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-呑気家族のメキシコ移住計画-
出版:近代文芸社
石田 かり・著
                         「クエルナバカの碧い空」第80号
#6 本の続編 : 歌三昧  おまけの話: 記憶力すご過ぎ!
最近することと言えば、歌うこと。何せ、一日に2回の結婚式のミサの掛け持ちをす
ることもあるほど、仕事と趣味で歌う機会がいっぱいです。日本なら年末の忙しい時
に結婚式なんて…と思う人もいるかも知れないけれど、乾季に入ったクエルナバカで
は今の時期が結婚式シーズン真っ盛り。

もう殆どの式で同じレパートリーの歌を歌うので、慣れたもの。ところで、先日、ち
ょっと珍しい結婚式で歌いました。クエルナバカから30分ほど外へ出たところにあ
る荘園ホテルVISTA HERMOSAには、教会もあるのですが、古くからある教会には大勢
の参列客が入りきれないせいか、昔はサトウキビ荘園の倉庫と思われる大きなドーム
状の建物で結婚式のミサが開かれました。

天井の高い石造りのドームは歌声が良く響いて雰囲気は満点だし、10メートルくら
いはありそうなバージン・ロードには、白いバラの花びらが雪のように敷かれ、祭壇
も美しく飾られ、花嫁さんのウェディング・ドレスは息を呑むほど(本当!)美しく、
これ以上はないというほど豪華な結婚式でした。

さて、ミサが終了する直前に、参列する女性たちに、一辺5センチくらいの籠の小箱
が手渡されました。参列していた女性は少なく見積もっても200人くらい。これら
の女性達(箱が余ったと私にもひとつくれました)が、箱を開けて放ったのが、なん
と、白い蝶々!約200羽の蝶々が、建物の中でひらひらと…。

説明によると、この白い蝶はINDIO AMERICANOという種類の蝶で、箱を開ける前に、
そっと願いを託せば、蝶は何も言わないから、人に願いをしゃべってしまうことなく、
ひらひらと飛んで、天にまします神の元へ願いを運ぶということなのだそうです。そ
れにしたって蝶です。どこからそんなに沢山の蝶々を捕まえてきたのか、いつから小
さな箱に入れられていたのか、ドームの中をウロウロする蝶がその後、全員、青空の
下へ出られたか…なんだかとっても気になります。

よく結婚式では、ミサの終わりに白い鳩を飛ばすのを見ます。これは屋外です。一度、
鳩を子供に持たせて、子供が鳩を放つようにしたつもりが、子供は鳩を持つ手加減を
知らないし、必死の鳩はバタバタするしで、なんだか子供も鳩もかわいそうになった
ことがあります。いずれにしても、みんな生き物。鳩はいつか戻ってくるから良いで
しょうが、蝶々はちょっとやり過ぎでは?そう言えば、バージン・ロードの白いバラ
の花びらも、何本の花を美しい盛りにバラバラにしたものか…。考えると眠れなくな
りそう。いずれにしても、お金持ちのすることは極端だ。

老人ホームのコンサートもしました。久しぶりの慰問コンサートですが、クリスマス
の時期に行うのは初めてです。かずさんは、クリスマス・ソングをいくつかマスター
しているので、今回、私はクリスマス・ソングだけ歌いました。老人たちは、私達よ
りもずっと着飾って聞いてくれました。もう何回か行った事のあるホームなのですが、
ここのご老人たちは元気だし(20人余りいて、1人を除いて全員女性でした)、最
後には、「とっても素敵だった」と抱きしめてくれて、「拙いけれど、やって良かっ
た」という気持ちにさせてくれます。
初めてのアカペラでソロでも歌いました
(クリックで拡大)
さて私にとって最大のイベントは12月12日に開かれた、恒例のコーラス・グルー
プのクリスマス・コンサートです。10月から始まったクリスマス・コンサートの練
習中、いつもは一緒にメゾ・ソプラノのパートを歌うベルタが、息子さんがいるアイ
ルランドに旅行に行っていたので、一人きりのメゾ・ソプラノのパートでした(ベル
タは、2ヶ月以上のアイルランドとヨーロッパの旅を楽しんで、コンサートに間に合
うように帰って来ました)。

ソプラノのテレとベルタと私は、毎週一回、マエストロの家で発声練習のクラスを取
っているのですが、ベルタが旅行している間、テレと二人でした。そこで、テレがマ
エストロに、私と二人の曲を習いたいと言ったのです。で、マエストロが選んで、渡
してくれた楽譜がSUENO DE JESUS「幼子イエスの夢」という曲。この時点で、この
曲をクリスマス・コンサートで歌うとは全然知らなかった私は、初めてベルタ無しで
歌うことも良いかと呑気に思ったのでした。

後にコンサートのプログラムに入っている曲と知ってびっくりするやら焦るやら。は
められた!と思いましたよ。私はすごいアガリ症なので、そうでなくたって上手く歌
えないのに、コンサートでベルタの助けがなくて歌えるはずがない。

練習中、何度やっても上手く歌えない!いつもならベルタが側で同じメゾ・ソプラノ
のメロディーを歌ってくれて、一緒に歌えば何とかなるのですが、一人で、テレのソ
プラノと一緒に歌うと、どんなに頑張っても、どうしても釣られてしまって、自分の
メロディーがメロメロ。長い曲ではないし、自分のパートは完璧に覚えていて、一人
なら歌えるのに、ピアノの伴奏があって、テレのソプラノが入ると、自分の声が聞こ
えなくなって、何を歌っているやら…。

言い訳をすると、メゾ・ソプラノのメロディーと言うのは、ソプラノのメロディーよ
りもメロディーらしくない。低いパートだし、フラットが沢山ついた中途半端な音が
多くて、ピアノの伴奏とも全然異なる。誰のせいにもできないけれど、誰の助けも得
られず、立ち往生するばかり。例によって、他の仲間は、NO TE PREOCUPES, SI TU 
PUEDES(心配しないで!あなたなら出来るわよ)と励ましてくるけれど、そんな無責
任な!これが心配せずにいられますか!

コンサートまでの最後の練習期間の1ヶ月、一日中この歌を歌っていました。夜、眠
っているのに、夢の中でも歌っている私。夜中に目が醒めると、この曲が頭の中でワ
ンワン響いているし、考え始めると食事をしていても胸がドキドキ(でも食欲は劣ら
ない)して口から歌が飛び出しそう。普段、緩みっぱなしの生活なので、こんな緊張
には絶えられないし、神経も喉も歌い過ぎで壊れそうです。

さて、本番の日、もう一人のメゾ・ソプラノのシンティアは風邪が悪化して来れなく
なり、コーラス・グループの人数も今までで最少。私も含めて、みんな少しづつ間違
いがあったり…。でも、最終的には、満員のお客さんも満足そうで、スタンディング・
オベーションもあって、マエストロも嬉しそう。練習の甲斐がありました。
恒例のクリスマスコンサート   手足も震え、声にもビブラートが・・・
(クリックで拡大)
さて、私にとって4年目となったクリスマス・コンサートでの初のソロ・デビューです
が、思い切り歌えました。本当は、この曲は子守唄なので、もっと優しく歌えたら良か
ったのですが、張り切りすぎて、寝ている子供も目を覚ます歌声だったかもしれません。
何でもそうですが、始まる前は緊張でガチガチ、終わった後は後悔や恥ずかしさでズキ
ズキです。でも、かずさんも、「まあまあ、良かった」と言ってくれたし、ま、初体験
だから、良しとしましょう。

こうして2004年は暮れてゆきます。皆さん、今年もありがとうございました。素晴
らしい2005年をお迎えください。新年も「クエルナバカの碧い空」をよろしく!

おまけの話: 記憶力すご過ぎ!

メキシコには、誕生日のほかに、聖人の日DIA DE SANTO(洗礼名と同じ聖人を祝う日)
があって、自分と同じ聖人の日には、みなお祝いの言葉をかけます。

先日、コンチャ(コンセプションCONCEPCIONの愛称)の聖人の日に、庭でケーキを食
べるから…と誘われました。コンチャの聖人の日は、同時に誕生日でもあるそうで、
彼女自身が買ってきたケーキをご馳走になりました。最近、庭で隣人達が集まっても、
あまり出て行かない私は、皆に「!QUE MILAGRO!(奇跡的ね!)」とか言われてしまい
ました。

で、みんなで誕生日の話や占星術の星座の話になって、お隣のカサ2のおじいさんが、
「自分も妻も、木曜日に生まれた」と言い出したのです。それも、「妻は、朝の11
時…」とか…。その場には、まだまだ赤ちゃんの孫もいたのですが、孫のことではな
く、自分達の生まれた日時のことなんです。私は、実は、自分が何時に生まれたか、
聞いたことがあるかも知れないけれど、全然、覚えていないし、曜日なんて知ってい
る必要があるとは思えない。

カサ2のおじいさんがそう言ったら、他の人まで、「いやぁ、偶然、私も木曜日の夜
の何時の10時よ」とか、「夫は火曜日の夕方5時」とか、みんな口々に言うではあ
りませんか!

そのうち、カサ2の娘のラウラが自分の赤ちゃんが生まれたときに、お医者さんが親
戚の人ばかりだったので、「出産の時に、全部無料でやってもらって、もうかっちゃ
った」と言い、カサ4のコンチャに「あなたのときは、いくらかかった?」って、聞
いたんです。でも、コンチャの下の息子は、もう8歳で、そんな前の金額を覚えてい
るわけ無いじゃん…と思いきや、コンチャは、いくらいくらかかったと細かい数字ま
で述べたからびっくり。

先日も、バス停でバスを待っていたら、通りかかった人が、「オーラ、かり」と声を
かけてくれたんですが、全然見覚えがない。「あなた誰?」と訊いたら、ずっと前に、
ボルダ庭園で私の絵を見たことがあるんですって…。私って有名画家? こんな風に、
メキシコ人て意外にも記憶力がいいんです。きっと、すごくおしゃべりだから、同じ
ことを色んな所で、何回か言っているうちに覚えてしまうのでしょうね。花の名前な
どは、聞いても誰も知らないから、もうちょっと役に立つ知識を溜めた方が良いよう
な気もするけど…。

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バックナンバー
#1 「運転しよう」から:何でもありのメキシコ式運転
#2 「猫」から:猫の獲物はどうする?
#3 「免許証」から:ここでは買うんです
#4 「仕事をしよう」から:押し掛け助手は大活躍
#5 「仕事をしよう」から:コンサート後のご馳走
#6 「仕事をしよう」から:黒沼邸でのミニコンサート
#7 「スペイン語」から:無口な日本人
#8 「免許証から」から:車の所有税
#9 「クエルナバカ」から:蜂鳥
#10 「猫 パートII」から:捨て猫アナスタシア
#11 「猫穴」から:アメリカ・ドライブ・転々旅行
#12 「女性」から:老化現象と更年期障害
#13 猪俣猛作曲「クエルナバカの碧い空」
#14 日本へ一時帰国しました/その他
#15 運転したら事故はつきもの
#16 私たちの夏休み日記
#17 最近の感動:みんな生きている!
#18 ホームページ1周年記念
#19 仕事人「かり」
#20「葛飾諏訪太鼓」の日々
#21 クエルナバカから謹賀新年
#22 薬の話
#23 社交サロンの話
#24 夏時間、ク日比較アンケート
#25 母は強し
#26 我が家のガーデニング
#27 選挙裏話と日ク比較
#28 国際ピアノ・コンクール
#29黒沼ユリ子さん邸CASA DE VIOLIN増築祝い−ペット・ロス症候群
#30 2周年記念・シドニーオリンピック・おまけ「スキャンダル」
#31 我が家に棲みつく魑魅魍魎、おまけの話「無料電話」
#32 私達のSEXENIO、おまけの話「歌のクラス」
#33「CREA」取材のコーディネータ初仕事、おまけの話
#34「日本週間」、おまけの話「コーディネータ、プロ宣言」
#35 ニューヨークの白い空、おまけの話「夏時間」
#36 巣立ちの夏 、おまけの話「民宿 かず」
#37悲しい話、おまけ:雑誌TITLE
#38健康に自信がありますか?;おまけの話:TELECABLE INTERNET
#39  コンサート・デビュー;おまけの話:テレビ番組の取材
#40  夏休み病気特集第二弾;おまけの話:テレビ番組の放送日程
#41  我が家の独立記念日、おまけの話:アメリカ・テロ事件
#42  続編:独立記念日、おまけの話:テロ事件のメキシコの反応
#43  犬を買いませんか? おまけの話:イダルゴ州の温泉
#44  日本メキシコ学院リセオで講演;おまけの話:2001年総括
#45  謹賀新年、 おまけの話:子供達の里帰り
#46  ベラクルス珍道中: おまけの話: 月刊誌NOVARK 
#47  女性についての考察: おまけの話:日本一時帰国のお知らせ
#48  一時帰国報告: おまけの話: JAL悟空格安チケット
#49  「清流」とサッカーの話: おまけの話: かずの写真館
#50  7年半目の情緒不安定: おまけの話: 癒しのピアノ館
#51  ホーム・コンサート決行;おまけの話:帰ってきた子供達
#52  老人ホーム慰問コンサート; おまけの話:パパ訪問
#53  タマがうちにやって来た。おまけの話:慰問コンサート
#54  私の公園デビュー、おまけの話: キャデラック売ります。
#55  売れた! おまけの話:今年一番長い夜
#56  タイ旅行報告、おまけの話:クリスマス・コンサート
#57  NY息子救出作戦、おまけの話: レコーディングとラジオ番組
#58  タマ、おまけの話:ラジオ番組
#59  薬害?それともアレルギー、おまけの話:メキシコの苦悩
#60  最近読んだ2冊の本と戦争、おまけの話:リコーダー
#61  気になる最新ニュース、おまけの話:最後のミサ
#62  メキシコに住むということ、おまけの話: 日曜日も有料に!
#63  200歳、200歳 2SIGLOS おまけの話: コンサート
#64  夏休み雑感、 おまけの話: 稼ぐ!
#65  繁子さんの死、 おまけの話: 扶養家族
#66  人生の節目5周年、 おまけの話: アミーゴスの仕事
#67  私はクエルナバカ、おまけの話:かずさんは日本
#68  返品自由、 おまけの話:みんな仲良く
#69  年末・年始 雑感 − おまけの話:バイオリンの家での新年会
#70  スペイン語で講演; おまけの話: 大統領選
#71  シンプル・ライフ; おまけの話: ENGLISH JOURNAL 
#72  胸がドキドキ、おまけの話: 十二支の絵馬
#73  豆製品料理教室、 おまけの話: またも会計係
#74 トラケパケの小壷、 おまけの話: 春雑感
#75 日本人の足跡、 おまけの話: 絶対音感
#76 東京ネコ物語、おまけの話: 納豆菌
#77 日本発見、 おまけの話: CHUCHUMBEで見たメキシコ
#78 引きずって・・・、おまけの話: 気を付けよう
#79 秋です; おまけの話: ところ変われば・・・

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