
![]() -呑気家族のメキシコ移住計画- |
出版:近代文芸社 石田 かり・著 |
「クエルナバカの碧い空」第62号 #6 本の続編 − メキシコに住むということ、おまけの話: 日曜日も有料に!本題に入る前に、下の写真はサン・フアンのアリHORMIGAS DE SAN JUANという現象 で、雨季を予想して雨が降り出す直前にどこからともなくこの羽根アリの群れが現れ るそうです。隣家の長男アルフレッドが、駐車場の電球に群がる羽根アリの存在を知 らせてくれたので、大急ぎで撮影しました。どこから来て、どこへ行くのか、翌日に はあんなにたくさんいた羽根アリの姿が全く消えていました。雪国には、雪が降り出 す前に、ちらちらと現れる雪虫がいるのを思い出しました。雪虫はロマンチックだけ れど、サン・ファンのアリはちょっと不気味。撮影直後に、アリの予想通り、大粒の 雨が降り出したので、大急ぎで家に入りました。 電球に群がる羽根アリの大群 いつもは6月下旬に雨季に入るメキシコ中央高原各地ですが、今年は、6月1日から 本格的な雷雨があって、雨季に突入しました。メキシコには、日本のような梅雨前線 や入梅宣言などはありませんが、これから9月にかけては雨季で、毎晩雷雨がありま す。クエルナバカの雨は夜降ると言われ、昼間の雨は珍しいのですが、メキシコ人に よると、数十年前までは、本当に昼間雨が降ることは全くなかったそうです。現在で は、気象が変化したのか、年に数日、洗濯に向かない曇がちの日もあるし、30分く らい激しく降る夕立ちもあるので、要注意です。 雨あがりの空の色の美しいこと、木々や草の緑が輝くこと、空気が澄んで涼しくなる こと、各地の山火事が収まること(山火事の地方でも降っていると願って!)、いい ことずくめの雨季の到来です。 さて、#4トピックスのアンケート調査から、興味深い結果がでました。驚いたのは、 日本が不況なせいか、就職先を探すなら、日本でよりメキシコのほうが簡単(?)。 また、メキシコ好きが昂じてか、メキシコが日本から近いと感じている人も何人かい たこと!最大の驚きは、「スペイン語ができるから、メキシコで就職を!」ではなく、 「メキシコで就職すれば、スペイン語ができるようになる!」という考え方。 どこで働いても、どこに住んでも、人間関係の難しさや、仕事の厳しさがあるでしょ う。会社勤務の場合は、海外でも日系企業は日本的経営ですから、その忙しさは私か ら見ると非人間的。かずさんが働いていた頃には、子供の学校で行事があっても、平 日だとかずさんが参加できず、一人で参加した私は、よその親御さんたちの同情をか ったものです。早朝出勤で深夜に帰宅の夫の存在を知らない近所の人が、日曜日に家 にいる男性を、愛人と勘違いしたというブラックな噂を聞いたこともあります。 折角メキシコにいるのに、仕事が忙しくて、「夕食は、毎日コーンフレーク」という 日本人女性の話を聞くと切なくなります。それでも、メキシコで働きたい人を大いに 応援します。ストレス解消と栄養補給に、クエルナバカの我が家へどうぞ。 働いていなくても、人間関係というのは難しいものです。私達も、コンドミニアムと いう集合住宅に住んでいるので、ちょっとした摩擦があります。特に、ノーとはっき り言えないメキシコと日本の国民同士、こじれて爆発すると大問題に発展しかねませ んから、本当はさわらぬ神にタタリなしなのですが、私は、コンドミニオ内のトラブ ルは、エッセーの格好のネタだと思って、喜んで首を突っ込んでいます。ただし、巻 きこまれて当事者になってしまうと大変なので、気を付けなければなりません。 先日、面白くも悲しく恐い話がありました。カサ5のヒルダ一家が引っ越してしまっ たのが発端。ヒルダは私と同年代、夫のルイスとかずさんは誕生日が2日違いの同い 年で、仲良くしてもらっていたのです。引っ越したといっても、ほんの数ブロック先。 今まで通り仲良くしてもらえるのですが、近いから尚更ややこやしいことも・・・。 実は、引越しの前のある日、ヒルダが飼っている犬のロニーが、カサ11の飼い犬チ ピを襲ったのです。互いにコッカスパニエル系の犬とは言え、ロニーは大型の大人、 それに反して、チピは小型犬のうえ、まだ2才にもならない子犬なのですが、春だか ら・・・。そしてチピは妊娠、引越から約一ヶ月後に出産となったのでした。 ある日、カサ9のサリータおばちゃんが、「2日前に、子犬が5匹生まれて、そのう ち3匹はロニーと同じ色をしているのよ」と教えてくれました。チピの飼い主のトー ニョは、奥さんが逃げていったばかりで独り暮らし、ラテン音楽バンドのサックス奏 者という仕事柄、不規則な生活で、帰宅しない日もあり、サリータがこっそりエサを 作ってチピにあげているのです。ヒルダの新しい家の電話番号を知らないサリータは、 「かり、ヒルダに電話してちょうだい」と言うのです。 早速、ヒルダに電話をすると、大きなエサ箱を持って飛んで来ました。サリータと私 も一緒にカサ11の裏に回り犬を見にゆきました。ウウー臭い!世話する人がいない 犬たちの周りは、汚れていて悪臭を放っているし、飼い主が責任を果たしているとは とても思えません。柵のある狭い場所で、子犬たちはダンボール箱に入っていますが、 親犬まで短い鎖に繋がれています。子犬を守って吠える、自分も小さな母犬が哀れ! ヒルダによると、「チピはまだ小さいから、ロニーとは会わせないと言っていたのに、 ロニーが散歩している時に、トーニョがわざと扉を開けて、ロニーがチピに襲いかか るようにしたのよ」。つまり合意の子作りではなかったのです。それでも、子犬は可 愛い。ヒルダは、「ロニーと同じ色の子犬を一匹貰ってゆくわ」と言います。その日 の午後には、ルイスも来て状況を見、トーニョが帰って来たら直接話をすると言って 帰って行きました。 その話し合いが進まないのです。子犬は一ヶ月半から2ヶ月近くまで育って目が開く までは母親から引き離す事ができないそうです。毎日、エサを持って来るといってい たヒルダは、涙を流して子犬に話しかけていたのに、その割りに忙しいのか、毎日は 来ないし、サリータと私は心配はしても、赤の他人だから何もできません。直接話す と言っても、トーニョは帰宅しているはずなのに、電話には出ないそうだし、第一、 なぜかみんなトーニョと直接話をするのを恐がっているのです。 ところがある日、サリータがおお慌てで言いました、「子犬がいない!」。一緒に見に 行くと、ダンボールの中でまだ歩く事もできずに寝てフニャフニャしていた子犬たち の姿はなく、ダンボールは脇に片付けられていました。再びヒルダに電話をするとす っ飛んできましたが、何かするには手遅れ!2、3週間しかたっていない子犬たちが どこに行ったのか、その運命を想像するのも悲しいことです。 ヒルダは、大きな乳をしたまま子犬から引き離されて途方にくれるチピが可愛そうで、 家に連れて行くと言います。そこへ現れたのが、何でもズバリ発言のカサ2のレティ おばさんです(メキシコのデビ夫人?)。レティが言うには、トーニョの留守中に犬 を連れて行けば、窃盗で訴えられても仕方が無い。・・・と、ここまで書くと、一体 全体、トーニョって何物なんだ?と思うでしょうけれど、奥さんに逃げられた(どう やら暴力亭主だったらしい)とは言え、普通のおじさんなのですから、無責任に首を 突っ込んだ私は、突飛な展開に驚くばかりです。 みんなの想像した結論は、トーニョは子犬を売って金儲けをしたに違いない。トーニ ョは、ミュージシャンという職業柄か、収入が不安定らしく、長いことコンドミニオ の管理費を払えないくらい金欠病。しかし、生後3週間に満たない子犬が、たとえ売 れたとしても、無事に育つか保証はなく、だからと言って、誰にも、直接トーニョを 問いただす勇気も無い。 ところが大騒ぎした2日後、子犬は戻って来ました。単に尻尾を切るために(種類に よっては小さいうちに尻尾を切ってしまうそうだ)連れて行っただけで、命には別状 なく、母親のもとに戻って来たのです。サリータは引き続き、無責任なトニーに代わ ってエサをあげているし、ヒルダもトーニョのいない昼間に時々見に来ます。 サリータとヒルダの後ろにくっついてウロウロしていた私はと言えば、遠目でもトー ニョが恐ろしい人物に見えて、関わりにならないほうがいいかと・・・。未だに言葉 も足らない私が訴えられでもしたら、弁明もできないし・・・。いや、本当に、メキ シコ人て、普段は穏やかでも、一旦、怒ると恐いから・・・。 おまけの話: 日曜日も有料に! メキシコの国立の美術館、遺跡、博物館などの入場料は、日曜、祝日は、全て、無料 でした。メキシコに旅行される人には、「是非、日曜日に博物館などを訪ねるといい ですよ」とオススメしていました。ところが最近になって、日曜日に行ったのに、お 金を取られたと不服そうに言う人が増えて、何かの特別措置かしらと思っていました。 ところが調べて見ると、例えば、コルテス宮殿内のクアウナワック博物館は、実際に 有料になったようです。ボルダ庭園のように、以前同様、日曜は全ての人に無料のと ころもありますから、要確認です。 それも外国人観光客だけ!料金規則改正は、2003年2月11日に行われました (各施設で料金は異なります)。 *平日料金は、以下の者は免除される ・13歳以下の子供 ・学生、教師(要証明書) ・60才以上の大人 ・ご隠居さん、年金生活者、障害者 ・博物館の許可を得ている調査学者 ・警官、軍人などの制服組み *また日曜日と祝日には、以下の者は免除される ・メキシコ人(選挙投票用の証明書が必要) ・メキシコ居住ビザ(FMビザ)を有する外国人 と言う訳で、居住ビザを持っている私達はいいのですが、観光ビザの外国人は、日曜、 祝日も免除対象にはなりません。入場料を支払って入ってください。 表紙に戻る 感想箱へ進む バックナンバー#1 「運転しよう」から:何でもありのメキシコ式運転 #2 「猫」から:猫の獲物はどうする? #3 「免許証」から:ここでは買うんです #4 「仕事をしよう」から:押し掛け助手は大活躍 #5 「仕事をしよう」から:コンサート後のご馳走 #6 「仕事をしよう」から:黒沼邸でのミニコンサート #7 「スペイン語」から:無口な日本人 #8 「免許証から」から:車の所有税 #9 「クエルナバカ」から:蜂鳥 #10 「猫 パートII」から:捨て猫アナスタシア #11 「猫穴」から:アメリカ・ドライブ・転々旅行 #12 「女性」から:老化現象と更年期障害 #13 猪俣猛作曲「クエルナバカの碧い空」 #14 日本へ一時帰国しました/その他 #15 運転したら事故はつきもの #16 私たちの夏休み日記 #17 最近の感動:みんな生きている! #18 ホームページ1周年記念 #19 仕事人「かり」 #20「葛飾諏訪太鼓」の日々 #21 クエルナバカから謹賀新年 #22 薬の話 #23 社交サロンの話 #24 夏時間、ク日比較アンケート #25 母は強し #26 我が家のガーデニング #27 選挙裏話と日ク比較 #28 国際ピアノ・コンクール #29黒沼ユリ子さん邸CASA DE VIOLIN増築祝い−ペット・ロス症候群 #30 2周年記念・シドニーオリンピック・おまけ「スキャンダル」 #31 我が家に棲みつく魑魅魍魎、おまけの話「無料電話」 #32 私達のSEXENIO、おまけの話「歌のクラス」 #33「CREA」取材のコーディネータ初仕事、おまけの話 #34「日本週間」、おまけの話「コーディネータ、プロ宣言」 #35 ニューヨークの白い空、おまけの話「夏時間」 #36 巣立ちの夏 、おまけの話「民宿 かず」 #37悲しい話、おまけ:雑誌TITLE #38健康に自信がありますか?;おまけの話:TELECABLE INTERNET #39 コンサート・デビュー;おまけの話:テレビ番組の取材 #40 夏休み病気特集第二弾;おまけの話:テレビ番組の放送日程 #41 我が家の独立記念日、おまけの話:アメリカ・テロ事件 #42 続編:独立記念日、おまけの話:テロ事件のメキシコの反応 #43 犬を買いませんか? おまけの話:イダルゴ州の温泉 #44 日本メキシコ学院リセオで講演;おまけの話:2001年総括 #45 謹賀新年、 おまけの話:子供達の里帰り #46 ベラクルス珍道中: おまけの話: 月刊誌NOVARK #47 女性についての考察: おまけの話:日本一時帰国のお知らせ #48 一時帰国報告: おまけの話: JAL悟空格安チケット #49 「清流」とサッカーの話: おまけの話: かずの写真館 #50 7年半目の情緒不安定: おまけの話: 癒しのピアノ館 #51 ホーム・コンサート決行;おまけの話:帰ってきた子供達 #52 老人ホーム慰問コンサート; おまけの話:パパ訪問 #53 タマがうちにやって来た。おまけの話:慰問コンサート #54 私の公園デビュー、おまけの話: キャデラック売ります。 #55 売れた! おまけの話:今年一番長い夜 #56 タイ旅行報告、おまけの話:クリスマス・コンサート #57 NY息子救出作戦、おまけの話: レコーディングとラジオ番組 #58 タマ、おまけの話:ラジオ番組 #59 薬害?それともアレルギー、おまけの話:メキシコの苦悩 #60 最近読んだ2冊の本と戦争、おまけの話:リコーダー #61 気になる最新ニュース、おまけの話:最後のミサ |