
![]() -呑気家族のメキシコ移住計画- |
出版:近代文芸社 石田 かり・著 |
「クエルナバカの碧い空」第43号 #6 本の続編 − −犬を買いませんか? おまけの話:イダルゴ州の温泉テロ事件、戦争、飛行機事故と、世の中大荒れで、メキシコでも不景気風が吹き始め、 新世紀が始まったばかりなのに世紀末の様相を呈してきました。そのせいか10月は 日本からのお客様が途絶えてしまい、「民宿かず」は開店休業状態でした。私達は世 界のはずれで忘れ去られ、淋しく呆然と暇を持て余しています。早く誰か来て下さい。 さて、忘れ去られても、暇でも、クエルナバカは平和です。こういう時こそ、平和の 有り難さを感じます。そこで、今回は、世の中の動きと全く無関係に、平和なメキシ コの「犬」の話をしようと思います。 メキシコ人は動物好きで、もちろん、食べるのも大好きです。私が持っているCOMIDA PREHISPANICA「スペイン人征服以前の食べ物」と言う本によると、昔は、アルマジロ や、イグアナ、トラクアッチェ、サル、こうもり、リス、また、セミなどの虫も食べ たそうです。中でも、XOLOIZCUINTELという犬を食べていたことは有名です。 別名、PERRO PELON禿げ犬とも呼ばれるこの犬を、メキシコに来て初めて見たスペイ ン人の征服者エルナン・コルテスは、「ここのインディヘナたちは、食べるために犬を 飼っている」と驚いて書き記しているし、別のスペイン人は、「美味しいし、栄養も ある」と書いています。この禿げ犬は、今も、例えば、ソチミルコ近くの動物園など で、見る事ができますが、もちろん、もう食べる人はいません。 これが食用犬、恨めしそうな目をしています さて、食用犬は論外ですが、ペットとしてメキシコ人が最も好むのが犬です。我がコ ンドミニオは、一応、規則では動物は不可となっているのですが、それにも関わらず 隣家のヒルダの家族は犬のロニーを飼っていて、誰も文句を言わないし、メキシコ・ シティから週末を過ごしに来る別荘族も、みな犬連れでやってきます。 大抵のメキシコ人の家には犬が2匹も3匹もいて、家の中でも庭でも、家族同様、ゆ うゆうと生活ています。広い庭がない家は、前の道を庭代わりにしているので、犬は 勝手に自分で決めた時間に、決めたルートを散歩して帰ってきます。メキシコの犬が、 いつも独立独歩で、目的を定めてスタスタ歩いているのは、そんな育ちのせいです。 因みに、一人で散歩するときはもちろん、人と一緒でも、誰も糞の始末をしません。 庭で大事に犬を飼っている人々は、赤ん坊が粗相をしてもお母さんは怒らないように、 飼い犬が、訪ねて来る人にじゃれて服を汚しても、犬を叱りません。メキシコの犬は 人間同様、人なつこくて、大きいシェパードでもボクサーでも、汚い足で、よだれを たらしながらジャレて来て、番犬にはとても不向きではないかと思ってしまいます。 昔はあんなに犬好きだった私ですが、あまりに馴れ馴れしい態度に、飼い主がいない ところで、シッシッと追い払ってしまいます。でも、飼い主の自慢話は、一応はきち んと聞かなければなりません。 さて、ここから本題です。私達がボランティア活動をしているアミーゴス・デ・ラ・ ムジカの会長のワトソン夫人の家には、大変由緒正しい犬たちがいます。現在三匹い る犬たちは、国際コンクールで何度もCAMPEONチャンピオンになっている家系の出 身で、5代も6代もさかのぼる系譜が書かれた血統書が残っていて、私なんかよりも ずっと身元がしっかりしています。 実は、ワトソン夫人は、常日頃、アミーゴスの運営の資金繰りに悩んでいます。自分 でも、「人を見ると、『寄付金をくれる人かどうか』、金持ちとわかると『寄付金はい くらくらいか』と、人の顔を換算してしまう癖がついてしまった」と苦笑いするほど です。アミーゴスが招待する音楽家の質の高さには定評がありますが、レベルを下ず、 すぐれた芸術家を呼び続けるには、切符の売上げだけでは足りません。金持ちの音楽 愛好家の寄付に頼らなければならないのです。 そんな時に、犬たちが庭で遊んでいるのを見ていた彼女は、ついには犬の顔までお金 に見えてしまったそうです。何せ、素晴らしい血統書を持つ犬たちですから、子供が 生まれたら、どうなることか!!全員に作曲家の名前でも付けて売り出したら・・・? 3匹の犬のうち、オスのソーダは1994年生まれで、ソーダにはウイスキーという 兄弟がいたのですが、最近亡くなり、その代わりに来たのが、去年5月に生まれて間 もなくやってきたメスのフリーダです。2匹はENGLISH SPRINGER SPANISHスプリンガ ー・スパニエルという種類で、英国で狩猟用に開発された犬だそうです。 でも、フリーダはまだ1歳半。調教師について訓練を受けたとはいえ、まだまだ遊び たい盛りです。ところが、ワトソン夫人が夢見たように、つい先日、何と子供を産ん だのです。ずっと見ていたのに、妊娠していることも知らなかった私は呆然としまし たが、もっとびっくりしたのは本人のフリーダで、最初はお乳をあげる姿も様になっ ていなかったそうです。ワトソン夫人によると、初産のフリーダは、子犬にお乳をあ げるためには、自分は突っ立っていなければならないと思ったらしく、疲れても眠く なっても、子犬のために、おっぱいを垂らして、半分寝たまま立ち続けたそうです。 つい先日まで、何にでもじゃれ付いて遊びまわっていた姿からは想像ができません。 現在は、横になってリラックスして、それでも、子犬達の側を絶対に離れないで、お 乳をあげています。黒と白のぶちのフリーダと同じ模様の子犬と、お父さんのソーダ から受け継いだ茶色と白のぶちの子犬がいます。血統書付きのこの子犬たち、どなた か買いたい人はいませんか?世界的権威の血統書が付いているので、ちょっと値は張 りますが、アミーゴスの援助ともなり一石二鳥の投資です。 母は強し、初めての経験でもしっかり授乳させている おまけの話: イダルゴ州の温泉 時間がたっぷりあるので、先日、イダルゴ州まで足を伸ばして、温泉に行って来まし た。イダルゴ州はメキシコ市の北にあって、メキシコ州、トラスカラ州、プエブラ州、 ベラクルス州、サン・ルイス・ポトシ州、ケレタロー州に囲まれて、海こそありませ んが、岩山や、湖、鍾乳洞など自然に恵まれた州です。何よりも、温泉が多くあって、 今回は、その中から、EL GEISER間欠泉という場所と、GRUTAS DE TOLANTONGOトラン トンゴの洞窟という二つの温泉地をはしごしました。 間欠泉がすごい勢いで蒸気を飛ばす 滝の裏に洞窟温泉がある EL GEISERには、80度を超える硫黄泉が大量に吹き出る間欠泉があって、その湯を 引いたプールがいくつもあり、日本人好みの熱々のお湯に入れます。あまりの感激に 5時間も浸かりっぱなしでした。宿は一軒だけで、宿代は200ペソ、ベッドがある だけの簡素なもので、食事は近くの屋台で食べました。周りには何もありません。 翌日、石ゴロゴロの林道を何時間も車を走らせて到着したのが、ここも一軒宿のトラ ントンゴという場所です。裏にRIO BLANCO白い河と呼ばれる温泉川が流れています。 ここの最大の魅力は、10分ほど登ったところにある洞窟湯です。上から滝が流れて くるので、濡れた岩を登るのは足元が悪いし、洞窟の中は真っ暗け、湯もぬるめでし たが、雰囲気は最高でした。宿は300ペソ、やはり付近の屋台で食事をしましたが、 他には何にもありません。 表紙に戻る 次に進む バックナンバー#1 「運転しよう」から:何でもありのメキシコ式運転 #2 「猫」から:猫の獲物はどうする? #3 「免許証」から:ここでは買うんです #4 「仕事をしよう」から:押し掛け助手は大活躍 #5 「仕事をしよう」から:コンサート後のご馳走 #6 「仕事をしよう」から:黒沼邸でのミニコンサート #7 「スペイン語」から:無口な日本人 #8 「免許証から」から:車の所有税 #9 「クエルナバカ」から:蜂鳥 #10 「猫 パートII」から:捨て猫アナスタシア #11 「猫穴」から:アメリカ・ドライブ・転々旅行 #12 「女性」から:老化現象と更年期障害 #13 猪俣猛作曲「クエルナバカの碧い空」 #14 日本へ一時帰国しました/その他 #15 運転したら事故はつきもの #16 私たちの夏休み日記 #17 最近の感動:みんな生きている! #18 ホームページ1周年記念 #19 仕事人「かり」 #20「葛飾諏訪太鼓」の日々 #21 クエルナバカから謹賀新年 #22 薬の話 #23 社交サロンの話 #24 夏時間、ク日比較アンケート #25 母は強し #26 我が家のガーデニング #27 選挙裏話と日ク比較 #28 国際ピアノ・コンクール #29黒沼ユリ子さん邸CASA DE VIOLIN増築祝い−ペット・ロス症候群 #30 2周年記念・シドニーオリンピック・おまけ「スキャンダル」 #31 我が家に棲みつく魑魅魍魎、おまけの話「無料電話」 #32 私達のSEXENIO、おまけの話「歌のクラス」 #33「CREA」取材のコーディネータ初仕事、おまけの話 #34「日本週間」、おまけの話「コーディネータ、プロ宣言」 #35 ニューヨークの白い空、おまけの話「夏時間」 #36 巣立ちの夏 、おまけの話「民宿 かず」 #37悲しい話、おまけ:雑誌TITLE #38健康に自信がありますか?;おまけの話:TELECABLE INTERNET #39 コンサート・デビュー;おまけの話:テレビ番組の取材 #40 夏休み病気特集第二弾;おまけの話:テレビ番組の放送日程 #41 我が家の独立記念日、おまけの話:アメリカ・テロ事件 #42 続編:独立記念日、おまけの話:テロ事件のメキシコの反応 |