-呑気家族のメキシコ移住計画-
出版:近代文芸社
石田 かり・著
                         「クエルナバカの碧い空」第34号
#6 本の続編 − 「日本週間」、おまけの話「コーディネータ、プロ宣言」
「日本週間」がいよいよ始まりました。主催は、モレーロス文化庁です。メキシコ人
のすることですから、全日程のプログラムはなかなか出来上がらず、ポスターも結局
作られず、これで10日間無事にプログラムの消化ができるのかしらと、やきもきと
見守りました。

「日本週間」が始まる前に、日本大使夫人の田中陽子さんが師事していたブラジル人
バリトン歌手CARMO BARBOSA氏のマスター・クラスがCMA(カルチャー・センター)
で開かれました。歌を始めたばかりの私は、早速、クラスに行ってきました。ところ
が会場には誰もおらず、扉が固く閉まったまま。文化庁の人を呼び出して、鍵を開け
てもらうまで、田中夫人もバルボサ先生も道端で待たされるという失態でした。

ところが、2月2日に「日本週間」開幕セレモニーが始まってからは全て順調、どの
会場もいっぱいの人々が集まり、さすがメキシコ、土壇場で何とかなるものなんです。
私達は、この間あまりお手伝いもせず、興味のある部分だけ気楽に楽しみました。

開幕セレモニーの会場となったボルダ庭園前には、「日本週間」と漢字で書かれた垂
れ幕がかかりました。セントロのど真ん中に日本語を見るのは面映ゆいものがありま
すが、直前まで心配させられたこの行事、この垂れ幕で何とか形が整いました。2月
12日に任期を終えてメキシコを去った在メキシコ日本大使館の田中大使やモレーロ
ス州知事を迎えて開幕セレモニーがありました。

最初のイベントは、墨絵ZENの展示会と草月流生け花の展示です。墨絵ZENとは
聞きなれない表現ですが、メキシコ人のHUASCAR氏と彼のお弟子さんたちの墨絵は、
日本的な渋い表現とメキシコの自由な発想が合わさった作品ばかりで、妙に感心して
しまいました。最終日11日には、裸体に墨絵を描くという実演もありました(見ま
せんでした)。また、メキシコ人女性INESさんによる草月流生け花は、メキシコの色
鮮やかな花と、蜂の巣やメキシコの花器など、意外な組み合わせが魅力でした。墨絵
も生け花も、クエルナバカに教室があって、メキシコ人に人気だそうです。

2月3日(土)夜には、日本大使夫人の田中陽子さん(ソプラノ)と、メキシコ人テ
ノール歌手とソプラノ歌手のコンサートがあり、オペラのアリアや日本の歌など、伸
びやかな歌声を聞きました。陽子さんの歌は何度か聴いたことがあります。マスター・
クラスの時もそうでしたが、陽子さんは、歌っている時には、普段の何倍も生き生き
としているように見えました。大使ご夫妻は、メキシコを去ってスペインに赴任され
る予定と伺いました。スペインに住んでいるみなさん、楽しみにお待ち下さい。
久しぶりに日本の歌を楽しみました。綺麗な声に聞き入りました。
(クリックで拡大)
2月4日(日)CEREMONIA DE TE POR SR. SOHO HIGURASHI: 在メキシコ市の茶道家、
日暮先生による茶の湯がありました。2回の予定を3回行ったのに、いっぱいの人で、
遅れて行った私達は部屋に入れてもらえず、外から覗いただけでした。畳をおいた茶
室の回りに座り込んだメキシコ人が熱心に見入っていました。

「日本週間」で一番の楽しみは、この日、午後2時からボルダ庭園のバラ園で開かれ
た和食弁当の会です。150ペソというちょっと高めの弁当でしたが、早々と予約し
た珍しもの好きの約100人が、10のテーブルに分かれて、日本食を楽しみました。
私達のテーブルには6人家族が一組と、友人のペピーナとアドリアナ、そして私達の
10人グループでした。メキシコ人が、ひとつひとつの料理について質問してくるの
で、食べながら説明しなければならず大変でしたが、みんな箸を上手に使い、焼き魚
やカツ、天ぷらの他に、昆布の佃煮、カマボコなどを、「MUY RICO美味しい」と何で
も食べます。6人家族の中のおじいさんは、やっと支えられて歩いて来たほど老齢で
したが、「まあまあだな」とか言いながら、時々咳こんで食べていました。クエルナ
バカでは、興味があれば、すっごい年寄りでも参加するのが、いいところです。
クエルナバカで幕の内弁当、本当に美味しかったです
(クリックで拡大)
メキシコ市から取り寄せたこのお弁当は150ペソでしたが、漆の重箱が400ペソ
もすると聞いて、「持ち帰りをしたい」と言い出す人もいて、笑いの絶えない食事会
でした。ビールが出ると聞いていましたが、実際には、昼間っぱらからテキーラも振
る舞われ、みな大満足でした。

2月10日(土)CONCIERTO MUSICA DE ARPA JAPONESA:  ボルダ庭園、マヌエル・ポ
ンセ・ホールの小さい舞台にお琴が5台並びました。お師匠さんの西村佳子さんは、
メキシコ市サン・アンヘル地区でお琴教室を開くかたわら、コンサート活動も活発に
していらっしゃいます。名前だけはよく聞いていたので、今回のコンサートを待ちわ
びていましたが、こんなに本格的とは!色鮮やかな着物姿の西村先生、平沢ゆかりさ
ん、メキシコ人のアナ・リリアさんと、そして羽織袴のリカルド・フローレスさんが
舞台に登場すると、会場がため息で埋まりました。
琴の響きで日本を思い出しました、やっぱ我々は日本人なんですね〜
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勉強不足で恥ずかしながら、「春の海」以外は知らない曲ばかり。でも、久々に聴く
純和風のメロディーに心から感激しました。尺八のかわりに、エミリオ・パラシオ氏
のフルートが参加して雰囲気を盛り上げました。「お琴の演奏を、生で見るのは初め
てだ」とメキシコ人に言ったら、「それでもあなたは日本人か?」と呆れられてしま
いました。クエルナバカにいたからこそ、こんなに間近に、琴の音を楽しめたのかも
知れません。

おまけの話:  私達は、今ここで、コーディネータとしてプロ宣言いたします。

先月号の話題は雑誌CREAの取材コーディネータ初仕事でした。その後、第29号
の訪問者のページに登場してくれた三井不動産の雑誌「こんにちは」の松本淑子さん
を始め、読者の方々から「プロ宣言しちゃいなさい」という忠告をいただきました。
かずさんも私もやる気満々。今まで、遊んでばかりいたのも無駄ではなかった、この
知識をもっと皆さんのお役に立てたい、と張り切っています。

あれからどこかへ行くたびに、既にコーディネータとしてプロの目で風景を見ている
自分に気が付きます。サボテンにソンブレロばかりではない、まだまだ見て欲しいメ
キシコが沢山あります。現在、仕事募集中(もっとも、重労働なので半年に一回を目
安としています)。宜しくお願いします。

さて、CREAは2月7日発売されました。もう見て下さったでしょうか? 「買っ
たよ」、「見たよ」というメールを沢山いただきました。私達は、まだ見ていないの
ですが、連絡を下さった人の話によると、CARTIERの宣伝のページの片隅に、コーデ
ィネータとして私達の名前がバッチリ載っているそうです。メキシコの荒涼とした風
景、青木富貴子さんとピート・ハミルさんの姿、富貴子さんのエッセイ、そして、私
達の名前。まだの方は、是非、買って、読んでください。

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バックナンバー
#1 「運転しよう」から:何でもありのメキシコ式運転
#2 「猫」から:猫の獲物はどうする?
#3 「免許証」から:ここでは買うんです
#4 「仕事をしよう」から:押し掛け助手は大活躍
#5 「仕事をしよう」から:コンサート後のご馳走
#6 「仕事をしよう」から:黒沼邸でのミニコンサート
#7 「スペイン語」から:無口な日本人
#8 「免許証から」から:車の所有税
#9 「クエルナバカ」から:蜂鳥
#10 「猫 パートII」から:捨て猫アナスタシア
#11 「猫穴」から:アメリカ・ドライブ・転々旅行
#12 「女性」から:老化現象と更年期障害
#13 猪俣猛作曲「クエルナバカの碧い空」
#14 日本へ一時帰国しました/その他
#15 運転したら事故はつきもの
#16 私たちの夏休み日記
#17 最近の感動:みんな生きている!
#18 ホームページ1周年記念
#19 仕事人「かり」
#20「葛飾諏訪太鼓」の日々
#21 クエルナバカから謹賀新年
#22 薬の話
#23 社交サロンの話
#24 夏時間、ク日比較アンケート
#25 母は強し
#26 我が家のガーデニング
#27 選挙裏話と日ク比較
#28 国際ピアノ・コンクール
#29黒沼ユリ子さん邸CASA DE VIOLIN増築祝い−ペット・ロス症候群
#30 2周年記念・シドニーオリンピック・おまけ「スキャンダル」
#31 我が家に棲みつく魑魅魍魎、おまけの話「無料電話」
#32 私達のSEXENIO、おまけの話「歌のクラス」
#33「CREA」取材のコーディネータ初仕事、おまけの話

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