-呑気家族のメキシコ移住計画-
出版:近代文芸社
石田 かり・著
                         「クエルナバカの碧い空」第67号
#6 本の続編 − 私はクエルナバカ、おまけの話:かずさんは日本
かずさんが2週間、日本へ行っていました。かずさんも嬉しいでしょうが、残る私も
久々の独身生活にワクワクドキドキ。「したいことリスト」を作ろうと張り切りまし
た。その結果は? 

10月21日(火) 夜明け前、かずさんをクエルナバカのバス・ターミナルまで送
ってバイバイ。再び寝て7時に起床。独身生活の始まりはじまり。アミーゴスの仕事
で銀行に行ったり、ピアノの合鍵を作っているので取りに行ったり、まずは雑用を済
ませる。考えをまとまるため、夕方一人で一時間の散歩。

22日(水) かずさんから到着を知らせるメールが入るはず。電話もあるかもと待
てども来ず。午後、娘が、「日本大使館に出す不動産物件の案内の手紙を日本語に訳
して」と知人に頼まれたので持って来る。大使館は不動産屋じゃないから無駄だと思
うけれど、二人で日本語の手紙を作る。メキシコ人はこういうところはちょっと図々
しくて礼も言ってこない。次回からは、翻訳料について最初から交渉するように娘に
言っておく。ま、手紙一枚くらいは無料でいいのだけれど、こういとき、日本人なら
ちょっとした品でも持って礼に来るものだ。「まあ、そんな心配はいらないのに!」
などと言いつつ、礼を言われれば嬉しいもの。これってどっぷり日本人的な考え方?

日本が朝になるのを待って、娘がかずさんのいる東京の兄さんの家に電話をする。か
ずさん曰く「昨夜、メールを二回も送ったよ」。日本で甥からPCの中古を譲り受け
たので、到着直後にhotmailのアドレスで送信したそうだ。届いていないと分かって、
甥のアドレスでもメールを送ってくる。なんと昨夜送ったはずのhotmailと、甥のア
ドレスからのメールと同時に到着。その後も何回かやりとりしたけれど、hotmailは
届かないこともあり、届いてもすごく時間がかかることが判明。急用には使えない。

23日(木) アミーゴスの仕事でニコラスの家に行く。銀行口座の新パスワードが
出来たと連絡あり。パスワードがないと税金が払えず、期限が過ぎているので急がな
くてはならないから、セントロのBANAMEX本店まで行く。若い担当者が、パスワード
を使ったネット・バンキングの操作を1時間もかけて講義してくれる。ただパスワー
ドを受け取るだけと思っていたのに頭が混乱。銀行の担当者から会計士に電話で直接
説明してもらい、やっと税金が支払えることになり、メデタシ、メデタシ。帰途、画
家のカルメンに出会う。新しいギャラリーを開くそうで、連行されて、絵を見せられ
る。私の絵も持って来いと言うが、私はボルダ庭園の展示だけで十分なのだ。

24日(金) 8時25分に家を出て車でマエストロの家へ。歌のレッスン。テレと
二人。ベルタは結膜炎で来れない。南部の州で大流行の結膜炎を娘婿が出張で持ち帰
り、感染した上、薬にアレルギー反応を起こして喉までやられ、歌どころではないら
しい。結膜炎は、ひそかにクエルナバカでも感染者が出ているらしく、娘の同級生の
中にも何人かいると。たとえ友人でも遠ざかっていたほうがいい。

日曜日のコンサートのプログラムを取りに印刷屋に行く。まだできてない。あさって
のことだし、土曜日は休みだし、こりゃ大変。スッタモンダの末、残業してもらい何
とか間に合わせる。夕方、5時からセントロでコーラスの練習。多忙の一日。

25日(土) 友人の誕生日パーティに呼ばれているけれど億劫なので外出は中止。
一日中タマと一緒。買いおきのJOHN IRVINGの本を読み始める。と思ったら、JOHNは
JOHNでもJOHN UPDIKEだった。なんたる勘違い。今IRVINGに凝っているのだが、読み
始めたらUPDIKEもいい。BRAZILという題で、男(黒人)女(白人)の逃避行なのだが、
荒唐無稽というか、深層心理というか、途中、呪術によって黒、白が入れ替わったり、
目が離せず一挙に5日間で読了。夜はフロリダ・マーリンズがNYヤンキースを下し
優勝する試合をテレビ観戦。満足の一日。

26日(日) 早目にアシエンダ・デ・コルテスに行く。12時半からコンサート。
コンサートが続いたせいか、客足は伸びず。売り上げも少し。帰宅後、庭で隣人たち
とおしゃべり。

27日(月) コンサートの売り上げを銀行に入金。ニコラスの家に行くと、昨日の
音楽家の代理人が来て、ギャラを請求される。途方もない金額。アミーゴスの口座が
ほとんど空になる。むなしいし心配。

28日(火) 午前中は、銀行に行ったり、電話代の支払いに行ったり。午後は、久
々に、友人に長い長い手紙を書く。

29日(水) 午後3時から久々の日本語クラス。ディアナは忙しく、ルス・マリア
だけ。高校の日本展示会のために日本の観光パンフレットを貸す。あとで、展示は良
い出来で10点満点だったと教えてくれた。夜、民宿の客到着。ポソレを食べる。

30日(木) お客さんをスペイン語学校に案内。昼はおごってもらって外食。一緒
にスーパーで買い物。お客さんとおしゃべりしながら運転したら、接触事故をおこし
そうになって怒られる。夜は女二人でおおいにおしゃべり。

31日(金) 朝、マエストロの家でレッスン。お客さんは延泊、家でゆっくり留守
番をしてくれる。マエストロから、「高い声が出るようになったから、ソプラノに転
向したら?」と嬉しい言葉。でも、まだ鶏の首を絞めたような声なので、少し猶予を
乞う。夕方5時からセントロでコーラスの練習。ソプラノの歌PANIS ANGELICUSを試
験と称してみんなの前で独唱させられる。緊張して足の先から楽譜の先まで震える。

11月1日(土) 民宿のお客さんをホームステイ先に送り届ける。この日、会って
おしゃべりするはずだった観光局のロクサーナが、「セントロに死者の日のオフレン
ダ(お供え)を作っている」から忙しくて会えないとの電話あり。せっかくなのにキ
ャンセル。でも仕事では仕方がない。その代わり、夕方、そのオフレンダを見に行こ
うと思ったら季節外れの雨で外出は中止。隣人のカルロスが、「死者の日のタマーレ
スを作るから、夜一緒に食べよう」と言うので、夕食の支度をせずに済んでラッキー
と、お腹を空かせて待っていたら、約束の8時に一寸先も闇の豪雨。これまた中止の
連絡あり。メスカルを飲みながら残り物を食べて寝る。

2日(日) バスでセントロへ。ソカロにオフレンダを見に寄るも、建物がまだ開い
ていない。12時からコーラスの練習。1時からカテドラルのミサ。2時からボルダ
庭園で絵や写真を売る。売れず。おしゃべりしながら5時までねばって帰宅。

3日(月) 電気代支い。買い物にも行く。あとは家で仕事。JAL便一時間遅れで
到着。夜10時、40キロ以上に膨れたスーツケースを抱えて、かずさん無事帰宅。
一人暮らしはおしまい。感想: いつもと同じ生活だった。

おまけの話:かずさんは日本

去年の5月以来の日本。今回は、西東京市の兄の家と、新潟の岩室村間瀬(生れ故郷)
と、かりの国立市の実家と、3箇所を滞在して、毎晩酒びたりの嬉しい2週間でした。
岩室村間瀬は、天気が良いときには、海の向こうに能登半島や佐渡が見える漁村です。
間瀬漁港 佐渡弥彦国定公園(かすかに能登半島が見える) 日本海の夕日(日没開始の瞬間)
(クリックで拡大)
一番の目的は、去年40代の若さで急逝した親戚の一周忌の法事に参加すること。
子供たちの今は亡き母の弟(つまり叔父さん)で、おばあさんが一人残されたので、
慰めるのも目的のひとつ。子供たちは、夏休みにはおばあさんの家で世話になるの
で、まだまだ元気でいてもらわなくてはいけません。

岩室温泉の高齢者マンションにいる93歳の母にも会いました。このホーム、入居費
が割と安いのに、広々とした個室で贅沢なつくり。もちろん、温泉大浴場もあって、
食事もおいしく、友達もいて、手芸をしたり、母は優雅な生活をエンジョイしていま
した。
実家より住み心地いいとご満悦
(クリックで拡大)
東京では、松戸のピアノの先生のレッスンを受け、ペダルの使い方や、今練習中の
「愛の夢」を聞いてもらいました。ペダルの使い方、リズムの取り方など、目から
ウロコの指摘もあり、時々は、クエルナバカでも先生の師事を仰いだほうがいいと
いう結論がでました。

会社に勤めていた頃の同僚がお茶会を手配してくれました。もう10数年ぶりの再会
の人もいて、全員、久々の顔ぶれに話が弾み大満足。こういう機会がないと、日本に
いる人たちも、意外と会うことがないものです。またの日を楽しみにしています。
懐かしい昔の同僚と思い出話をいっぱいしました ↓中央が かず です
(クリックで拡大)
新しい電子ピアノを買いたかったけれど、高いという理由で、かりの反対にあい断念。
その代わり、甥の超高速パソコンを安く(叔父の立場を利用して)買い受けました。
また、すごいズームの望遠レンズを(相談なしで)買いました。写真が売れるように
なって、職業意識に目覚めたのです。買い物といえば、44キロのスーツケースの中
には、お土産のお餅や乾麺、タマへのお土産のおもちゃがいっぱい。手荷物には日本
酒が2本。これで正月用品は揃いました。
望遠レンズで二階から庭のバラを試し撮り(NASHICA 1000mm望遠ズーム 38,000円)
(クリックで拡大)
久々の日本の感想: 分煙が進んで不快なことが少なかった。茶髪は言われていたほ
どではなかったが、女子生徒のスカートが短いのにはビックリして目のやり場なし。
いずれにしても、おいしいものを食べ、酒をくらい(東京からメキシコへ電話したの
に、酔っていて覚えていない!)、熱い風呂に入って、毎日が極楽。かりとタマを捨
てて、このまま日本に居残ろうかなぁという考えもチラリ。もっとも、あと2、3日
もいれば、みんなの顔が迷惑顔になるのは、目に見えているからやっぱり帰ってきま
した。だだいま〜〜。

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バックナンバー
#1 「運転しよう」から:何でもありのメキシコ式運転
#2 「猫」から:猫の獲物はどうする?
#3 「免許証」から:ここでは買うんです
#4 「仕事をしよう」から:押し掛け助手は大活躍
#5 「仕事をしよう」から:コンサート後のご馳走
#6 「仕事をしよう」から:黒沼邸でのミニコンサート
#7 「スペイン語」から:無口な日本人
#8 「免許証から」から:車の所有税
#9 「クエルナバカ」から:蜂鳥
#10 「猫 パートII」から:捨て猫アナスタシア
#11 「猫穴」から:アメリカ・ドライブ・転々旅行
#12 「女性」から:老化現象と更年期障害
#13 猪俣猛作曲「クエルナバカの碧い空」
#14 日本へ一時帰国しました/その他
#15 運転したら事故はつきもの
#16 私たちの夏休み日記
#17 最近の感動:みんな生きている!
#18 ホームページ1周年記念
#19 仕事人「かり」
#20「葛飾諏訪太鼓」の日々
#21 クエルナバカから謹賀新年
#22 薬の話
#23 社交サロンの話
#24 夏時間、ク日比較アンケート
#25 母は強し
#26 我が家のガーデニング
#27 選挙裏話と日ク比較
#28 国際ピアノ・コンクール
#29黒沼ユリ子さん邸CASA DE VIOLIN増築祝い−ペット・ロス症候群
#30 2周年記念・シドニーオリンピック・おまけ「スキャンダル」
#31 我が家に棲みつく魑魅魍魎、おまけの話「無料電話」
#32 私達のSEXENIO、おまけの話「歌のクラス」
#33「CREA」取材のコーディネータ初仕事、おまけの話
#34「日本週間」、おまけの話「コーディネータ、プロ宣言」
#35 ニューヨークの白い空、おまけの話「夏時間」
#36 巣立ちの夏 、おまけの話「民宿 かず」
#37悲しい話、おまけ:雑誌TITLE
#38健康に自信がありますか?;おまけの話:TELECABLE INTERNET
#39  コンサート・デビュー;おまけの話:テレビ番組の取材
#40  夏休み病気特集第二弾;おまけの話:テレビ番組の放送日程
#41  我が家の独立記念日、おまけの話:アメリカ・テロ事件
#42  続編:独立記念日、おまけの話:テロ事件のメキシコの反応
#43  犬を買いませんか? おまけの話:イダルゴ州の温泉
#44  日本メキシコ学院リセオで講演;おまけの話:2001年総括
#45  謹賀新年、 おまけの話:子供達の里帰り
#46  ベラクルス珍道中: おまけの話: 月刊誌NOVARK 
#47  女性についての考察: おまけの話:日本一時帰国のお知らせ
#48  一時帰国報告: おまけの話: JAL悟空格安チケット
#49  「清流」とサッカーの話: おまけの話: かずの写真館
#50  7年半目の情緒不安定: おまけの話: 癒しのピアノ館
#51  ホーム・コンサート決行;おまけの話:帰ってきた子供達
#52  老人ホーム慰問コンサート; おまけの話:パパ訪問
#53  タマがうちにやって来た。おまけの話:慰問コンサート
#54  私の公園デビュー、おまけの話: キャデラック売ります。
#55  売れた! おまけの話:今年一番長い夜
#56  タイ旅行報告、おまけの話:クリスマス・コンサート
#57  NY息子救出作戦、おまけの話: レコーディングとラジオ番組
#58  タマ、おまけの話:ラジオ番組
#59  薬害?それともアレルギー、おまけの話:メキシコの苦悩
#60  最近読んだ2冊の本と戦争、おまけの話:リコーダー
#61  気になる最新ニュース、おまけの話:最後のミサ
#62  メキシコに住むということ、おまけの話: 日曜日も有料に!
#63  200歳、200歳 2SIGLOS おまけの話: コンサート
#64  夏休み雑感、 おまけの話: 稼ぐ!
#65  繁子さんの死、 おまけの話: 扶養家族
#66  人生の節目5周年、 おまけの話: アミーゴスの仕事

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