500ペソ: 表のデザインは、プエブラの戦いの場面と指揮官イグナシオ・サラゴサ
将軍GENERAL IGNACIO ZARAGOZAです。1862年にフランス人がメキシコに侵略した時
に、小さな軍隊を率いて、遥かに大軍のフランス軍を倒したことで、一躍英雄となり
ました。戦いがあった5月5日は、プエブラの戦いBATALLA DE PUEBLAの日として
国民の祝日となっていますし、5 DE MAYOという名前の通りも各地にあります。お札
の裏には、プエブラ市のカテドラルが描かれています。短い滞在では見る機会の少な
い高額紙幣です。
200ペソ: メキシコの17世紀の女流詩人ソル・フアナSOR JUANA INES DE LA CRUZ
が描かれています。17世紀はスペイン植民地における文学の黄金時代と言われ、ス
ペイン本国でも出版された作品も少なくありません。ソル・フアナは、4歳から文字
を覚えて文学に目覚め、創作活動に没頭するために尼僧になった人です。ソネトと呼
ばれる14行詩で、韻を踏んだ美しい作品が今も読まれています。当時流行の疫病に
罹った仲間の尼僧を看病するうち、自分も病に倒れ、43歳で亡くなりました。最近、
謎の生涯に迫る伝記などが出版されて話題になっています。お札の裏には、ソル・フ
アナにゆかりのサン・ヘロニモ寺院TEMPLO DE SAN JERONIMOが描かれています。
200ペソ札はスーパーでまとめ買いする時やレストランで食事をした時以外は、あま
り使わない紙幣です。
100ペソ: 肖像は1431年にテキスココTEXCOCO王国を作り上げたネツァウアルコ
ヨトル王NEZAHUALCOYOTLEで、古文書の文字も描かれています。TEXCOCOはメキシ
コ・シティの東にあって、現在、過密状態のメキシコ国際空港を補う新空港の候補
地になっています。ここは湿地帯で、古くからメキシコ人が湿地に王国を作ってき
たのがわかりますが、こんな湿地に空港を作って大丈夫かしらと心配に思います。
ネツァウアルコヨトルは王様だっただけでなく、詩人、哲学者、法律学者でもあり、
裏面には、春と植物の神ソチピリXOCHIPILLIが描かれています。この神は、同時に
アステカの踊りと詩の神様でもありました。
レストランで食べる時に、飲み物込みで一人前100ペソで済むか超えるかで、高い
か安いかの目安になります。最近は、アメリカ人が経営する超高級レストランが増え
て、100ペソで食べられるお店が少なくなりました。でも、タコス屋やポソレ屋は
大丈夫、100ペソの価値を発揮します。そしてそう言うお店の方が美味しいんです。
50ペソ: ご存知モレーロスJOSE MARIA MORELOS Y PAVONはメキシコ独立の英雄の
一人です。私達が住むモレーロス州に名を残していますが、生まれ故郷のモレリア市
も彼に因んで付けられた地名です。裏面には、そのモレリアがあるミチョアカン州の
パッツクアロ湖独特の漁の風景や、やはりミチョアカンで有名なモナルカ蝶や、民芸
品のお面が描かれています。
メキシコで車の1年間有効の運転免許証の値段が、今のところ46ペソ。50ペソ札が
一枚あれば、たった数時間で試験もなく免許証を入手でき、しかも身分証明書として
も有効ですから安いものです。
20ペソ: ベニート・フアレスBENITO JUAREZは、メキシコ人が最も尊敬する政治家
です。インディへナ出身者としては、唯一大統領に(しかも二度も)なった人物です。
3歳で孤児になったにもかかわらず、農地改革のリーダーとなり、インディへナの権
利を守ることに力を尽くしました。肖像の横に描かれているのは国旗にも見られる、
月桂樹とサボテンの上に立って蛇をくわえるワシ、つまりメキシコのシンボルです。
また、裏には「フアレスに捧げる半円」SEMICICLO A JUAREZと呼ばれる記念碑が描
かれています。この記念碑は、メキシコ市のソカロからフアレス通りをレフォルマ大
通りに向かって歩くと右手、アラメダ公園内にあります。道路沿いにあるので、フア
レス通りを走ると、車からも見ることができます。独立運動開始から100年を記念し
た1910年に完成しました。彼の誕生日3月21日は国民の祝日です。
クエルナバカのタクシーは乗る前に値段交渉しますが、最低料金は20ペソ。市内で
あれば、20ペソから高くても40ペソまで。それより高い値段を言われたら、お断
りして次のタクシーを捜す方がいいでしょう。
次はコインMONEDAです。コインの裏側は全て月桂樹とサボテンの上に立ってヘビを
くわえるワシのデザインです。ペソの単位のコインは、全て珍しい銀色、金色2色で
す。ちょっと重くてかさ張りますが、小銭を切らすとタクシーにもバスにも乗れない
し、買いたいものも買えないことすらあり、また、チップPROPINAが重要な生活の潤
滑剤となりますから、大事なお金です。常に持ち歩きましょう。
50ペソ: 一般には出回っていない、記念で手に入れた貴重品なコインです。少年
英雄像NINOS HEROESが描かれています。メキシコ・シティのチャプルテペックの森
の中、「白鳥の湖」の舞台となる湖のほとりにお城CASTILLOがあります。1847年に
アメリカ軍との戦いがあった時、18世紀に建てられたこのお城を守るため、陸軍士
官学校の生徒達が戦いました。この戦いで命を落とした若き士官6名は英雄と称えら
れ記念碑が立てられたのです。美しい城は、現在は歴史博物館として残っていますが、
この戦いで破れたメキシコは、アメリカに領土の約半分を譲り渡すことになってしま
ったのです。
20ペソ: 20ペソ・コインは最近あまり見かけなくなりました。お札があるし、重
い上、10ペソと紛らわしいのできっと嫌われてしまったのでしょう。私は、20ペソ
コインを2種類持っていますが、ひとつはオクタビオ・パスOCTAVIO PAZの肖像に
「Todo es presencia, todos los siglos son este Presente」という彼の文が
彫られています。単語は易しいのだけれど、哲学的でよく分からない文です。
もうひとつの20ペソ・コインのデザインは、「新しい火」NUEVO FUEGOを表していま
す。これは、アステカの暦などで見られるように、ひとつの時代が終わって、新しい
時代が始まる時にともす火のことを言うのだそうです。
10ペソ: お馴染みのアステカの暦CALENDARIO AZTECAが描かれています。中央は
太陽の神トナチウTONATIUHです。周りにある四角い4つのパネルには、既に終わっ
てしまった時代、即ち、一番目がジャガーの神、2番目が風の神、3番目が雨の神、
そして4番目の水の神を表しています。
セントロ付近の駐車料金は最近値上がりして1時間10ペソになりました。これは、
高い?安い?
5ペソ、2ペソ、1ペソ・コインは、それぞれの金額が書かれているだけです。
小銭はチップPROPINAとして使います。5ペソは郵便屋さんに、2ペソはスーパー
マーケットで袋詰めをしてくれる若者へ、1ペソは道路で車の窓拭きをする人への
プロピーナ、これが目安です。因みに、内電話料金は時間制限無しで、一通話1.5
ペソです。
メキシコには、アメリカで言うとセントにあたるセンターボCENTAVOという1ペソ
以下のお金があります。100センターボが1ペソです。センターボ・コインには50、
20、10、5センターボがありますが、買い物の時にも、10センターボ以下は切り捨
てられるので、5センターボは2枚合わせて10センターボにしないと使えません。
5センターボは、なぜ出まわっているのか不可解なコインです。
コピー料金は、通常1枚50センターボ。大事なお金のように思いますが、持ち合わ
せがないと、お店ではおまけしてくれる、どうでもいい単位のようです。
以上がメキシコのお金です。
両替はCASA DE CAMBIOという看板のあるお店でします。両替屋の看板には「日の丸」
の絵も描いてあって、日本円も扱っていると錯覚しますが、滅多に日本円は扱ってい
ないし、日本円をペソに両替すると、ペソ→ドル→日本円という具合に、直接の換金
ではなくなるので、とても不利です。メキシコへ旅行する時は、ドルを持ってきてく
ださい。現在の換金レートは1ドル=約9ペソです。