。車やバスが頻繁に行き交う道路沿いにある大きな教会で、日本の結婚式場や
ハワイで見かける、そのために作ったような教会の雰囲気とはまるで違うものであ
る。一般の人達が自由に出入し、お祈りを捧げている。

私達は先に教会に入り、新郎とその両親、続いて新婦とその両親が中央の通路を入
場して、式が始まった。新婦とその父親だけがバージンロードをゆっくりと進む光
景は見られなかった。神父の話の途中で(内容はさっぱり解らないのだが)、何回
か笑い声が聞こえる和やかな雰囲気の内に、式は進んで行った。私が経験した教会
での結婚式よりも長い時間に感じられた。いくつかの儀式の中で、予め用意された
縄のようなものを二人の肩に掛け、堅い絆で結ばれたことを表すものがあったが、
後ろから見ていると、まるで縄で縛られているように見え、隣の家内とこっそり笑
ってしまった。

式を終って教会を出たところで、参列者が(花ではなく)お米を投げて祝福をし、
親族や友人達がそれぞれ二人と一緒にカメラにおさまっている。まえの道路を走る
車は警笛を鳴らして祝福を送る。そうこうしている内に、次のカップルが教会に入
っていった。

教会からやはり10分程でパーティー会場に到着した。テレサさんと一緒に日本へ
留学し、広島大学で学んだと言う人と、その友人でメキシコ駐在の丸紅の商社マン
と会うことが出来たお陰で、小1時間を退屈せずに過ごすことが出来た。8時30
分に開始予定のパーティーも9時頃には始まった。比較的順調に進行しているらし
い。会場内には、7〜8人の丸テーブルが並べられていた。200人の招待客と聞
いていたがそれ以上に準備されていたように見えた。2曲ほどの演奏が終ったとこ
ろで新郎・新婦の入場である。おなじみの曲の演奏にのって、2階から、花で飾ら
れた階段をゆっくりスポットライトを浴びながら降りてくる。どこの国でもやはり
それなりの演出をするものである。仲人などは居ないから、中央右手の両親が座っ
ているテーブルに着くや否や、早速二人のダンスの披露である。その後、乾杯、両
親の簡単な挨拶、出席者がそれぞれプレゼントを持って二人に挨拶に行く。セレモ
ニーらしきものはこれで終りである。

それから後は、ダンス、ダンス、ダンスである。曲の名前は知らないが、軽快なラ
テンリズムにのって、みんな見事にステップを踏んでいる。この国では、音楽とダ
ンスは欠かせないもので、ことある毎にパーティーを開いてはダンスを楽しむ。若
い人は激しく、お年寄りはそれなりに体を動かしているが、ステップに乱れはない。
母親が子供に教えている姿もある。私達もリズムに誘われ、ダンスの中に入り、大
いに汗を流して楽しんだ。1時頃からはマリアッチの演奏に変わった。初めて聞く
生の演奏に心がうきうきして来る。こんな状況が、なんと夜中の3時頃まで続くの
である。

当初、メキシコでの結婚式の様子が皆目わからず、服装は?、お祝いは?、どのよ
うに振る舞えば良いのか?等々の情報を求めて、ネットサーフィンを試みました。
そして発見したのが「クエルナバカの碧い空」でした。石田カリさんの「形式には
こだわらず、パーティーを楽しむ事が大事よ」との適切なアドバイスを受け、余裕
を持って新しい経験を積む事が出来た。そしてアドバイス通りに、メキシコ人に付
き合って飲み過ぎないように気を付けて。

それにしても、食事が出てきたのが10時半になったのには、さすがに呆れて、開
いた口が塞がらないとは正にこのことだ。良く考えてみれば、朝10時過ぎに食事
を取って以来何も口にしていないのだ。激しい踊りで、腹がペコペコになった頃、
バンドマスターの合図により「セナ(夕食)、セナ」の大合唱、曲も「聖者の行進」
に変わった。そして、ボーイ達が料理を片手に入場し、今度は手拍子に合わせて会
場内を行進するのだ。こんなことまでショーにしてしまう演出力は日本人にはとて
も真似の出来ないものだと感心しながら、腹の空いているのも忘れて楽しんでしま
った。

家に帰ったのが朝方の4時頃になった。そこでまたダンスが始まった。結局、ベッ
ドに入ったのは、朝食を取った後で、8時を過ぎていた。徹夜をしたのも20年ぶ
りか。疲れた〜。

2) 小泉博さん、智子さん夫妻の結婚式体験談 (9月、クエルナバカ郊外)
自作のドレスも華やか!  神父さんが誓いの言葉を・・  みなさん上手ですね〜

(クリックで拡大)
私達はクエルナバカ郊外の荘園、Hacienda San Gabriel de las Palmasで行われた
ドイツ人のCharles とメキシコ人のDoloresの 結婚式に出席しました。

チャールズの両親、兄弟、親族、友人の多くはバケーションをかねて結婚式の一週
間も前からアシエンダに来ていました。私たちは結婚式の前日に到着し、その日の
夜の新郎主催のカクテルパーティーから参加しました。当日、お昼過ぎに到着する
予定だったのが飛行機が遅れたうえに、タクシードライバーとのトラブルでアシエ
ンダについたのが4時過ぎで、とてもお腹がすいていました。カクテルパーティー
は7時からという事だったので、何か軽く食べようと思ったのですが、普通のホテ
ルのようにルームサービスがある訳ではないし、レストランに行っても人気はない
しで、仕方なくプールサイドでマルガリータを飲んで空腹を紛らわしました。

やっと7時になってベランダへいくと、まずマルガリータで乾杯。そして、今日初
登場の私たちをチャールズが順にみんなに紹介していってくれ、そのままおしゃべ
りに。やっと9時になってダイニングプレイスへ移動して食事が始まりました。こ
れが初めてメキシコで食べるメキシコ料理でしたが、そら豆の冷製スープぶどうい
りがとてもおいしかったです。(スペイン語で何と言うのか忘れてしまいましたが。)

結婚式当日は朝からアシエンダには花やろうそくなどが運び込まれ、結婚式の準備
に大忙しの様子でした。新郎はちょっと緊張気味。普段は「緊張する」なんて想像
できないチャールズが、「夕べは緊張して良く眠れなかったよ」と言ってるのを聞
いてなんだかおかしくなりました。新郎のご両親もなんとなく緊張してる様子。一
方、スピーチを頼まれた叔父様方は朝食のテーブルでスピーチの最終チェック。そ
の他の兄弟、友人はプールサイドでのんびりといった状態でした。私達はアシエン
ダ探検をしましたが、なんだかメキシコに居るとは思えない、かと言ってどこに居
るとも言えない不思議な空間に迷い込んだような感じでした。

2時ごろ花嫁が到着すると聞いていたので、3時前に花嫁の部屋に私一人で行くと、
ドロレスはウェディングドレスに一生懸命アイロンをかけているところでした。パ
ールのイヤリング貸す事になっていたのでそれを届けに行ったのですが、私の行く
少し前にチャールズのお母さんが来て、彼女がお母さんからもらったというパール
のネックレスをドロレスにプレゼントしてくれたそうです。そこで、ネックレスが
Something Old、イヤリングがSomething Borrow、ウェディングドレスがSomething 
New、最後のSomething Blueがそろえば4つのSomethingがそろうねというと、そ
れはチャールズの瞳だわ、といことになりました。ドロレスは本当に幸せそうで、
私までうれしくなりました。

結婚式は6時からという事でしたが、さすがにメキシコ。6時になってもメキシコ
人は誰も来ていませんでした。反対に新郎側はさすがドイツ人、タキシードをびし
っと決め、6時前に全員そろっていました。

さて、今回結婚式に出席するにあったて私が一番悩んだのが「何を着ていくか」で
す。招待状には“Black Tai”と書かれていました。当然男性にはタキシードの事
を意味するのでしょうが、女性には、イブニングドレスでないといけないのか、ワ
ンピースくらいでもよいのか、とっても迷いました。夫の方はタキシードを買いに
行くとタキシードの横にいわゆる日本の礼服が飾ってあり、店員さんに聞くとそれ
も結婚式に来ていくフォーマルだというので、日本から持ってきた礼服を着ていく
事にしました。でも、当日は夫とトルコ人の友人以外、全員タキシードでした。私
の方はドロレスに他の人はどんな格好で来るのか聞くと、夕方の結婚式だから、み
んなロングのイブニングドレスだと思うという事だったので、イブニングドレスに
する事にしました。

ただ、問題だったのは、アメリカで私サイズのイブニングドレスが売っていないと
いう事なのです。フォーマルウェアーはすべて4号(アメリカサイズ)以上なのだ
そうです。オーダーメイドにするとびっくりするくらい高くなるので、自分で縫う
事にしました。幸い、チャイナドレスを作ろうと思って中国で買った派手な生地が
あったので、それで朝から晩まで針仕事をする事10日間。失敗すれば着物を着て
いけばいいという思いながら、メキシコ出発直前になんとか完成。ちょっと変かも
と思ったけれど、ここまでがんばったら着ないではいられないので、自作のイブニ
ングドレスを持っていきました。

当日、他の人たちを見ると、なぜかドロレスの妹達はみんな白いロングドレス、そ
してほとんどの友人が黒のロングまたは八分だけのドレス。中にはひざ上のワンピ
ースの人も居ました。総じてヨーロッパ人より、メキシコ人の方が派手で豪華だっ
たように思います。

式は野外のチャペルで管弦楽団の生演奏とともに約一時間続きました。あいにくス
ペイン語だったので、私達には何がなんだか分かりませんでしたが。でも後で聞く
と、聖書のどの部分の話をして欲しいか、どの言葉を結婚式に当たって心に留めて
おきたいかは、新郎新婦が事前に聖書を読んで自分たちで決めたそうです。

その後、広い芝生の上で、マリアッチの演奏の中レセプションが始まりました。ア
ペタイザーとカクテルが振る舞われ、新郎新婦と写真を撮ったり、出席者同士の懇
親がはかられました。そしてプールサイドに移動してディナーが始まったのが既に
10時過ぎ。日本と同じように、乾杯した後、食事をしながら、お祝いのスピーチ
を聞くという形式でした。日本のようにキャンドルサービスとかケーキカットとか
はありませんでしたが。

食後プールの反対側に移動してダンスタイムが始まりました。最初クラシックがな
がれ、新郎新婦と、両親が軽やかにダンスを踊りはじめ、次々親族が加わっていき
まいた。私達は「さすがはヨーロッパ人、社交ダンスがうまいねー」と感心するば
かり、とてもその中には入って行けませんでした。しばらくして曲調はラテンミュ
ージックに。今度は若いメキシコ人たちがお決まりのステップを踏んでダンス開始。
「さすがは南米人、うまいねー」とまたまた私達は感心するばかり。途中、アメリ
カの音楽とかも入ったけれど、ダンスなんて学生時代に“ダンパ”に行って以来で、
私達はただ眺めているだけでした。するとドロレスがやってきて、曲が気に入らな
いのなら好きなのをかけさせるからリクエストして、というので、これではいけな
いと慌てて踊りに行くはめに。

いろんな国の人がこの結婚式には来ていたけど、結婚式にダンスをしないと言うの
は日本くらいなもので、ダンスのない結婚式なんてある訳がない、君たちの結婚式
がおかしいんじゃないかと言う人までいました。ダンスの間にケーキカットがあり、
このケーキを夜食がわりに、ダンスは延々朝の4時まで続きました。

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バックナンバー
#2 メキシコの住宅事情
#3 警官への賄賂
#4 音楽友の会 10周年コンサート裏話
#5 ノーチェ ブエナ物語
#5 クリスマス行事
#6 年末年始の休みとグアダラハラ家族旅行
#6 トレス レイエス
#7 ビザの種類と更新
#8 モナルカ蝶の聖域ツアー
#9 ガールスカウト奈良支部
#10 チャイコフスキーのバレー「白鳥の湖」
#11 メキシコ縦断アメリカ転々旅行
#12 メキシコの飲み物
#13 テキーラ
#14 花が咲いて実がなった(街で見る果物)
#15 アステカ・カレンダリオの謎
#16 2000年・年越し祭り
#17 9月16日 独立記念日
#18 特別ゲスト、中村さつきさん
#19 DIA DE MUERTOS 死者の日
#20 葛飾諏訪太鼓メキシコ滞在記 (リーダー水澤啓一 記)
#21クエルナバカの年末年始
#22 メキシコ病院事情
#23 今も懐かし、街頭の物売りたち
#24 養老院YALENTAY慰問コンサート
#25 メキシコの温泉も気持ちいい(*^o^*)
#26 ノパール NOPALで健康に!
#27 メキシコの選挙
#28 ロマンチック・アシエンダ(荘園)街道巡りの散策
#29メキシコ、愛国心のしるし


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