「クエルナバカの碧い空」第76号
#4 トピックス − ところ変われば… − 第二弾
第71号で、メキシコと日本の文化習慣の違いを列挙したら、好評だった(「面白か
ったです」という感想メールがひとつでもあったら好評とみなします)ので、いつも
気を付けて第二弾の話題を探していたら、また集まりましたので、紹介します。

まず、前回のHPを読んで、HP愛読者の博子さんが、こんな違いも経験したと思い
出したと、二つ例を挙げて教えてくれました。博子さんは、以前、数年間、ご主人の
お仕事の関係でクエルナバカに滞在した事があり、その頃からのお友達です。

『メヒコへ行ってすぐ、会社の人を家に招きました。まだこちらの事がわからずに
「お昼食にどうぞ」と言ったのですが。先方は「夕食にお願い致します」との事。そ
れで、私は日本式にどっさりご馳走をつくったのでした。相手の方は、お昼は大変だ
ろうから、夜に…と思ったようで「夜にコンナニ食べるのですか?」と、ビックリし
ていました。』

『それから、車に盗難防止の装置が日本には殆ど無いですね。時々装置の解除を忘れ
て乗ってしまい、その音に慌てていました。』

博子さん、ありがとうございました。では、引き続き、車と運転関係から…。

車の運転関係: 博子さんがおっしゃるように、車の盗難が極めて多いメキシコでは、
アラーム装置が発達しています。我が家も以前、取り付けけたののですが、木の葉が
落ちても反応してしまう敏感さなので、夜中に鳴ったりうるさいのではずしてしまい
ました。第一、路上で誰も手を出していなくてもアラームが鳴ってしまうので、アラ
ームの音に驚かなくなってしまって効果が薄いのです。そのせいか、最近、あまりあ
の音を聞かなくなりました。性能が上がったのか、装置が売れなくなったか。

その代わり、路上駐車せざるを得ない時には、盗難よけのつっかい棒BASTONをして、
ハンドルが動かないようにしています。日本では見たことがないのですが、どうでし
ょうか?
盗難防止用ハンドルロック
(クリックで拡大)
もっとも、メキシコでは車を盗めないときには、アンテナ、ホイールキャップ、車の
マークなど、外側についているものなら何でも盗んで行くので、狙われたら防ぎよう
が無いかも…。我が家の車の場合は、緊張感に欠ける私が、よく窓を閉め忘れたり、
ドア・ロックを忘れたりするのですが、今のところ、誰も興味がないようで、無事で
す。「気に入ったから、この車を売って下さい」と裏書した名刺がワイパーに挟まれ
ていたことは2度あり。

みなが自己流の運転をしているせいか、運転マナーが統一されていないように思いま
す。道路交通法規の本が売られていますが、誰か読んでいるのでしょうか。
モレーロス州の交通法規の本
(クリックで拡大)
日本では、交差点や道路の曲がり角から5メートル以内は駐車禁止という条例があっ
たと思いますが、ここでは角地に駐車する人が多い。角が丸くなっているとスペース
があると考えるのか、わざわざ角地を選んで駐車しているようにも見える。曲がると
きに視界を遮られて、曲がりにくいのですが…。

縦列駐車の小さなスペースに車を割り込ませるのが上手な人でも、駐車場にバックで
車を入れる人は少ない。それどころか、道をふさぐように駐車場のドアに垂直に車を
止めて、車を降りて、ドアを開け、やおら車に戻って、車庫入れをする人が多い。道
が狭いと、通りかかる車は、車庫入れが終わるまで待たされることもある。

日本では18歳以上にならないと運転免許取得資格がないと思いますが、メキシコで
は、親の許可があると16歳から免許が取れます。ですから、高校生が車で通学とい
うのは珍しくありません。しかも無免許も多い。友人は17才ですが、無免許で運転
しています。ご両親は私立大学を経営する理事長と学長なんですが…。

この日何の日?: 欧米から来た習慣で、日本でも13日の金曜日が不吉な日とされ
ています。キリスト教から来ている習慣だと思うのですが、ところが、カトリックの
国、メキシコ(とラテン・アメリカ諸国)では、「13日の火曜日」が不吉な日DIA
DE MALA SUERTEとされています。この日には、“ni te embarques, ni te cases" 
(旅立つな、結婚するな)と言う諺があり、"ni de tu casa te apartes" (家から
出るな)と付け加える人もいて、何か事を起こすには最悪の日です。

タロット占いのカードから来ているという説があり、またマヤ民族では古くから、
13を不吉な数としていたとも言われています。しかし、実際には、古くから言われ
ていると言うだけで、「13日の火曜日」の由来ははっきりしていません。日本では
13日が金曜日でもあまりニュースにはなりませんが、今年、火曜日だった4月13
日には、テレビのニュース番組で、空港の出発ロビーで搭乗を待つ旅人に、「13日
の火曜日ですけど、旅立つのは怖くないですか?」なんてインタビューしていました。
既に切符を持って空港に来ている人は、そんな事を気にしていない人ばかりですし、
「この日は却って縁起が良いのだ」と主張する人もいました。また、「7日の火曜日」
を不吉な日とする国もあるそうです。あなたの国ではいかがですか?

13という数字自体が不吉というのは日本も同じかもしれませんが、メキシコでは、
ホテルや病室などに13階や13号室が無いところもあるそうです。

エイプリル・フールAPRIL FOOL馬鹿の日は4月1日で、これも欧米から来た習慣
ですが、メキシコでは、12月28日を「幼子殉教の日」DIA DE LOS SANTOS 
INOCENTESと言って、家族や友達の間でウソをついたり、だましても良い日となって
います。

これは、12月25日にキリストが誕生し、その人気を妬んだヘロデ王が、28日に
ベツレヘムの2才以下の全ての男児を虐殺するよう部下に命じた事に由来しています。
非常に残酷な出来事が元になっているのですが、しかし、ヘロデ王の部下がキリスト
を逃がしたのに、ヘロデ王が、長い間、キリストが殺されたものと騙されていたこと
から、「騙しても良い日」ということになったらしいです。

この日は、メキシコでは、特に「借りた物(金)を返さなくても良い日」だそうです。
4月1日のエイプリル・フールには、冗談のきついイギリスでは大きな社会的なウソ
がニュースになりますが、メキシコではそれほど話題になっていないような気がしま
す。それもそのはず、この日に限らず、借りたものを返す人は、ここにはあまりいな
いから…。

銀行編: 日本では、銀行振り込みをすると、誰がいくら振込んだか分かるようにな
っていて、通帳にも明記されますが、メキシコで人の銀行口座に振り込む場合、振り
替え用紙に記入するのは、振込先の口座番号とその名義人の名前だけ、こちらの名前
を書く場所がありません。ですから、送金の手続きが完了した事は、振込み人がその
証書をコピーして、自分の名前を書いてファックスしなければなりません。二重手間
です。だいたい通帳というものが無く、毎月、出入金証明書ESTADO DE CUENTAが送
られて来ます。

虫刺され: 私はキンカンが好きです。あのジンとしみる痛さは快感です。日本には、
薬局に虫刺されコーナーがあるほど、いろんな種類のかゆみ止めがありますが、メキ
シコでは私が見たところ、虫除け一種AUTANと、かゆみ止め一種CALADRYL'Sがある
だけ。場所によっては、虫除けにシャンプーを使うところもあります。夕方、庭にい
ると蚊や木につく虫などに刺されますが、メキシコ人はあまり痒がりません。少なく
とも、そのときは痒くても、尾を引かないようです。
メキシコ製虫刺され対策薬
(クリックで拡大)
国歌、国旗: 日本は卒業シーズンになると、国歌斉唱や国旗掲揚が話題になります
ね。メキシコでは、国歌を歌うことや国旗を掲揚することに疑問を持っている人は皆
無です。国歌は難しい言葉が多く、メキシコ人でも意味が分からないことがあります
が、子供でもみな歌えます。いずれも、メキシコ人の誇りです。

最後に、生死について: メキシコでは、土葬と火葬があり、宗教によって選ぶこと
ができます。火葬の場合は、日本のように親族の人が骨を箸で拾って骨壷に入れるこ
とはありません。メキシコでは、遺体は本当に灰になるまで長時間かけて焼くので、
箸では拾えません。また、墓を作らず、自分の家の庭の木の下などに埋めても死体遺
棄にはならないようです。

明川哲也の「メキシコ人はなぜハゲないし、死なないのか」(晶文社刊-2900円)と
いう本を知っていますか?この作者は別名ドリアン助川というらしいのですが、日本
では有名なのでしょうか?私は知らなくて、本も未だ読んでいませんが、タイトルか
ら、ちょっと興味ありです。これは、タカハシという44歳の男性が自殺しようとし
たとき、言葉を話すネズミに説得されて、世界一自殺率の低いメキシコに行く…と言
う長編小説だそうです。
明川哲也の「メキシコ人はなぜハゲないし、死なないのか」
(クリックで拡大)
ハゲに関しては統計もないし分かりません。でも、知人で薄毛の人はたくさんいます
が、ハゲても悩まないのか、あまり深刻ではないし、話題にもなりません。しかし、
メキシコで自殺が少ないのは確かで、数ヶ月前、同じ名門大学の卒業生だった二人の
若者が、その大学を出ても、希望の就職が出来なかったと言う理由で相次いで自殺し
た時には、大きなニュースになっていました。日本では、中年男性の自殺が多いです
が、この小説のタカハシのように、死ぬ前にメキシコに来て見てはいかがでしょうか?

最近、聞いた話では、メキシコ人と日本人が結婚して、日本に住むと、メキシコ人が
ノイローゼや病気なったりするけれど、メキシコに住むと、日本人でも、たとえ仕事
がなくても、楽天的に過ごせるようです。私達が良い見本です。


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バックナンバー
#2 メキシコの住宅事情
#3 警官への賄賂
#4 音楽友の会 10周年コンサート裏話
#5 ノーチェ ブエナ物語
#5 クリスマス行事
#6 年末年始の休みとグアダラハラ家族旅行
#6 トレス レイエス
#7 ビザの種類と更新
#8 モナルカ蝶の聖域ツアー
#9 ガールスカウト奈良支部
#10 チャイコフスキーのバレー「白鳥の湖」
#11 メキシコ縦断アメリカ転々旅行
#12 メキシコの飲み物
#13 テキーラ
#14 花が咲いて実がなった(街で見る果物)
#15 アステカ・カレンダリオの謎
#16 2000年・年越し祭り
#17 9月16日 独立記念日
#18 特別ゲスト、中村さつきさん
#19 DIA DE MUERTOS 死者の日
#20 葛飾諏訪太鼓メキシコ滞在記 (リーダー水澤啓一 記)
#21クエルナバカの年末年始
#22 メキシコ病院事情
#23 今も懐かし、街頭の物売りたち
#24 養老院YALENTAY慰問コンサート
#25 メキシコの温泉も気持ちいい(*^o^*)
#26 ノパール NOPALで健康に!
#27 メキシコの選挙
#28 ロマンチック・アシエンダ(荘園)街道巡りの散策
#29メキシコ、愛国心のしるし
#30メキシコの結婚式 − 二つの体験談
#31メキシコ原産トウモロコシ MAIZ の秘密
#32 6年に一度の大統領就任式
#33 メキシコのピニャータ
#34 火山ポポカテペトルと山麓の世界遺産−修道院群
#35 MARCHA ZAPATISTA サパティスタの行進
#36 メキシコの飲み物 第二弾 − メキシコの伝統的な飲み物
#37メキシコの飲み物 第3弾 − メキシコのアルコール飲料
#38 QUINCENERA -XV歳の社交界デビュー・フィエスタ
#39 メキシコのお金
#40「民宿かず」お客さま第一号記念
#41 メキシコの祝祭日・記念日
#42メキシコ・シティから独立記念日の実況中継
#43 RUTA DE ZAPATA 革命児サパタを辿る道
#44メキシコのクリスマスと「NACIMIENTO」飾り
#45メキシコの伝統菓子
#46メキシコの宝くじLOTERIA
#47藤枝先生のメキシコ体験談
#48ラス・エスタカス物語HISTORIA DE LAS ESTACAS
#49メヒカン・フルーツの全て(第一部)
#50メキシコのルチャ・リブレ−高橋千歳さんの特別報告
#51  PAPA JUAN PABLO II メキシコ来訪メモ
#52 メキシコ・シティの地下鉄 METRO EN MEXICO
#53  TEMAZCALの謎
#54  メキシコ原産の野菜たち
#55  唐辛子CHILE
#56  命の木 EL ARBOL DE LA VIDA
#57  伝統玩具JUGUETES TRADICIONALES 
#58  太陽の味フルーツ盛り合わせ
#59  グループ・ストウ クエルナバカ・コンサート顛末記
#60  聖週間SEMANA SANTAの研究
#61  不満だらけメキシコの雑誌
#62  メキシコで働きたいですか?
#63  ファースト・レディPRIMERA DAMA 
#64  広い範囲で薬MEDICAMENTOS 
#65  野球BEISBOLはどうなってる?
#66  名前に関する考察
#67  メキシコの治安
#68  まちゃのメキシコ体験記
#69  2003年メキシコ十大ニュース
#70  パンも美味しい
#71  ところ変れば…
#72  チワワ鉄道旅行記
#73  渡邊氏のハチドリ子育記
#74  宇野氏の「トラコテの水」報告書
#75  メキシコ移住−小木曽氏の場合

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