
![]() -呑気家族のメキシコ移住計画- |
出版:近代文芸社 石田 かり・著 |
「クエルナバカの碧い空」第78 #6 本の続編 − 引きずって・・・、おまけの話: 気を付けよう日本から帰って一ヶ月以上。40日間の日本滞在をまだ引きずっています。と言うわ けで、帰国後しばらくはスペイン語を話す気にもならず、自閉症状態でした。 まず日本から引きずって持って来たものの最大級はピアノ。かずさんは今までよりも 更に夢中になって毎日ピアノ三昧。一日に4時間も部屋に閉じこもって弾く日が続い て、ついに10月2日には久々の老人ホーム・コンサートを実施しました。ついでに 言うと、今回のコンサートはとてもユニーク。ホームに詩人の娘さんがいて、彼女は、 かずさんのピアノの合間にお父さんの詩の朗読をするのです。それも朗々とした声で、 身振り手振りであまりに堂々としているので、かずさんも次の曲を弾かず、彼女の朗 読が終わるまで待ちます。 ちょっとボケかけているのか、ピアノが終わるたびに毎回同じ詩で、他の住人たちも 何度も聞いているせいか、一緒に朗読するお年寄りもいます。私も一部、覚えてしま いました。でも、ピアノの演奏と詩の朗読。素敵ではありませんか!ホームの管理人 のおばあさん(彼女もすごく年寄りでした)が、「かりさんが歌う日本の歌は柔らか いメロディーで、メキシコ人の詩はとても力強く、とっても対照的ね」とコメントし ました。はからずして楽しくプログラムされた全員参加のコンサートでした。 新しいピアノを持っての慰問コンサート さて、私が持ってきたものの最大のものはクロスワーズ・パズル。それも漢字ナンク ロと言って、日本では毎週この手の雑誌がたくさん出ていて、母や姉が頭の体操とし て暇のあるときにやっているのですが、暇がたくさんある私はこれに夢中。始めると 時間があまりに早く過ぎ去るので、時間限定でやろうと思うのに、つい夢中に。 似つかわしくないのだけれど刺繍というものも始めました。日本から買ってきたクロ ス・スティッチの本を見ながら、近くの手芸店で買った糸を使って花束などの刺繍を するのだけれど、これはボルダ庭園で売るため。刺繍も、夢中になって針を点々と進 めてゆくと、もう一針、もう一針と、あっと言う間に時間が過ぎてゆく。 でもよく考えたら、メキシコ人も手芸が好きな人が多く、クロス刺繍PUNTO DE CRUZ も、わざわざ日本から買ってこなくてもメキシコにも本もあるし、材料も揃っている。 ボルダ庭園で売ると言っても、メキシコ人もするものを買うだろうか?と思っていた ら、半月でみっつ作ったうちの一番の大作が、10月になってボルダ庭園に行くと、 早々と売れました。値切られて、思っていた値段よりもずっと安かったけれど・・・。 これは小品です。一番の大作は写真撮る間もなく売れてしまいました。 本もある。本は人からもらったものばかり(下さった方、ありがとうございます)。 自分では日本語の本は切りが無いので買わないようにしているけれど、手元にたくさ んあって、読みきれないほど。そのうち一番最初に読み始めたのが英語の本。ご存知、 HILARY CLINTONの「LIVING STORY」で、姉がくれた本です。これが面白い。夫のビ ル・クリントンとの恋愛時代、ホワイト・ハウスでの慣れない日々、娘のチェルシー の教育、後の夫の不倫スキャンダル、勿論政治の話も含めて、彼女らしい爽やかな弁 舌で書かれている。今度は、夫のクリントンが書いた本も読んで見ようかな。 こうして朝のラジオ体操に始まる一日があっという間に過ぎ去る。家の中にいるから、 日本もメキシコも関係無し。英語の本を読んでいると、面倒なスペイン語で隣人たち と話したいとも思わない。クロス・ワーズ・パズルも、刺繍も、読書も、一日2時間 と決めているけど、それだけでも合わせて6時間。その間に歌の練習をしたり、絵も 描いたり・・・。そうそう忘れていけない、タマとも遊ばなければならないから、あ っという間に一日が過ぎる。買い物や散歩にでかける以外は、夫婦二人で自閉症おじ おばとなって暮らすうち、静かで穏やかな9月が終わってしまったのでした。 つまり9月は歌の練習にも行かず、ボルダ庭園にも売るものがまだ無いという理由を かこつけて行かず、隣人たちにもなるべく会わないようにして、閉じこもっていたの です。ところが、この静かな生活を乱す人たちがいます。 私たちが住むコンドミニオは12軒長屋ですが、ここに住んでもう10年になろうと しています。最初のころは、常時住んでいる家は半分以下の4、5軒のみで、静かな 毎日だったのです。それが、徐々に増え、私が日本に行く直前に二家族が引っ越して きて、俄然、賑やかになりました。 二軒の新家族はどちらも子供が二人の4人家族。全員が泳ぐのが異様に好き。雨季が なかなか終わらないのに、曇りの肌寒い日も、雨が降っていても、夜遅くであっても、 毎日のように泳ぐ。しかも、泳ぎが好きな割には、バシャバシャと水音高く、絶対ス ピードが出ない泳ぎ方。深夜の静けさを突き破る騒音です。早速、誰かが文句を言っ たらしく、夜10時以降は泳がない、庭で遊ばないと言う規則書を作って手渡したけ れど、以前の静けさはもう戻って来ません。 メキシコ人は本当に水遊びが好き。通常のオリンピックには水泳選手なんて全然いな かったのに、みな泳ぐし、行楽と言えば海だ。クエルナバカは内陸だけれど、人気の 別荘地なのは家々にプールがあるから。家を売る人も庭にプールが付いていることを 売り文句にしないといけないらしい。以前は週末や長期休暇の季節にだけ、シティか ら遊びに来た別荘族が遊ぶだけだったのに、今では毎日が行楽日和で庭が賑やか。 メキシコと言うと思い浮かべるのは砂漠にサボテン。なにの、クエルナバカでは、ど この家のプールも水が満タンで、遊びのためにこんなに豊富に水を使うことを無駄遣 いだと言う人も多い。それは当然のこと。メキシコ・シティは水不足が深刻で、生活 水にも事欠くし、エルナバカだって時期によっては水が供給されない事もある。一部 の金持ちが湯水のように水を使って良いものか! 以前にも書いたけれど、私は現在コンドミニオの管理人の助手をしています。管理人 は普段はメキシコ・シティに住んでいるカサ6のイレネさんで、彼女に代わって、毎 月の管理費の徴収などをしているのです。ところが、何を勘違いしたのか、新家族が 私に、プールの水の管理が悪いので、もっときれいにして欲しいと言ってきたのです。 今まで、そんなことが問題になったこともないので、びっくり。 庭師のドン・ホエールは以前は1週間に一度の清掃をするだけだったのに、今では頻 繁にプール掃除をしなければならないとぼやくことしきり。掃除をするホエールと水 遊びをする家族との間にたって、私は困ります。屋外だから、プール底に砂ごみも溜 まるし、落ち葉や虫も浮くのは当然。私たちもメキシコに来た当初はよくプール遊び をしたけれど、私たちだけでなく、そんな細かいことを気にする人はいなかったし、 気になる人は自分で葉っぱとかすくい出して泳いでいたのに・・・。その上、水の ph値がどうのこうのと、訳の分からないことを言うから、いやになる。 若者なら、こういう時、「うざったいなぁ、もう」と言うのでしょうね。もう何年も プールになんか入ったことがない上、日本から帰ってきて閉じこもっていた私は、冬 眠から醒めていないのに穴倉から引っ張り出された熊みたい。全然、理解しようと言 う気持ちになりません。 でも、こうして10月に入ってから、無理矢理メキシコ生活に復帰を果たしたのであ りました。だんだん目が醒めつつあります。 おまけの話: 気を付けよう よくあるのがウイルス・メールですが、これはウイルス・バスターが退治してくれて、 事無きを得ています。それ以外に広告メールの多いこと。一日に30通くらい届くメ ールの99%が広告メールで、英語や中国語のものも多く、即ごみ箱入りですが、何 通もメールが来るのにまともなメールが一つも無い日もあって寂しいことです。 ところで、単なる迷惑メールと言えないメールがしばしば届くようになりましたので 一言。ある日、ある会社名で、私に大金が当選したので連絡を下さいと言う英文メー ルが入りました。心当たりはないし、騙されるほどウブではないので無視しても良い のですが、会社名がはいっているので、メールを捨てる前に、その会社のサイトを探 して見ました。なんと、サイトの表紙に、「最近、カクカクジカジカと言う文章の詐 欺メールがあるので気を付けてください」という注意書きがあり、私が受け取ったメ ールの文が実にそのままカクカクシカジカ。 その他、最近受け取ったメールの代表例は以下の通りです。あるアフリカの銀行マン が自分の銀行口座に10億円相当の金が放置されているのを発見。この口座の持ち主 は外国人の顧客だったが、数年前の飛行機事故で家族全員が死亡し、相続人を名乗り 出てくる人もいない。 口座を5年間放置しておくと、このお金が銀行のものになってしまう。そこで、誰か を亡くなった家族の遠い親戚としてでっち上げたいが、自分はアフリカ人なので、こ の外国人の親戚とは言えない。そこで、あなたをその親戚としたいので、連絡を欲し い。ついてはその財産の30%を謝礼として払いましょう・・・。 この口座の持ち主が、アラブのお金持ちだったり、内乱のあるアフリカの国の政治家 だったり、死んだ状況も飛行機事故のほか、テロで殺されたとか、メールによって状 況は様々ですが、だいたい言いたいことは同じ。最近は英文だけでなく、日本文で同 様の内容のメールがいくつも到着するようになりました。十分にお気を付けください。 表紙に戻る 感想箱へ進む バックナンバー#1 「運転しよう」から:何でもありのメキシコ式運転 #2 「猫」から:猫の獲物はどうする? #3 「免許証」から:ここでは買うんです #4 「仕事をしよう」から:押し掛け助手は大活躍 #5 「仕事をしよう」から:コンサート後のご馳走 #6 「仕事をしよう」から:黒沼邸でのミニコンサート #7 「スペイン語」から:無口な日本人 #8 「免許証から」から:車の所有税 #9 「クエルナバカ」から:蜂鳥 #10 「猫 パートII」から:捨て猫アナスタシア #11 「猫穴」から:アメリカ・ドライブ・転々旅行 #12 「女性」から:老化現象と更年期障害 #13 猪俣猛作曲「クエルナバカの碧い空」 #14 日本へ一時帰国しました/その他 #15 運転したら事故はつきもの #16 私たちの夏休み日記 #17 最近の感動:みんな生きている! #18 ホームページ1周年記念 #19 仕事人「かり」 #20「葛飾諏訪太鼓」の日々 #21 クエルナバカから謹賀新年 #22 薬の話 #23 社交サロンの話 #24 夏時間、ク日比較アンケート #25 母は強し #26 我が家のガーデニング #27 選挙裏話と日ク比較 #28 国際ピアノ・コンクール #29黒沼ユリ子さん邸CASA DE VIOLIN増築祝い−ペット・ロス症候群 #30 2周年記念・シドニーオリンピック・おまけ「スキャンダル」 #31 我が家に棲みつく魑魅魍魎、おまけの話「無料電話」 #32 私達のSEXENIO、おまけの話「歌のクラス」 #33「CREA」取材のコーディネータ初仕事、おまけの話 #34「日本週間」、おまけの話「コーディネータ、プロ宣言」 #35 ニューヨークの白い空、おまけの話「夏時間」 #36 巣立ちの夏 、おまけの話「民宿 かず」 #37悲しい話、おまけ:雑誌TITLE #38健康に自信がありますか?;おまけの話:TELECABLE INTERNET #39 コンサート・デビュー;おまけの話:テレビ番組の取材 #40 夏休み病気特集第二弾;おまけの話:テレビ番組の放送日程 #41 我が家の独立記念日、おまけの話:アメリカ・テロ事件 #42 続編:独立記念日、おまけの話:テロ事件のメキシコの反応 #43 犬を買いませんか? おまけの話:イダルゴ州の温泉 #44 日本メキシコ学院リセオで講演;おまけの話:2001年総括 #45 謹賀新年、 おまけの話:子供達の里帰り #46 ベラクルス珍道中: おまけの話: 月刊誌NOVARK #47 女性についての考察: おまけの話:日本一時帰国のお知らせ #48 一時帰国報告: おまけの話: JAL悟空格安チケット #49 「清流」とサッカーの話: おまけの話: かずの写真館 #50 7年半目の情緒不安定: おまけの話: 癒しのピアノ館 #51 ホーム・コンサート決行;おまけの話:帰ってきた子供達 #52 老人ホーム慰問コンサート; おまけの話:パパ訪問 #53 タマがうちにやって来た。おまけの話:慰問コンサート #54 私の公園デビュー、おまけの話: キャデラック売ります。 #55 売れた! おまけの話:今年一番長い夜 #56 タイ旅行報告、おまけの話:クリスマス・コンサート #57 NY息子救出作戦、おまけの話: レコーディングとラジオ番組 #58 タマ、おまけの話:ラジオ番組 #59 薬害?それともアレルギー、おまけの話:メキシコの苦悩 #60 最近読んだ2冊の本と戦争、おまけの話:リコーダー #61 気になる最新ニュース、おまけの話:最後のミサ #62 メキシコに住むということ、おまけの話: 日曜日も有料に! #63 200歳、200歳 2SIGLOS おまけの話: コンサート #64 夏休み雑感、 おまけの話: 稼ぐ! #65 繁子さんの死、 おまけの話: 扶養家族 #66 人生の節目5周年、 おまけの話: アミーゴスの仕事 #67 私はクエルナバカ、おまけの話:かずさんは日本 #68 返品自由、 おまけの話:みんな仲良く #69 年末・年始 雑感 − おまけの話:バイオリンの家での新年会 #70 スペイン語で講演; おまけの話: 大統領選 #71 シンプル・ライフ; おまけの話: ENGLISH JOURNAL #72 胸がドキドキ、おまけの話: 十二支の絵馬 #73 豆製品料理教室、 おまけの話: またも会計係 #74 トラケパケの小壷、 おまけの話: 春雑感 #75 日本人の足跡、 おまけの話: 絶対音感 #76 東京ネコ物語、おまけの話: 納豆菌 #77 日本発見、 おまけの話: CHUCHUMBEで見たメキシコ |