「クエルナバカの碧い空」第57号
#5 訪問者紹介-2 − 大屋 恵美子さん
恵美子さんは私達と同年代。ご主人とお嬢さんたちを家に残して、約2か月間、クエ
ルナバカでスペイン語を勉強しました。途中、ホームシックにもなったようですが、
夢にまで見たメキシコの日々を思う存分、冒険されたようです。帰ったら、覚えたス
ペイン語を活用したいと夢見るように話していた恵美子さん。その希望を実現するた
め、今ごろは、行動力をフルに発揮していることでしょう。

大屋 恵美子さん

クエルナバカでは、最初にIDEL、
次ぎにCENTRO BILINGUEと、
二つの学校を経験しました。

今日は、日本語を話して、
一息ついてます。
(クリックで拡大)

では、恵美子さんから一言:  メキシコのクエルナバカで生活をしてみて、今まで
本でしか知ることのできなかった、メキシコのなまの姿を見ることができ、とても意
義のある8週間でした。陽気で親切な国民性と、とりわけ、クエルナバカに関してい
えば、治安の良さ・・・そんな理由で、メキシコでのスペイン語研修を選んだ私でし
たが、本当に良かったと実感できたのは、幸せなことでした。

街のあちこちを走る便利な路線バスに乗ることも不安で、仕方なくタクシーを使って
セントロに繰り出したのは、現地入りして1週間目のこと。日本語で交信できるイン
ターネット・カフェを見つけて、日本の家族や友人達と連絡を取りたかったからです。
数少ない情報の中から、一縷の望みを託して訪れたお店は、残念ながら日本語使用不
可。仕方なく、道のあちこちで見かける警察官に尋ねると、無線で問い合わせをして、
それらしきお店を教えてくださいました。

その頃は、なんとか、場所を尋ねることはできたのですが、聞き取りはなかなか難し
く、彼らの指さす方向だけを頼りに、ひたすら歩くしかない有様でした。途中で心細
くなって、親切そうな女性に同じように尋ねると、私が外国人で、しかもたった一人
で困っているというためか、とても気の毒に思ってくださり、私の腕をとって、途中、
おいしいコーヒーのお店などもさらりと教えてくださりながら・・・

ずっと一緒に捜してあげたいけれど、私はこれから仕事に行かなければならないし…
とおっしゃって、見ず知らずの女性にしっかりと引き継ぎをしてくださり、ちょっと
涙ぐみながら去って行かれたのでした。実は、元々彼女も知らなかったらしいのです
が、日本ならば『私は知りません』で終わりになってしまいそうな場面でも、メキシ
コでは、わかるところまで関わってくださる…本当に親切なお国柄だと思いました。

もうひとつ・・・初めて乗った路線バスでのこと。2,3の路線バスは乗りこなせる
ようになっていたのですが、初めて訪れようと思ったお店がちょっとわかりにくかっ
たので、行きはタクシーを使いました。お店のかたに、路線バスの番号と乗り場を教
えていただき、乗車時には運転手さんにも、私の目的地まで行くかどうかを確認して、
安心して乗り込みました。かなりの時間乗っていたのですが、外の景色がだんだん寂
しくなり、乗客の数が少しずつ減ってきて少々心細くなった頃、子供さん連れの女性
が、どこまで行くのかと尋ねてくださったのです。目的地を告げると、彼女は大きく
手を振り、これはまったく違うところに行くバスだから、すぐに運転手さんに言って、
降ろしてもらうようにと教えてくださいました。私が質問をしていたことを思い出し
た運転手さんは大あわてで、クラクションを鳴らしながら、少し前を走っていたバス
を追いかけてくださいましたが、残念ながら、そのバスはいわゆる回送バス・・・。

大きなクラクションで人目をひいたためか、その様子を見ていた男性が、自分もそこ
まで帰るので、責任を持って連れて行くからと申し出てくださったのです。少々不安
もありましたが、あたりは暗くなり始め、タクシーが走っている様子もなかったので、
お世話になることとなりました。あとでわかったことなのですが、この男性は、私の
目的地から離れた所にお住まいだったようで、つまりは、私をわざわざ連れて行って
くださったのです。これほどまでに親切にしてくださるメキシコのかたに、本当に頭
が下がりました。そして、たまたま乗り合わせた、頼りなさそうな外国人の旅行者に、
どこまで行くのかと尋ねてくださった女性にも、感謝、感謝です。

この事件に少々説明を加えますと、このバスは、確かに私の目的地を通過したのです
が、私の行きたかったエリアの外側をグルリと通っていたため、私自身も見逃したし
まっていたということになります。乗り慣れない、初めての番号のバスに乗る時は、
運転席の近くに座って、何回も、何回も運転手さんに質問をしながら、注意をしてい
なければいけないと痛感しました。

外国で生活をしてみると、その国の国民性というものが肌で感じられます。苦い経験
をいくつか積み重ねた私ですが、メキシコ(クエルナバカ)は、また行ってみたいと
感じさせる、好印象の国でした。

最後になりましたが、日本を出発するかなり前から、現地の情報を色々と教えてくだ
さり、また、メキシコに行ってからも、ご家庭で日本食をご馳走してくださったり、
素晴らしいコンサートに誘ってくださったりと、なにかとお世話くださった、かずさ
ん、かりさんご夫妻に、心から感謝しております。ありがとうございました。

                   埼玉県  大屋 恵美子

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