-呑気家族のメキシコ移住計画-
出版:近代文芸社
石田 かり・著
                         「クエルナバカの碧い空」第66号
#6 本の続編 − 人生の節目5周年、 おまけの話: アミーゴスの仕事
1998年10月15日の創刊号から5年。ホームページ「クエルナバカの碧い空」
は5周年を迎えました。カウンターを数えるのが楽しみの毎日で、今まで続けられた
のは皆様のおかげです。感想を書いてくださる人が少ないのが寂しいところです。短
いメールで結構です。感想、質問、注文、叱咤激励、何でも受け付けますから、一言
お送り下さると、もっと張り切ります。どうぞよろしくお願いします。

8月18日午前、読売新聞メキシコ支局長から電話がありました。最悪の知らせです。
ホームページよりも半年も前の1998年4月から連載していた、アメリカ衛星版の
エッセーが打ち切りになったのです。

本の出版をきっかけに、南北アメリカ大陸の衛星版の「あめりかリレーエッセー」の
書き手の一人として参加し始めて5年半、最後の9月号が第45作目になりました。
最初の頃は書くことがいっぱいあって、1ヶ月に一度では書ききれないほど、それが
最近は、題材にもつまることがあって、いつまで持つかなぁと思い始めた時でした。

打ち切りの理由を聞いたところ、エッセーが評判が悪いためではなかったのが唯一の
慰めで、実は、アメリカ衛星版そのものが10月1日をもって休刊、読売アメリカ社
は9月末に同業務を停止、メキシコ支局も閉鎖、局長も帰国という寂しい出来事だっ
たのでした。

ヨーロッパやアジアの衛星版は存続するのですが、特に北米を中心にアメリカ大陸に
駐在する日本企業が減り、日本からの赴任者も減って、購読者が激減したというのが
衛星版休刊の理由です。海外在住の日本人は多くても、フリーで滞在する人で新聞を
購読する人は少なく、特にニューヨークのテロ以来、日本企業が激減した現在、新聞
に限らず、企業の日本人相手の商売は、苦戦を強いられているのは知っていましたが、
休刊は、それが端的に形となって現れた例です。

読売新聞は1977年に新聞社としては初めてニューヨークで印刷を開始したそうで、
その後80年代、私が日本で外資系証券会社に勤務していた頃に、衛星回線を通じて
ロス・アンジェルスに電送し印刷するようになったことを覚えています。日本で配達
されるのと同じ新聞がアメリカで即日配達されるのですから、人々は驚いたものです。
しかし、それも束の間、現在はインターネットでニュースも読めるし、テレビ・ニュ
ースまで見聞きできるのですから、誰がどこで開発しているのか・・・。

ところで、最後のメキシコ支局長は、私にとっては2代目です。最初の支局長が帰国
し、2代目支局長が赴任してきた時には、てっきり、私のエッセーも終了するものと
覚悟していました。そうしたら、「石田さんのエッセーは評判が良いので、続けても
らいます」というお言葉を頂戴し、今となっては、その言葉に励まされて、衛星版が
休刊になるまで続けられたのは幸運なことでした。

現在、手元に残った古新聞とそのコピーを眺めて思案中です。完結した45のメキシ
コこぼれ話たち。とても面白いので、新聞をとっていなかった人達にも読んで欲しい。
出版までこぎつけるには気力と財力が不足しているし、スクラップにしてしまうには、
もったいない。ご希望であれば、コピー代と郵送費などの実費程度で郵送しますので、
ぜひ、メールでお申し込みください。

もうひとつ終わってしまったかも知れないものがあります。日本語のクラスです。こ
ちらは、1999年7月8日に開始、ディアナとルス・マリアの姉妹に教え始めて既
に4年以上、当時中学生だった二人も、ディアナは大学生に、ルス・マリアも高校生
になり、学校の時間割が不規則で、午後の活動も多く、なかなか日本語の時間がとれ
ない年頃です。まだ、止めると決めたわけではないらしいのですが、現在、通告待ち。

語学は継続と集中が大切。間があくと、やる気が急速にしぼむのは目に見えています。
しかも、最近は教えている私自身が頭を抱えることが多い。一体全体、日本語という
のはなんなんでしょうか?日本語は難しいとよく聞くけれど、難しいのは、覚えたり
話したりすることではなく、教えること。何が難しいと言って、例えば、私が教えて
きたこの4年間に、彼女たちは何を学んだか?私が教えた日本語では、くだけた口調
が多いマンガの「ドラえもん」さえ理解できないのですから・・・。

日本語を教えているという日本人によく話しを聞くのですが、失礼ながら、本当に分
かっていて教えているのか、とても興味があります。文法はあってなきがごときで、
例外が多過ぎてシステマチックに教えられない。話し言葉と書き言葉も違いすぎる。
「私」や「あなた」を意味することばも数限りなく、「です、ます調」から、「ござい
ます」、「である」、「だ」と文末もいろいろ。メキシコ人の友人は何年も日本語を習っ
ていたのに、日本に初めて行ったとき、習っていた「です」や「ます」を誰も使わず
「そうよ」とか、「かもね」とか言われて、頭の中が真っ白になったそうです。使え
ない日本語を教えて幾年月、私って詐欺師?

こんなに長い間続けていると、止めるのは勿体無いし、じゃあ後何年やったらモノに
なるかと聞かれても確答できず。でも、日本語は話せるようになると面白い言語。本
心から覚えて欲しいと思う。でも、週1回1時間半の日本語のクラスで、しかも話す
相手の日本人が私一人という状況では、上達も頭打ち。それを何とか打破できない力
不足もあり、責任を感じるばかり・・・。

おまけの話: アミーゴスの仕事

長年続けてきた仕事がひとつ、ふたつとなくなって寂しいと思いきや、首になって喜
んでもいるのです。どんどん怠けぐせがつき、ネコのタマと一緒にうちでゴロゴロと
いうのが現在の最大の趣味PASA TIEMPO。出不精になって、タマのように、人見知り
も激しくなり、内向的で、消極的、引きこもりの生活が性に合うようになりました。

しかしながら、そうばかりも言ってはいられません。アミーゴス・デ・ラ・ムジカの
ワトソン会長が突然亡くなったのは、先月号でお伝えしたとおりですが、音楽の会は、
会長が生前、みごとに今季の一年分のコンサートを手配し、スケジュールが決まって
いるおかげで、前進あるのみ。特に、9月末の開幕コンサートから10月末の第1回
コンサートまでに、なんと4つもコンサートがあるから、考え込んでいる暇はない。

ワトソン会長一人分の役割を果たすのは、今後はMESA DIRECTIVAという役員会で、
約5名ほどの、社会的に地位もあり、影響力のある人々で構成されているらしい。ら
しいと言うのは、コンサート・シーズンが始まってしまったので、なかなか役員会を
開く時間がなく、実体は今のところ不明。また、この人達はそれぞれ忙しく、使い走
りをしていただくわけには行きませんから、現実に手足となって働く人達VOCALが必
要で、中心となるワトソン夫人の息子のニコラスを助けて、何人かがボランティアで
働くことが決まっています。

広報、渉外、営業、経理などの仕事がありますが、なぜか、私に経理担当の仕事が回
ってきました。まだシーズンが始まったばかり、これから会議などを経て、どのよう
な人選になるか不明ですが、暫定人事ということで、経理TESORERAとなったのです。
経理は勿論お金を扱います。お金を扱う仕事というのは金儲けをしようという人以外
は決してやりたがらない仕事です。私のように、数字に弱い、計算は間違う、勘定が
出来ないという3拍子揃った人が経理をするのは、全くマトハズレな人事です。

しかし、日本でも芸能人などが商売を始めると、金を持ち逃げしてしまう経理担当者
がいるように、メキシコも生き馬の目を抜く社会。油断大敵(実際にアミーゴスでも、
やられた経験がある!)。日本人は(誰でも)几帳面で正直という思い込みもあって、
経理を引き受けることに・・・。公認会計士が最終的な収支決算や税金の心配をして
くれるので、その点は安心です。最近は、ほとんど運転もしなくなっていたのに、今
は、頻繁に、ニコラスの家に、銀行に、会計士の事務所にと、車を運転して駆け巡る
日々。来月からは月一回のコンサートになるので、ペースも落ちつくでしょう。

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バックナンバー
#1 「運転しよう」から:何でもありのメキシコ式運転
#2 「猫」から:猫の獲物はどうする?
#3 「免許証」から:ここでは買うんです
#4 「仕事をしよう」から:押し掛け助手は大活躍
#5 「仕事をしよう」から:コンサート後のご馳走
#6 「仕事をしよう」から:黒沼邸でのミニコンサート
#7 「スペイン語」から:無口な日本人
#8 「免許証から」から:車の所有税
#9 「クエルナバカ」から:蜂鳥
#10 「猫 パートII」から:捨て猫アナスタシア
#11 「猫穴」から:アメリカ・ドライブ・転々旅行
#12 「女性」から:老化現象と更年期障害
#13 猪俣猛作曲「クエルナバカの碧い空」
#14 日本へ一時帰国しました/その他
#15 運転したら事故はつきもの
#16 私たちの夏休み日記
#17 最近の感動:みんな生きている!
#18 ホームページ1周年記念
#19 仕事人「かり」
#20「葛飾諏訪太鼓」の日々
#21 クエルナバカから謹賀新年
#22 薬の話
#23 社交サロンの話
#24 夏時間、ク日比較アンケート
#25 母は強し
#26 我が家のガーデニング
#27 選挙裏話と日ク比較
#28 国際ピアノ・コンクール
#29黒沼ユリ子さん邸CASA DE VIOLIN増築祝い−ペット・ロス症候群
#30 2周年記念・シドニーオリンピック・おまけ「スキャンダル」
#31 我が家に棲みつく魑魅魍魎、おまけの話「無料電話」
#32 私達のSEXENIO、おまけの話「歌のクラス」
#33「CREA」取材のコーディネータ初仕事、おまけの話
#34「日本週間」、おまけの話「コーディネータ、プロ宣言」
#35 ニューヨークの白い空、おまけの話「夏時間」
#36 巣立ちの夏 、おまけの話「民宿 かず」
#37悲しい話、おまけ:雑誌TITLE
#38健康に自信がありますか?;おまけの話:TELECABLE INTERNET
#39  コンサート・デビュー;おまけの話:テレビ番組の取材
#40  夏休み病気特集第二弾;おまけの話:テレビ番組の放送日程
#41  我が家の独立記念日、おまけの話:アメリカ・テロ事件
#42  続編:独立記念日、おまけの話:テロ事件のメキシコの反応
#43  犬を買いませんか? おまけの話:イダルゴ州の温泉
#44  日本メキシコ学院リセオで講演;おまけの話:2001年総括
#45  謹賀新年、 おまけの話:子供達の里帰り
#46  ベラクルス珍道中: おまけの話: 月刊誌NOVARK 
#47  女性についての考察: おまけの話:日本一時帰国のお知らせ
#48  一時帰国報告: おまけの話: JAL悟空格安チケット
#49  「清流」とサッカーの話: おまけの話: かずの写真館
#50  7年半目の情緒不安定: おまけの話: 癒しのピアノ館
#51  ホーム・コンサート決行;おまけの話:帰ってきた子供達
#52  老人ホーム慰問コンサート; おまけの話:パパ訪問
#53  タマがうちにやって来た。おまけの話:慰問コンサート
#54  私の公園デビュー、おまけの話: キャデラック売ります。
#55  売れた! おまけの話:今年一番長い夜
#56  タイ旅行報告、おまけの話:クリスマス・コンサート
#57  NY息子救出作戦、おまけの話: レコーディングとラジオ番組
#58  タマ、おまけの話:ラジオ番組
#59  薬害?それともアレルギー、おまけの話:メキシコの苦悩
#60  最近読んだ2冊の本と戦争、おまけの話:リコーダー
#61  気になる最新ニュース、おまけの話:最後のミサ
#62  メキシコに住むということ、おまけの話: 日曜日も有料に!
#63  200歳、200歳 2SIGLOS おまけの話: コンサート
#64  夏休み雑感、 おまけの話: 稼ぐ!
#65  繁子さんの死、 おまけの話: 扶養家族

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